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Bリーグプレミア構想とは何なのか?【B.LEAGUE BEYOND 2020】

【夢のアリーナ】Bリーグ プレミア構想とは何なのか?!【B.LEAGUE BEYOND 2020】 2021/06/12公開


Bリーグ構造改革は2019年7月に発表

2019年7月1日、Bリーグ大河チェアマン(当時)はBリーグは中長期計画「B.LEAGUE BEYOND 2020」を発表しました。これが今現在「Bリーグプレミア構想」「開放型から閉鎖型へ移行」などと呼ばれているBリーグの構造改革の最初のリリースです


以下、「B.LEAGUE BEYOND 2020」を掲載します。

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B.LEAGUE BEYOND 2020 1ST PHASE

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2016年の開幕から今まで成し遂げてきた事。

スマホファースト ≒ デジタルファーストが重要なファクターです。

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Bリーグ開幕前と比較して入場者数は大きく上昇

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選手待遇、ステータスも劇的に向上

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先行者であるプロ野球、Jリーグに続くリーグへ

B.LEAGUE BEYOND 2020 2ND PHASE

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ここからがこの資料の本番です

1.ソフト・ハードの一体経営
・ナショナルアリーナを含めた夢のアリーナを全国に10ヶ所以上展開
・“日本版AEG”を目指したコンソーシアム形成

2.デジタルマーケティングの進化
・新チケットシステムによる顧客拡大
・統合データベースの活用とマネタイズ

3.メディアカンパニー化
・「参加する」「会話する」双方向型メディア ・ Sportec 等テクノロジーを駆使した新体験の提供

4.アジア戦略の本格稼働
・アジア枠設定による海外放送権販売、インバウンドの拡大
・アジアにおけるリーダーシップ、ガバナンスとプラットフォームの輸出

5.地域創生×バスケットファミリーの拡大
・中高生競技者数No.1、バスケットファミリーの力の結集で地域を元気に
・未就学児含めて子供のころからバスケに触れる機会の創出

次ページからそれぞれのイメージ図です。

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AEGとは米国スポーツエンターテインメント会社。世界中でスタジアムやアリーナの運営に関与しています。コンソーシアムとは共同体です。

つまりアリーナ建設はゴールではなくスタート。「Bチーム」が主体となり音楽催事等の高いノウハウを持つ団体と協同で「収益力の高い運営」をする、それが出来るハコを創る。これを目指しています。

ハコを作れ、ではなくハコを運用する主体になって稼ぐ

そう言っているのです。

ちなみにAEGは愛知県新体育館の運営に参画してきています。これが偶然でしょうか。


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2020年時点で、3DシートMAP、公式セカンダリーマーケット共に一部クラブがBリーグ公式チケットサイトにて導入しています。

公式リセールでシーズンチケットや前売り券購入の顧客ハードルを下げて「売上の前取り」を増やしチームのキャッシュフロー向上。
そしてダイナミックプライシング(リアルタイム需要による価格変動)で満席に近づける。

Bリーグ設立当初から取り組んできたデジタルファーストの基盤でチケッティング収益の最大化、キャッシュフローの効率化を達成するのが目標です。


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Bリーグオールスター2019では次世代型ライブビューイングを試験実施しました。

その次世代型ライブビューイングを各ホームコートで実施、アウェー実施日でもホーム収益を計算できる体制にする。全60試合全てを収益化する取り組みです。次世代型アリーナである沖縄アリーナでは有料アウェー観戦としてスタートしました。そのためのホームアリーナであり、自分たちで運用できる事が重要なのです。

さらにAIで自動作成されるショートハイライトをほぼリアルタイムで公開、デジタルファーストでSNSを通じて拡散しやすい環境を作り出す。

既存メディアに頼るのではなく、アリーナを映像製作スタジオに見立て、そこからデジタルファーストで発信していく、それが目標です。


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アジアへのマーケット拡大。特に「プラットフォームの輸出」には驚きました。

今までの資料が訴えてきたBリーグの取り組みは「収益性の高い環境をネットを最大限に活用して構築」です。つまり再現可能なのです。

そのスキーム輸出はBリーグ設立当初から狙っていたと思えるほどしっくりきます。これはJのアジア戦略に習っていると思われます。

アジア特別枠の設置によってサーディ・ラベナ選手のような有力選手の獲得する環境が生まれたのも、このBリーグアジア戦略のスタートラインなのです。選手レベルだけを考えれば中東やオーストラリアの選手もアジア特別枠に入れるべきですが、そうしないのは中東やオーストラリアはアジア戦略の対象地域ではないという事です。



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アリーナがイメージ図の中心になっています。

アリーナを集客コアとしてそれを街全体に波及させましょう、街に活気を!という事を訴えかけてきます。アリーナは予算を圧迫するコストセンターではなくプロフィットセンターである、という事ですね。

「ヘルスケア」等が外枠にあるのはJリーグ鹿島がモデルケールなのかと。


B.LEAGUE BEYOND 2020 3RD PHASE

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ここで話題になる「昇降格廃止」「ライセンス基準引き上げ」が登場します


エクスパンション型リーグへの移行
・単年競技成績のみによる昇降格廃止
・クラブライセンス、複数年の競技成績で判断
・エクスパンションは競技性、事業性で適宜判断

クラブライセンス基準引き上げ
B1:売上高 12億円、入場者数 4000人、アリーナ要件
B2:売上高 4億円、入場者数 2400人

「昇降格廃止」「ライセンス基準引き上げ」のインパクトが大きすぎる3rd Phaseだけだと「弱者排除」の印象です。

しかし、2nd Phaseをしっかり実現出来れば「稼ぐ環境はリーグの責任で構築するから、皆でもっと大きい未来を創ろうよ」とハッキリ言っている。

5年間あればそれぞれのBクラブがそのハードルを越える気概があるのか、背伸びはしないのか各々見えてくるのではないか。というのが当時の私の印象でした。

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島田チェアマンも「B.LEAGUE BEYOND 2020」を受け継ぐ

2020年7月1日より新しく島田慎二氏がBリーグチェアマンに就任しました。

島田チェアマンもBリーグ構造改革を引き継ぎ、その実現の為の発信を精力的に行っていきます。

島田氏がチェアマンになり、秋田市の講演で初めて「プレミアリーグ」という呼び名を使いました。ただしそれ以降島田チェアマンは「プレミア」という言葉を正式には使っていません。

「プレミアリーグ」という言葉を使ってしまうと、その言葉の響きだけが独り歩きして、まるで2000年代のプロ野球1リーグ構想のようにマイナスイメージで受け取られる恐れがあると感じていたので、「プレミア」という言葉を使わなくなったのは個人的にはいい事だと思います。



全体的には大河前チェアマン時代の構想を受け継いでいますが、一部変更されている部分もあります。Bリーグの正式な資料リリースが待たれるところです。




リーグ構造改革は「目的」ではなく「手段」

達成したい未来があり、その手段としてリーグ構造の改革、さらにその下に紐づく各種ルール変更やアリーナ整備が存在します。


リーグ構造の変化だけを見て感情論で判断するのは得策ではないでしょう。

ましてや他競技や他国リーグと比較して語るのは時期尚早です。

まだ始まって5年、新たな文化を創るのは今からなのですから。












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