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TRPG制作日記(502) 常識と非日常の二つのルール(特殊ルールについて)

現代稲生物怪録TRPGは洋館からの脱出を目指す対話型ゲームです。プレイヤーはキャラクターを演じながら、脱出に必要な銀の鍵を探します。

ある朝、四人の高校生が目を覚ますと洋館の正面広間にいた。広間にはスリコギ手と名乗る着物姿の娘がいて、明日の二十四時までに銀の鍵を手に入れることができなかった場合は全員を妖怪館に永遠に閉じ込められると伝えた。銀の鍵は洋館にいる妖怪が盗んだ可能性が高いようだ。また、銀の鍵を手に入れるために、補佐として妖怪が封じられたカードをそれぞれの高校生に渡していると教えてくれた。確認すると、確かに六枚ずつカードが配られている。さあ、高校生達は無事に銀の鍵を手に入れて妖怪たちの暮らす洋館から脱出することができるのだろうか?

現代稲生物怪録TRPG


現代稲生物怪録TRPGは、現実世界の高校生が、妖怪世界に呼ばれて銀の鍵を探すゲームです。

そのため、私達が暮らしている現実世界と同じ一般ルール、たとえば他者の意見を尊重したり、暴力で他者を従わせたり差別発言を行わないなどのリベラルな価値観が適応されます(リベラルはゲームを成立させる上で必要になる価値観で、逆にゲームこそがリベラルの源泉です。資本主義がゲームであるからこそ、リベラルが受け入れられていない国では資本主義と自由経済は発展しません)。

自由主義、あるいは資本主義の価値観やルールなどは、一般ルールとしてプレイヤーは共有していますし、逆に自由主義あるいは資本主義の価値観やルールをゲームシステムの前提とすることで、プレイヤーはゲームを違和感なく遊ぶことができます。

実際、『ポケットモンスター』は資本家(トレーナー)となり労働者(ポケモン)を集めるゲームですし、『ドラゴンクエスト』は自由主義者(特技の異なる専門職)となり専制君主(魔王)と戦うゲームです。

普通、ゲームで遊ぶ人は社会にそれなりに適応しているので、少なくとも警察に拘束されている状況ではないので、自然と法律を守ってしまっている人であることが前提されます。

よって、自由主義者であることはプレイヤーに前提できる価値観です。


これらの自由主義、一般ルールを前提にして、そのゲーム特有の特殊ルールが設定されます。この特殊ルールがゲームの独自性です。


一般ルールが日本国憲法の理念や価値観を前提とした、ある意味で日本人の常識を反映しているのとは対照的に、特殊ルールは常識や日常に反しているルールである必要があります。

たとえば、呪いのビデオを見ると一週間後に死ぬ、無人島で殺し合いをして最後の一人になったら脱出できるなどです。


特殊ルールは以下の三つが想定できます。

(1)環境と対象が限定されている。

呪いのビデオを見た人は一週間後に死ぬ、などです。また、学校や病院などでは学校や病院特有の特殊ルールが適応されます。

(2)時間制限

一時間以内に解除されなければ時限爆弾が爆発する、三日後に隕石が地球に衝突するなどです。

(3)行動の禁止と強制

無人島で生き残りたければ、自分以外を殺さなければならないなどです。


現代稲生物怪録TRPGにおいては、現実世界に戻りたければ銀の鍵を探さなければならないが(3)の行動の強制に該当して、また明日の24時までが(2)の時間制限に該当します。

また、高校生達はそれぞれ妖怪を与えられて、召喚して助けて貰うことができます。



今日は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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