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体操の技を覚えよう【平行棒05】終末技

平行棒は、これまでの記事で見てきた通り、技のバリエーションは豊富ですが、終末技についてはそれほど豊富ではありません。

平行棒のおり技は単純な動きのものが多いので覚えやすいと思います。
それでは見ていきましょう。

➀後方伸身宙返り【A難度】

基本の宙返り

支持前振りの勢いからシンプルに後方宙返りで着地する技。
平行棒の終末技はほとんどの場合、器具の横にズレながら宙返りをして着地します。


②後方伸身宙返り1回ひねり【C難度】

1回ひねり

伸身で宙返りをしながら1回ひねって着地する技。
ほかの種目では後方宙返り1回ひねりはA難度かB難度しか取れませんが、平行棒ではC難度を得ることが出来ます。


③後方伸身宙返り2回ひねり〔カン〕【D難度】

2回ひねり

伸身で宙返りをしながら2回ひねって着地する技。
平行棒において1回宙返りでD難度が取れる貴重な技。
実際にやる選手はめったにいません。


④後方抱え込み2回宙返り【C難度】

LOH Jovi (SGP) - 2023 Artistic Junior Worlds - Qualifications Parallel Bars

抱え込み姿勢で後方に2回宙返りをして着地する技。
ジュニア選手はこの技を終末技とする選手が少なくありません。


⑤後方屈身2回宙返り【D難度】

Artistic Gymnastics Men's Team Final - Full Replay | Rio 2016 Replays

平行棒の終末技としては王道とも言える技。
屈身姿勢で後方に2回宙返りをして着地します。
長年平行棒の終末技として古今東西多くの選手に使われてきたこの技。
D難度が取れてシンプルな構造、着地も狙いやすい、デメリットが浮かびません。


⑥後方抱え込み2回宙返り1回ひねり〔カトウヒロユキ〕【G難度】

月面

抱え込み姿勢で後方2回宙返りに1回ひねりを加えた技。
シンプルな抱え込み2回宙返りはC難度でしたが、
1回ひねりを加えるとG難度になります。
技名には日本の加藤裕之さんの名前が付けられています。
近年じわじわと使い手が増えてきている技なのでパリ五輪でも見られるかもしれません。



⑦前方屈身宙返り半ひねり【A難度】

前宙ハーフ

ここからは前方の宙返りに入ります。
この技は屈身姿勢で前方宙返りにして半分ひねりを加えた技。


⑧前方伸身宙返り1回ひねり【C難度】

Dogukan EREM Türkei Barren - EnBW DTB Pokal 2024 - Junioren Team Challenge Männer Stuttgart - Turnen

こちらは伸身姿勢での前方宙返りに1回ひねりを加えた技。
後方の1回ひねりと難度は同じですが、こちらの方が使う選手は多いです。


⑨前方抱え込み2回宙返り【E難度】

Rio Replay: Men's Parallel Bars Final

抱え込み姿勢で前方に2回宙返りをする技。
後方抱え込み2回宙返りはC難度でしたが、前方での2回宙返りはE難度
平行棒では屈身ダブル派の選手と前方ダブル派の選手に別れます。
世界のトップ選手たちは難度の高い前方ダブル派の選手がほとんどです。


⑩前方抱え込み2回宙返り半ひねり【E難度】

Amazing Performances! ✨ | Men's Parallel Bars #Tokyo2020 qualifications

ひとつ前の⑨前方抱え込み2回宙返りに半分ひねりを加えた技。
半分ひねりを加えることでシンプルな抱え込みダブルよりも高さが必要になります。
ひねらない抱え込みダブルと難度も変わらず、同じ技扱いですが、ひねりを加えることで着地面が見えるようになり、着地を狙いやすいというメリットがあります。
前方ダブル派の中にも、ひねらない派とひねる派に分けられます。


⑪前方屈身2回宙返り〔ベルヤフスキー〕【F難度】

ベルヤフスキー

屈身姿勢で前方2回宙返りをして着地する技。
ひねりもなくシンプルな構造ですが、これがF難度と高難度。
⑨前方抱え込み2回宙返りよりも高さが必要且つ着地面を確認しにくいということで、使う選手はほとんどいません。
〔ベルヤフスキー〕と名前がついています。


⑫前方屈身2回宙返り半ひねり〔ダラロヤン〕【F難度】

ダラロヤン

⑪〔ベルヤフスキー〕に半分ひねりを加えた技。
ひねりを加えることで⑪〔ベルヤフスキー〕よりもさらに高さが必要になる技。
しかし、抱え込みと同様、ひねりを加えても難度が上がることはありません。


⑬前方抱え込み2回宙返り1回ひねり〔ラルデュエト〕【G難度】

ラルデュエト

抱え込み姿勢で前方2回宙返りに1回ひねりを加えた技。
前方ダブルに半ひねりを加えても難度は変わりませんが、1回ひねりになるとG難度まで上がります。
〔ラルデュエト〕と名前がついていますが、ラルデュエトご本人の発表以来使う選手は現れていません。


⑭懸垂前振り後方抱え込み2回宙返り【C難度】

MARTINEZ MORENO Andres (COL) - 2022 Artistic Worlds, Liverpool (GBR) - Qualifications Parallel Bars

ここからは特殊なおり方。
バーの端っこの方で外側を向き、後方車輪のように懸垂に下ろして
その勢いで前に振り出して抱え込み2回宙返りをして着地する技。
支持振り出しからの④後方抱え込み2回宙返りと難度は変わらずC難度。


⑮懸垂前振り後方屈身2回宙返り【D難度】

RIJKEN Frank (NED) - 2021 Artistic Worlds, Kitakyushu (JPN) - Qualifications Parallel Bars

懸垂振り出しから屈身姿勢で2回宙返りをして着地する技。
こちらも支持振り出しからの⑤後方屈身2回宙返りと同じD難度。


⑯懸垂前振り後方抱え込み2回宙返り1回ひねり【E難度】

CALVO MORENO Jossimar Orlando (COL) - 2016 Olympic Test Event, Rio (BRA) - Apparatus Final Parallel

懸垂振り出しから抱え込み姿勢で後方2回宙返りに1回ひねりを加える技。
⑮屈身の2回宙返りよりも難度が上がってE難度。
なぜかコロンビアの選手がよく使う技です。



難度が格上げされたこともあり、近年では棒端懸垂系の終末技を使う選手も少しずつ増えてきました。
また、最高難度の月面宙返りも実施例が増えてきて、終末技で個性を見せようとする動きも見えます。

次回からは男子の花形、鉄棒の技を覚えていきましょう。

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