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地元のおじちゃんと盛り上がる、台湾の朝食が楽しい
私が泊まるような安ホテルに、朝食など付いていない。
前日、大学病院でお隣のお爺さんが食べていた魯肉飯定食が脳裏に焼き付いてしまい、24時間営業(!)の魯肉飯のある店へ行く。
台湾のお店での注文方法は、小さな紙にずらっと並んだ中国語の文字(私には9割以上が解読不可能)の横に、必要な個数を記入して店員に渡すのだ。
英語や日本語表記は無いのが通常。
朝9時半を過ぎ、エアコンの効いた小さな店内は満席だった。
忙しそうな店員おばちゃんに相席を指差され、60代くらいのおじちゃんの前に座る。
注文の紙とペンを持って固まる私に、おじちゃんが何か言ってくれている。
困った顔をしながら、ひとまずそのおじちゃんが食べている丼ものを指差してみた。もう、それでいい。
おじちゃんが〝これだよ〟と指差す文字の横に〝1〟と書く。卵のせ魯肉飯だった。他の店より肉の固形度が大きくて、魯肉飯だと気付かなかった。
自分のスープを指差し飲む真似をするおじちゃんに、うんうんと頷く。青菜スープ〝1〟と記入。
店前で見た美味しそうな台湾豚の肉の塊もどうにか注文し、おじちゃんが店員さんに紙を渡してくれる。優しい。
いつもなら、文字読み込み翻訳アプリで悪戦苦闘して時間がかかるのだが、チャチャっと終わったことに感動。〝謝謝、謝謝〟
黒っぽい長方形の塊と揚げ豆腐の皿が運ばれ、おじちゃんはテーブルの割り箸を私に手渡し、〝食べてみろ〟と食べる真似をしてくれる。
優しい。
黒い塊のスライスをいただいた。うーむ、身体に良さそう。不味くないです。
〝ハオチー(美味しい)〟と若干嘘をつく。この単語しか知らないのだ。
おじちゃんは、それが麺で出来ているのだと説明してくれた。本当か?
〝リーベン、メイヨウ(日本には無い)〟と伝えると、頷いている。
雰囲気で会話は繋がるものである。
〝毎日ここに来るの?〟と拙い中国語で聞いてみる。
首を振って、「自分は台中から来た」「台北に遊びに来た」と言う。
〝私、水曜に台中行く。台中に友達がいる〟と言うと、何かを一生懸命言ってくる。
台中のおすすめスポットを教えてくれているようだと理解し、スマホのGoogleマップを開いて渡す。夕陽が綺麗に見える場所やららぽーとなど、何気にナイスな情報を知る。
私の食事が運ばれて、店員にお金を渡す。金額が聞き取れず、おじちゃんが手伝ってくれた。
先に食べ終わったおじちゃんは、「ウォーチュウ(俺行くわ)」と笑顔で去った。
台湾はこんな感じで優しい方が多い。
小さな出会いが、素敵な思い出になる国である。
追記。「美味しかったので、写真撮っていい?日本人に見せたい」と若いお兄ちゃん店員に聞いたら、嬉しそうに「ありがとう」と言って了承を得たので、写真も掲載。
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