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TRPG制作日記(141) アマテラスカードゲームの妖怪たち2(網剪編)

『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGは高校生たちが仮想世界でアマテラスカードゲームのカードプレイヤーになる物語です。アマテラスカードゲームはターン制のデッキ構築型カードゲームで、高校生たちはアマテラスカードを集めて対戦します。

アマテラスカードには日本や中国の神仏や妖怪が描かれています。

そして、カードプレイヤー達は自分達の妖怪を召喚して、相手プレイヤーを守っている妖怪を排除して攻撃して勝利します。

昨日はキャタクターシナリオ『二条陽子編(1)初心者屋敷』でプレイヤーの友となる四枚の下級妖怪たち、特に窮奇(かまいたち)について書きました。

今日は網剪(あみきり)について書こうと思います。


網剪(あみきり)


窮奇と共に一番初めにデザインしたのは網剪です。網剪ははさみのあるサソリのような妖怪で女性の髪を切ると言われています。

網剪は以下のようにデザインしました。

カード名:網剪[あみきり]
攻撃力:20
効果:この妖怪は効果を受けない。


アマテラスカードゲームのターンは、以下のような流れになっています。

開始フェイズ(六面ダイスを振り召喚権を獲得)

戦闘前フェイズ(手札から場に妖怪を召喚、効果を発動)

戦闘フェイズ(自分妖怪で相手妖怪を攻撃)

アマテラスカードの妖怪たちはそれぞれ固有の効果を持っており、その効果の多くは戦闘前フェイズに発動されます。

昨日紹介した窮奇は、戦闘前フェイズに効果を発動して、六面ダイスを二回振り二回とも6が出たら妖怪一体を手札に戻すという効果がありました。

また、九尾の狐は戦闘前フェイズに相手妖怪一体を対象に発動して、それを破壊する効果を持ちます。

他にも、多くの妖怪は効果により相手妖怪を弱体化させたり、何か大きなデメリットを与えたりします。


TCG(トレーディングカードゲーム)で遊んだことがある人は分かると思いますが、ほとんどのカードゲームにおいて、効果を受けないという効果はきわめて強力です。

アマテラスカードゲームは、相手妖怪を効果で破壊するか戦闘で破壊して相手の場から排除しなくてはなりません。

そのため、最高の攻撃力を持つ八岐大蛇に同じような効果があれば、この妖怪はほとんど無敵で排除するのはほぼ不可能です。

アマテラスカード最強のカードである燭陰は、きびしい召喚条件ときびしいデメリット効果がある代わりに、この妖怪はこの妖怪の効果以外を受けないという効果を持ちます。

そのため、端的に表現すると網剪の「この妖怪は効果を受けない」という一分は最強の効果です。

とはいえ、攻撃力は最弱の20なので、効果を受けないという効果があることにほとんど意味がありませんが。


最弱の妖怪たち


いくつかのRPGゲームで遊んだ経験から、ゲームに登場するモンスターでもっとも大切なのは一番初めに出会うモンスター、もっとも弱いモンスターであると私は考えています。

ドラゴンクエストシリーズにはスライムが登場しますし、多くの異世界冒険物語にはゴブリンが登場します。

遊戯王にはモリンフェンがいます。

そして、これらのモンスターは有名で愛されています。

彼らに該当するような妖怪として、私は窮奇(かまいたち)と網剪を選びました。


かまいたちはよく知られた妖怪であるだけではなく、妖怪画集で有名な鳥山石燕の影響で、「窮奇」という中国名も知られています。

そのため、中国から日本に来た移民のような気配を出しています。

両手が鎌になっており、強そうなのも悪くありませんが、同時に鳥山石燕の画集を見る限り、イタチの妖怪なので愛らしくて、鎌が付いているのに攻撃力が低そうです。

窮奇、という漢字を見ても多くの日本人はすぐに読み方が分からないでしょうし、そのためちょっとした雑学が名前そのものに含まれています。中国ではそれなりの身分があった妖怪であるという設定も、悪くないです。


同時に、網剪は鳥山石燕の画集では窮奇の隣に描かれています。片方が鎌で片方がはさみです。

この二匹をアマテラスカードの代表的な最弱モンスターにしようと計画しています。


この二匹をセットにするとして、二匹の効果に関係を持たせました。

窮奇の効果は、発動できないけど発動したら強力な効果。

そして、網剪はそもそも効果を受けないという効果。

窮奇にとって、網剪は最悪の敵です。網剪が相手の場にいるときは、相打ち以外の選択がありません。

仮に効果を発動しても防がれるからです。


ウエイト版タロットの月に描かれているザリガニも意識しました。精神性の強い月が効果に耐性があるという感じです。



キャタクターシナリオ『二条陽子編(1)初心者屋敷』において、カードプレイヤー達のデッキは、

6、切り札(キャラクター固有の妖怪)

5、強めの妖怪(まだ決めていない)

4、木魅(男の子)

3、木魅(女の子)

2、窮奇

1、網剪

を基本にしようと思っています。原則として、六面ダイスを振ったときに大きな数値が出ると強い印象です。

網剪は積極的な効果を持たないことから、窮奇よりも下にしています。しかし、キャタクターシナリオ(1)では、木魅(男の子)の効果が相手の攻撃力を20下げるなので、木魅(男の子)を相手にしたときには窮奇は無力で網剪のほうが強いです。


今日は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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