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TRPG制作日記(131) シナリオ制作

TRPGのセッションは、ある意味では一本のシナリオから始まります。オンラインのセッションを探したときには、ゲームタイトルだけではなくシナリオのタイトルが表示されているのを確認できるでしょう。

また、実際にプレイすれば、TRPGはゲームシステムというよりは、むしろシナリオの面白さこそがセッションの面白さを決定すると感じることもあるかもしれません。

『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGは和風世界のキャタクターを演じて楽しむ即興演劇です。参加者はゲームマスターとプレイヤーに別れて、ゲームマスターはシナリオを読み物語を語り、プレイヤーはその物語の登場人物を演じながらシナリオの世界を探索します。

ゲームシステムなどTRPGで遊ぶための基本的なルールが書かれている本をルールブックと言いますが、現在、『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGのルールブックを制作中です。

このルールブックは以下のような構成を計画しています。

 1はじめに
 2世界観
第一部
 3カードプレイヤー
 4行為判定と衝撃
 5アマテラスカード
 6対戦
 7自己肯定感
第二部
 8ゲームマスター
 9セッション
 10シナリオ制作
 11神仏と妖怪
 12アマテラスワールド
 13秘された記録

現在はゲームマスターだけが必要とする情報が書かれた第二部の説明をしています。

今日は第十章「シナリオ作成」について書かせていただきます。


TRPGはゲームマスターが企画を立てて、それから仲間を集めてセッションを開催する場合があります。そして、そういうときにはゲームマスターが自分でシナリオを書いてセッションを行うことも珍しくありません。

基本的には、『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGはこちらで用意しているシナリオを利用していただくことを想定していますが、しかしゲームマスターが自分でシナリオを制作することは奨励しています。

ゲームマスターが集まる会に参加させていただいたときに、ゲームマスターさんたちに話を伺ったところ、ルールブックというのはセッションを考えるときのアイデア本という話をなされていました。

この物語のアイデアを獲得する場、というのは今回のルールブックの制作のみならず、制作中の『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGのテーマともなっています。

そのため、この十章「シナリオ制作」は他の章と比べて今のところはもっとも計画は進んでいませんが、もっとも重要な章だと考えています。


シナリオ制作の方法や形式は、創意工夫をこらしながら、ゲームマスターさんたちそれぞれが自分らしいシナリオを考えていられるようですが、『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGのシナリオは短歌や俳句のように形式が決めています。

シナリオは以下の形式を守らなくてはなりません。

■要約

(1)前書き(素早く把握するための部分)

(2)導入(どのようなシナリオなのか?)

(3)奨励環境(参加可能人数やプレイ時間など)

■物語内容

(4)物語背景

(5)登場人物(PC、案内役やNPC)

(6)舞台設定(地理)

■セッション

(7)概要と目的、注意事項

(8)プロローグ

(9)本編

(10)エンディング

■キャラクターシート

(11)PC

(12)案内役

(13)NPC

さらに、用語解説をどこかに入れようと計画しています。

多くのゲームマスターさんが制作するシナリオはもっと簡素なものなので以上のような構成を見るとうんざりすること確実です。

しかし、「要約」に書かれているのはセッションを開催する計画を立てるときに必要な情報であり、そして「物語内容」はゲームマスターが前日までに把握しておく内容が書かれています。前書きと導入を分けているのは、原稿用紙400枚程度の前書きを読んで、導入を読むか決めるためです。

いっぽう、プレイのために集合してしまえば、それからはゲームマスターはシナリオの「セッション」の部分を見るだけでセッションを行えます。特に概要と目的、注意事項とプロローグがしっかり書かれていると、当日、気分が高揚していたり体調が悪かったとしてもミスは起きにくいです。書かれている文章をそのまま読むだけなので。

『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGのシナリオは情報の重複が多く見られてしまうと思います。しかし、情報を確認するために、ページを進んだり戻ったりする必要がないように制作されます。

これは実際のセッションを行うときに便利なだけではなく、ゲームマスターがシナリオを制作するときにも貢献すると信じています。文学学校に通っていたときの経験から、自由執筆ですらすら作品が書ける人は、そもそも書き慣れている人だけだからです。

『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGは、決められたところに決められた情報を埋めるだけで物語を制作できます。

短歌や俳句がそうであるように、それは創造性を阻害するだけではなく高める効果もあると信じています。

個人的な感覚としては、『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGのシナリオはマーダーミステリーのようなシナリオになることを期待しています。シナリオ自体が一つの作品になるようなイメージです。


シナリオ制作にはキャタクターシート制作が含まれています。

唐突ですが、『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGのメインキャラクターである二条陽子のキャラクターデザインが完成しました。制作者は笹葉まとい先生です。

笹葉先生、ありがとうございました。

キャタクターシナリオでは、彼女を主人公とした一連のシナリオを制作して提供しようと計画しています(クリスマスに太陽神の巫女である二条陽子のキャタクターデザインを提供できて嬉しいです)。

彼女については、いずれ別のページで解説したいと思います。

キャンペーンシナリオにおいては、プレイヤーはこのようなキャタクターを自分で制作してそれを自分の分身として多くのシナリオを攻略して楽しんでいくことになります。

また、ゲームマスターがシナリオを制作するときも、NPCなどのキャラクターを自分で制作することになります。


TRPGの面白いところは、多くの人が協力して一つの世界を、それも商業的な目的なしに生み出すことができることでしょう。

インターネットの発展により異なる強みや好みを持つ男女の交流が容易になりました。

キャタクターを演じるのが好きな人、制作するのが好きな人、イラストを描くのが好きな人、物語を考えるのが好きな人が交流する場として、TRPGは今後発展していくと思われます。


今日は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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