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【時事抄】 スペイン黄金時代「第2章」の幕開け、⚽️欧州選手権2024の余韻

2022年秋、中東カタールで開かれた⚽️W杯は、日本代表が下馬票を覆して強国ドイツ、スペインに勝利して決勝トーナメントへ進出。1回戦で、惜しくもPK戦の末にモドリッチ擁するクロアチアに敗北しましたが、たまに録画を見返すとまた目に汗が。。

2年後に開催される次のW杯を見据えて、各国の新たな代表チームが本気でぶつかり合う大会が欧州と南米で同時期に行われていました。特にドイツ国内各地で開催されていた欧州選手権。よくまあ🇯🇵は、🇩🇪や🇪🇸を相手に勝てたものだと嘆息するほど巧くて速くて強かった。連日にわたり無料放送してくれたABEMAには感謝です。

日本経済新聞のサッカーコラムを取り上げて、振り返ってみます。

<要約>
サッカー欧州選手権はスペインの全勝優勝で閉幕した。「グレート5」を称されるW杯優勝歴のある強国の明暗が交錯したユーロ2024大会だった。

大会を制したスペインは左右の両翼に人を得たのが大きい。右に17歳のヤマル、左に22歳のニコ・ウィリアムスという若いウイングがしかける速攻で、対戦相手は守りにくくなった。ボール保持した展開力と縦への推進力という二刀流を手にしたからだ。

スペインの転換点は2008年の2度目の優勝だったろう。準々決勝で当時の世界一だったイタリアを下し、決勝ではドイツに競り勝った。技巧を凝らしたスタイルを貫徹して「うまいチーム」から「強いチーム」へと変貌を遂げた。10年W杯南アフリカ大会で大会初優勝し、12年ユーロで連覇を果たす。王者として勝利の味を知り、かつての勝負弱さは影を潜めた。

今大会スペインは、1次リーグでイタリア、準々決勝でドイツ、準決勝でフランス、決勝でイングランドを撃破した。強国の中の強国を下しての優勝だ。準々決勝のドイツ対スペインが今大会のベストゲームの一つだったが、この両チームに2年前のW杯で日本が勝利したのが奇跡に近いと改めて感じる。

フランスはエムバペが負傷の影響が響いた。代表引退を表明したFWジルーの後釜探しという難題を背負う。2大会連続準優勝に終わったイングランドには、オールスターチームにありがちな弊害と苦悩があった。スター軍団が多いと適材適所が難しい。ジーコ率いる日本代表の悪い時を見るようだった。だがスター軍団の爆発力は見事だった。

前回王者の立場から一転して1回戦敗退したイタリアは「またか」という感じ。好不調の波が激しいのは見慣れた光景だが、深刻なのはタレント不足だろう。ゲームを組み立てる中盤に役者が不在で、攻撃に微妙なさじ加減を加えられるタレントが不足して攻守に精彩を欠いた。

同時期に米国で開催されていた南米選手権(コパ・アメリカ)は、アルゼンチンが史上最多16度目の優勝を果たした。両大会の優勝国を見ると、スペインが見事な立ち技で欧州の頂点に立ち、アルゼンチンは寝技、関節技、なんでもござれの総合格闘技のチャンピオンという趣。アルゼンチンは大黒柱メッシを欠いた決勝戦でも勝利し、2年後のW杯で39歳になるメッシの温存しても勝てる筋道を描けたのではないか。

両大会の王者が混じり合う2年後のW杯。北中米大会という南米寄りの大会では何が起こるのか。今から楽しみになった。

(原文2410文字→1030文字)


優勝したスペインは頂点に至るまでの過程も凄い。対戦相手はどれも強国ばかり。今大会の優勝は文字通り「完全優勝」といっていいでしょう。イニエスタやシャビ、ブスケツらが中盤を支配してW杯初優勝を果たし、華麗なるポゼッション・サッカーで一時代を築いたスペイン。その進化した姿を見た気がします。攻撃面に目を配れば、スペイン両ウィングがサイドを支配し続けたことが試合を優位に運べた要因だったという印象です。

それにしても末恐ろしい。というのも優勝したスペイン主力メンバーは、10代後半から20代前半の逸材が多く、近々開幕するパリ五輪にも出場可能な選手たちです。30代選手も稀ではない現代サッカーにおいて、彼らにはまだ多くの時間が残されています。スペイン時代は若き才能たちが牽引する第2章が始まったばかりといえます。怪我と甘い誘惑には気をつけて。

欧州選手権スペイン代表の主力は若い世代ばかり

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