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テン・スルビッチ(クロアチア)の鉄棒/2020年欧州選手権種目別決勝の演技

クロアチアから鉄棒1本でオリンピックに挑むテン・スルビッチ。
2017年の世界選手権の鉄棒で優勝し、世界チャンピオンになっています。
翌2018年も種目別鉄棒で4位、2019年には銀メダルを獲得していて、すっかり鉄棒決勝の常連になっています。

スルビッチはトカチェフ系を得意とする選手。
コバチ系を使う選手は技そのものに華がありますが、スルビッチはトカチェフ系で華を持たせます。
スルビッチはトカチェフ系を4連続で実施してくる選手です。
世界的にも3連続は数え切れるくらいにはいますが、4連続は彼だけの特権ですね。

そもそもトカチェフ系を4連続で繋げるには技の構成から考える必要があるんですが、そこで彼が使っているのが【ピアッティ】という技です。

【ピアッティ】もトカチェフ系の技なのですが、トカチェフと違うところは、技の入り方です。

ノーマルな【トカチェフ】はこんな技でした。

トカチェフ

そして、前回【シュタルダー】という動きを紹介しましたね。

シュタルダー

【ピアッティ】とは、【シュタルダー】と【トカチェフ】を合体させた技です。
技の説明としては、「後方開脚浮腰回転から開脚背面飛び越し懸垂」となります。
「後方開脚浮腰回転(⇒シュタルダー)から開脚背面飛び越し懸垂(⇒トカチェフ)」=【ピアッティ】ということですね。
実際に見てみましょう。

ピアッティ

スルビッチはこの技からスタートして、【ピアッティ】⇒【トカチェフ】⇒《伸身トカチェフ》⇒【リンチ】と4連続を繋げています。

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スルビッチの凄いところは、手離し技以外のひねり技の精度が高いところにあります。
終末技の空中姿勢も申し分なく、着地もきれいに収まっています。

小さい頃に鉄棒で怪我をしてから鉄棒に恐怖心を持っていたそうです。
そんな彼が鉄棒で世界チャンピオンになり、オリンピックに挑もうとしています。
トカチェフ使いの華として、見る者を驚かせてほしいです。

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