新年のご挨拶、これからのこと
新年あけましておめでとうございます。スマホ向けゲーム、アークナイツの考察記事を投稿している禅宗僧侶、シキネと申します。
昨年は修行生活を送っていたことから投稿できる数が限られてしまったにも関わらず、多くの方から反応いただけたこと、とても嬉しく思います。
今年は心機一転…というほど劇的な変化があるわけではありませんが、形に囚われずに様々なアウトプットを試していければと考えていますので、皆様のお時間の許す限りお付き合い頂けますと幸いです。
さて、昨年修行寺を送行(そうあん、安居を終え自分の寺に戻ること)した後、noteで改まったご挨拶をしていなかったので、暦が変わり新年の始まりとなるこのタイミングで、身辺雑記を書き連ねていきます。
初詣について思うこと
せっかくお正月ですので、僧侶らしいお話を一つ。
修行僧堂での安居(あんご、外出を避けて修行に専念すること)は既に終えておりますが、ご縁から年末年始に本山へ随喜(ずいき、仏事に参加すること)し、諸行事のお手伝いをしていました。
私の所属する曹洞宗から強く感じる観念形態の一つが「形から入る」ということです。座禅や正座に慣れていないうちは「クソ寒いな」とか「足痛ぇな」という雑念しか出てこなかったのですが、傍目からは分からないように身動きせず座り続けます(それでも、寒いものは寒いですし、痛いものは痛い)。
座禅・正座含め、僧侶としての作法が習慣化してくると、身体が順応し、あまり深く覚悟を決めずとも無意識に行動…仏道を行ずることができるようになります。禅宗は実践の宗派と呼ばれることが度々ありますが、この「形から入る」という点に重くことで共通認識の先にある「行動の一元化」(統率の取れた行動)が実現でき、一種独特な個性を持つ生活様式・儀式が成立します。
「日本人は無宗教」と世間で言われていることではありますが、初詣へ参列する人の多さを眺めていると、例えイベントに参加するくらいの気持ちであっても習慣(新年に寺社仏閣へ足を運ぶという行為)の中に宗教性が根付いているものだと改めて思います。
信仰という言葉の定義は、真実だと想像しつつも立証できない物事を受け入れることです。
初詣にいく風習は、新年を迎えるためにお参りをすると良いことがあるだろうということを、心のどこかで真実として迎え入れていることの証左かもしれません。
時折「どういう心持ちでお参りすれば良いのか」と聞かれることがありますが、そのような相談には「感謝の気持ちでお祈りすると良い」とお答えしています。
新年のお参りで感謝の気持ちが湧き起こるためには、その前年に遭遇した自身にとって”良いこと”に思いを馳せ、その成功が自身ではなく外部要素に起因するという思考を組み立てることが必要です。
自身の成果を卑下することなく、一定の自己肯定感を保ちながら、自身の成功を偶然性から生まれたものと見做す思考は、謙虚さと自信とを同居させることのできる潜在性を秘めています。
歩む道は人の数だけ存在し、決して同じ道など存在しないからこそ、経験してきた”良い”偶然性から自身にしか歩めない道を見出し、その足で一歩一歩踏みしめながら進んでいくことが、先の見えない状況を打破する方法の一つであるという考えが、私の信仰です。
これからのこと
閑話休題。修行寺に入る前は、1年ほど修行生活を送ることを決めていましたが、師僧と相談の上、次の2点の理由で早めに切り上げることとなりました。
1、数年前から制度が変わって、一般大学卒業でも半年安居で必要資格が取得できるようになった
2、起業することになった
曹洞宗には法階と僧階と呼ばれる2種類の階級制度が存在します。法階は特定の儀式を得て特定の管轄組織へ届出を提出すると登録される階級で、僧階は特定の条件を満たし認定されることで得られる資格です。
法階は、上座→座元→和尚→大和尚の4種類があり、住職の位につくためには和尚以上である必要があります。私は昨年の12月に儀式を修了しました。
画中人に登場する住職様のコスプレ
— シキネ (@Shikine66) December 15, 2021
…という冗談はさておき、無事に儀式終了しました。
上座→座元→和尚(イマココ
アクナイ風に言えば、昇進2ですね。 pic.twitter.com/4Y0Sff7YKe
お寺には寺格と呼ばれる、4分類(大本山、格地、法地、准法地)の格式が存在します。私の家系が代々務める寺は法地に属し、この寺の住職となるためには二等教師という僧階が必要となります。
従来、駒澤大学か愛知学院大学の仏教科を卒業していれば半年で二等教師資格を取得することができましたが、仏教とは無縁の国立理系卒の私の場合は1年の安居が必要でした。
その制度が数年前から変更となり、いつの間にか一般大学卒業であっても仏教科と同格と扱われるようになっていた為に、予定よりも早く切り上げることになりました(要するに、事前調査不足…)。
晴れて寺を継ぐための条件を満たしたわけですが、私の実家は二世帯が生活していけるほど大きいお寺ではありません。数年間、Web関係の仕事に携わっていたということもあり、仏事で忙しい期間以外は時間に都合のつけやすい個人事業主として生計を立てようと考え、起業という選択肢を選びました。幸いにして、現在3社と契約の締結が成立し、1月中旬から本格的に稼働する形となります。
現時点では忙しさの度合いが読めない状況であり、どこまでnoteを更新していけるか定かでありせんが、アークナイツ考察記事の投稿目標としては(シナリオのある)1イベントにつき1note記事の頻度で更新を考えています。
また、昨年末から個人ブログを立ち上げました。
noteに投稿する前の思考整理としてTwitterは使用していましたが、Twitter以上note未満の文章量を投稿できるプラットフォームが欲しくなったというのが理由です。
従来、noteで投稿していたキャラクター別の考察記事はこちらに集約させていきます。
その他にも挑戦していきたい試みは色々ありますが、運用方針が固まってきたら改めてアナウンスいたします。
長くなってしまいましたが、こうして最後まで記事を読んでくださっている方々のお陰で更新を続けることができています。応援してくださる皆様に心からの感謝と、2022年が皆様にとって良い年となるようご祈念申し上げます。
皆様のコメントやスキ、Twitterでの反応が励みになっています…!