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第56話「その灯を消すな!」第三ステージ(最終)画像アップ済み

ここから第三ステージ。
最終ステージです。
直ぐに終わります。

小西次郎と京子。

アパートを二人して出ようと、
即ち街を出て行こうと、決意する。


井上堯之バンド♫
「青春のテーマ 愛」これが、この曲の正式タイトル。
↓の、ジーパン愛のテーマではないです。


「石塚さん、、」と次郎。

「やっぱり出るのか?
 この街を、、」とゴリ。

それを見守る斉藤さんが、

「そう云う事だよ。
 まあ引き留める理由もないしな、
 これで儂も
 家に帰れるって言う訳だよ」

「すいません」と次郎は
申し訳なく、ぼそっと返事。

そしてゴリにも、
「色々ご面倒を、、」

ここにゴリが、
「謝ることはないよ。
 駅まで送って行きます。」

頷く斉藤さん。
数メートル離れた二人は、
じっと見つめる斉藤に
半ば深いお辞儀をする

◆こういうシーンは、
昭和時代の良さです。
近頃では、お世話になった人に向けて
お辞儀をする若者が少なくなった。

当時は、コロコロが無かった。

ゴリは次郎と京子を
駅まで送って行こうとしたが、

「刑事さん。まだ居たんですか?」

「俺たちに挨拶もしねーで、
 逃げる気かよー。
 えーっ!次郎さんよー?」

梶田の手下、輩たちに。
街でチンピラ5人で囲まれた。

「俺に構わず、行け。」

京子のバッグを奪い取る輩Bに、
ゴリは京子の身を守ろうと
無理矢理引き離す。

◆輩Bは、第86話「勇気ある掛け」で、
山村の情報屋を演ずる、
準レギュラーの(吉中正一)である。
大概は悪役しか回ってこない。
太陽!で、この回以外で
良役を演じてる作品は
筆者はお目にかかった事はない。


この輩Bと小競り合いから
大乱闘が始まる。

「暴力を振るうのかよー。」

「暴力でも何でもいいぞー。
 俺はもう刑事じゃねーんだ!」

「へええー?皆んな聞いたか?
 このお兄さん。デカじゃねーんだってよ」

やろーっ!
ばかーっ、野郎っ!

背広を片手に持ち、
二人を蹴散らすゴリ。
とうとう背広を捨てて
本格的に爆発するゴリ。

「次郎、逃げろ!」
「石塚さん!」
「行けーっ!」

京子は、スーツケースとバッグを
持つ次郎を引っ張り、
逃げていこうと。

危険から女の勘は
愛する男を遠ざける必死さ。


だが、対峙するゴリは、多勢に無勢。

昨日、次郎のアパートで喰った
中華そばを途中で投げ出したゴリは、
身体に自力が残ってない。
何かを食べてないとチカラが発揮できない。

ゴリは、たった独りで
チンピラたちに応戦していく。

しかし、背後から
輩どもの不意をつかれた攻撃が。

角材で後頭部を殴られて、
ゴリは、戦意消失。

また、二度目に角材で後頭部を強打され、
とうとう気絶してしまった。

「じ、じー、ろうー」と。

また、立ち上がったが、
もう一度、後ろから殴られたゴリ。
これ、実際の血かも、知れない。

輩たちは、
「ザマーねーえぜっ!」と
引き揚げていく。

「ばかやろーう!」と吐き捨てる輩。


時間が経ち、
いつの間にか、海岸が見える
浜辺に寝ていた自分が居た。

◆この場所は、
太陽にほえろ!では
何度もロケをしている場所かな?
神奈川県みさきではない、か?

でも浜辺だな?

そのグッタリしているゴリに、

「次郎ー!逃げろ!」と夢から
現(うつつ)に戻る。
起きたゴリ。

「気がついたかな、?」

濡らしたボロタオルを
頭に掛けてくれたのは、汚い浮浪者だ。
不労者かも知れない。
浮浪者を演ずるは、
今後、準レギュラーとして
太陽!に長く出演していく(江幡高志)だ。

◆今回が、記念すべき準レギュラーの
出演第一回めの作品が、
この第56話である。
つまり太陽!初出演だ。


「あんたが、介抱してくれたんかい?
 俺を。」とゴリ。

「ふん!」

「五年前。俺は今日のあんたみたいに、
 この先の公園で寝てた。

 すると、あんたが来て、
 おい起きろ!ここは寝てる処と違うぞ!
 と、言ったんだ。

 俺りゃー、しゃーねえから立った。
 立った途端によろけた。
 あんたは、こう言った。
 おーぅい。いいご機嫌じゃねーか。
 おっさん。」

「俺は、応えた。
 冗談じゃねーや。酒が呑めるくらいなら、
 美味いおまんま喰ってらー。

 そしたらあんた。
 黙って500円くれたな?」

このエピソードは、
少し似てるのが、第92話「シンデレラ刑事」。


井上堯之バンド♫
「愛のテーマ1D」


「そーだったなあ、とっつあん。」とゴリ。

「本当に、盆と正月だ。
 後にも先にも、あんな贅沢な飯を
 喰ったことはねーぜ。

 後にも先にも、旦那みたいな、デカに
 お目に掛かった事はねーぜ!え?

 えへ、へ、へ。」

「この街にも、俺の味方が居たんだなー。
 一人だけは、、、」

そして、また安心して、
浜辺に横たわるゴリ。

「梶田がパクられた、あの日の事だがな、
 俺は旦那が喜びそうなものを見たぜ。」


そうすると、
浮浪者は愕然とした事を話し出す。

「梶田のクルマへ、な?
 大和田と梶田が、な。
 二人がかりで、お、おんなを
 載せてたんだ!」

「大和田? ほんとか?」

「おーお、女はぐったりして、
 あーれは、どう見ても眠らされたか、
 死んでたか、どっちかだな。」

「とっつあん? それを警察に行って、
 証言してくれるかい?」

「おーう、う、う、ん。
 いーいいとも。
 だ、旦那の為なら、な!」

「ありがとう、有難う。とっつあん。」

「ありがとう。ありがとう、な!」

と汚れた自分の背広を
浮浪者に渡して、、、。

浮浪者は
「旦那、だんな、コレ!」
 (背広、どうするん?) と。

「おーおい。ジーパン!
 後は頼んだぞー」

「なーんだ、知ってたのか?
 ゴリさん」

仲間の息が、
みさきの浜辺でも、
二人を引き寄せ、後方仕事人とゴリの
見えない「息づかい」が通じている。
それが、浮浪者を入れて三人になった。


ゴリが、街の人たちの勇気を
奮い立たせ、それを側で見ていた
全くの第三者が、
ゴリが降った希望の旗に靡いて、
ゴリの勇気に追付いしようとする。

ゴリも、たった一人の目撃者が見つかって、
ゴリ自身にその証言をしてくれた事が、
さらに、腹を空かしたゴリが、

(この回では、食事シーンは一回のみだった)

嬉しくもあり、
残る最後の勇気に火種を付けたのだ。
傷つきながらも、これまで
やってきた事は、決して間違いではないと。

しかしながら、
気を失っていたゴリが、
気付いていないと思っていた純の
隠れた尾行を見破るとは、流石。
だから、ゴリに皆んなは付いていく。

純もまだまだ、だ。

◆第92話「シンデレラ刑事」で、野崎に、
「ジーパンお前。尾行が下手だなあ?
 直ぐに分かったぞー」と
嗜められるシーンがあります。

◆尾行させたら、長さんは一流です。
尾行するのみならず、
自分に尾行がついている事を
直ぐに察知する老獪な刑事の直感。
たまには、真面目な性格を犯人に突かれる場合も
ありますが。

しかし、野崎巡査部長の年季は伊達じゃない。
鬼、山さんより上手いかも。

◆純はしかし、
後期のボンよりはマシ。
田口良ボンは、尾行はおろか、
聞き込み、張り込み、逮捕に至るまで、
全てに甘い。要するに、
「後ろのツメが甘い刑事」だった。

「2.8.5.6.3」の最後のシーンでも、
皆さんお解りになるはずです。


ゴリは商店街に、
その証言を抱えて、新たな勇気に変えて
再び舞い戻る。

最後の闘いを挑むのだ。

「この野郎、まだ懲りねーのかよー!」

「梶田はいるか?」

「さあ、どうかな?」
「居たらどうだって言うんだい!」

手を出した梶田の輩と
乱闘がまた始まった。
今度は、次々と投げ倒すゴリ。
チンピラたちが、劣勢となり始める。

「止めろーっ」
梶田が現れた。

「やあ、石塚さん。」
「困りますねー、こんな乱暴されちゃ!」

「訴えるんなら、訴えるんだな。
 丁度いい。俺もお前を
 警察に連れて行く為に来たんだ。」

「ほおーっ?
 警察に?何のためですかー。」

「お前と大和田は、あの夜
 女をクルマに載せた。
 死んだように動かない女を、な。」

「そう云う証人が見つかったんだ!」

この時、女の弟、実(みのる)は、
クラウンバンの陰で、
この情景を眺めていた。

「そんな出鱈目云うのは、どこの何奴だ。
 そいつは、あたしと大和田さんを
 妬む奴、。」

「惚(とぼ)けるなっ!」

「お前は、彼女が警察に密告するのを
 恐れていた。
 だから自分の身が危うくなったら、
 真っ先に彼女を消したんだ!」

「そんな馬鹿なっ!」と、
これを見ていた弟の実。

「彼女は、クルマに乗る前に
 既に死んでいたっ!!」
「それを護摩化すために、態とクルマを
 激突させたんだ!」

「ははは、そんな寝言は、
 誰が信用するんだ!馬鹿馬鹿しくて、
 話にもならんよ。」

そこに、ゴリの必殺後方仕事人。
情に厚き、黒メガネ印の「男柴田」の登場だ。

「あの証人を連れて行って、
 コイツを問い詰めたら、あっさり
 吐きました!」

「梶田さん。
 もう駄目だ。お終いだよー。」

「土谷祐美子を殺したのは梶田で、
 その擬装に
 大和田が手を貸したそうです。」と、純。


これが、みさきの街の名士と
祭り上げられた男が、実は
梶田の逮捕のあとに、五年間もの間、
街の暴利を掠め取る、その仮面。

その街の名士が、裏で手を組んだ暴力組織、
その組長が街の人たちが手を組んだ勇気に
崩れ始める。

「大和田だーーっ
 てめえーー」と梶田。

「おおーい!」と梶田は
最後の足掻きを、輩に指示する。

そこに、実の弟、実が、梶田に向けて
発砲して走り出してきた。

ゴリも、それを確認。
「みのる!」

それを目の当たりにした実は、

「騙したなー!」

しかし、肉親を殺された恨みは
如何ともし難い。
梶田は公衆の面前で、
その大和田を殺害しようと発砲した。

実も、
「殺してやる。ねーちゃんを殺した上、
 俺まで騙しやがって!」

その時、実の右手から

必殺後方仕事人、純が飛び掛かる。
純の体当たりで、
銃は狙いが外れ、純は銃を取り上げた。

「殺してやる!殺してやるうーっ」と
それでも哭き叫ぶ、みのる。


「やれぇーっ」と梶田
「こいつら、全部ぶち殺せ!」

また、まずはゴリに三度目の対峙を
仕掛ける、弱いチンピラたち。

◆梶田に踊らされているのが、
お前ら、まだ解らへんのか?
梶田の傘に着なければ、何(なん)
でけへんやんかいな?京都ではこう云う。
または、
できひんやんかいな?、と。
(出来ないじゃないか?標準語)

🟤ちょっとした日本語講座

◆傘を着る➡︎これは間違い。
◆傘に着る➡︎これが正しい日本語です。
また「嵩 (かさ) に懸かる」との混同で、
「嵩に着る」と書くのは誤り。

輩たちにゴリの動きを止めさせ、
独りだけ逃げようとするも、
「梶田あーっ」とゴリは叫ぶ。

カメラが振り向いた先には、
斉藤さんを先頭に、
梶田の逃亡を阻止しようとする集団がいた。

民を説得したのだろうか、

多数のみさきの民が、梶田に立ち向かう、
その凄まじさに、後退りする梶田。

「じじい!退けえーっ!」

ゴリは、片手で数人を撃破。
ゴリも、梶田に街の民と共に、
立ち向かう、かつての先輩の勇姿を
確認する。

店主らと共に、
数人の女性、主婦と見られる
おばちゃん達も梶田に立ち向かう
その姿を。。

その姿に、後方仕事人純も
ゴリに寄り添ってくる。

「てめーら、俺に逆らう気か!」

そう言われても、
街を愛し、怯まない民たち。

「おー!おい!何をする。
 おい!待てっー!
 よせよー。おい。待てえー!」

井上堯之バンド♫
「愛のテーマ ピアノバージョン」



街の名士と
裏で手を組んだ暴力組織、梶田組。
そして、その組長。

街を牛耳ろうと仕組んだ殺人者が、
街の民の勇気の集結で、
再度、街から追い出された瞬間であった。

大和田、と梶田。
実は悪徳の亡者だったと云うことが、
ゴリの忘れていなかった五年後の来訪と
報酬なき活躍で、
ゴリの民を信ずる気持ちが
その民を味方に付け、
とうとう、かつての悪事を暴露させたのだ。

◆ゴリは休暇届を出してますから、
ゴリへの七曲署からの
新たな報酬はない。
そもそも七曲署の事件では
ないのだから、、、。

しかし、
悪が蔓延(はびこ)ることは決してない。
その一番の見本を、ゴリ自身が示したのだ。
太陽!流の「水戸黄門」である。

悪者(わるもの)世に憚る。
そう云う事は決してない、
この事を実践してみせたゴリであった。

◆実は、こんな事があって欲しいと、
市民の願いを番組では
映像化したもの、と筆者は考えます。
それが、最後の
鬼の以下の台詞に凝縮されている。


変わって、七曲署一係。
第一ステージの序盤の風景に戻ります。
シンコ以外の皆が揃っている。
ゴリの頭には、大きい包帯が。
右手は包帯で包まれている。

「新聞を見て、本当に驚きました。
 あの街の人たちが
 梶田の前に立ち塞がるなんて、
 僕にはまだ
 信じられません。」と次郎。

「そうだろうなあ。
 俺もまだ夢みたいな気持ちがしてるよ。」

「君たち、あの街に
 戻る気になったかい?」と純。

「いいえ。」と次郎。

「判るよ。元気で、な。
 夫婦喧嘩も、程々にしろよ。」

「色々と有難うございました。」と。

「あたし、刑事さんたちの事、
 決して忘れません。」と京子。

次郎と京子は
ゴリと純。そして皆、また鬼に
一礼して去っていく。

「やっぱり街の人たちに
 裏切られた、あの傷は
 消えないんですかね、一生。」と純。

「んー!そいつを考えると
 やり切れんよなー。まったく。」ゴリ。

「確かにやり切れん話だ。」と後ろで鬼が。

「ボス」とゴリ。

「それで良いんだ。
 港署は何処にだってある。
 この街(七曲署管内、矢追町界隈)でも
 似たようなもんだ。

ほんまに、殴られたような。腫れ上がるゴリ。

 それを少しずつ良くしていくのは、
 そう云う傷を負った人たちだ。

 そうは思わんか?」と鬼。

最後は、

山村がゴリの肩に手をやり、
クミが鬼にお茶を出すシーンで
撮影はカット!
ラストを迎える。


予告した
🔴今回の付録🔴
ですが、、、

第56話の主たる登場人物名。
小西次郎 と 関口京子

この配役名は
何処かで、皆様聞いた事ないでしょうか?

即ち「次郎」と「京子」。
平成産まれの若い人たちは
「さあ?
 とんと、知らない」と答えるのでは?

時代はジーパン刑事登場前に
遡ります。昭和48年春。

またまた長くなりますから、
これは別アイテムとし、
第56話第3ステージの続きとします。

その56話付録
「次郎と京子の名前に絡む蘊蓄話」と題し
筆者の懐かし話を
画像と映像を兼ねてご覧頂きます。

第57話「蒸発」の前に。


太陽!蘊蓄話。
次回は、
70年代初頭の現代社会の、
社会問題を取り上げた
当時の、太陽!の数ある名作選の中の一つを
取り上げます。

題して、
ジーパン時代73-74優秀作品
その1。第57話「蒸発」。

当時の若者の代表者である
柴田純はこの事象、事件に
どう向き合い、どう考え、行動するか?

マスコミ紙でも、当時は多く取り上げました。
ほぼ五十年後の、平成から令和時代でも、
同じ状況下にいる
多くの人たちに向けて、、
太陽!が提起した、
問題作である事は否めません。
この事が、家族崩壊に繋がらないように。
私たちの人と人との、
特に心の繋がりへの問題提起だったか?

5945字

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