食による寸暇

私の住む足利市には美味いとんかつ屋がある。

休日、ひとり瑣末な用事を済ませ歩き出す。

JR足利駅北口からほど近い場所にその店はある。

まずは一合の日本酒。醤油で炊いた「昆布煮」と辛口の山田錦が合う。さらっとした味わいに昆布の食感と油揚げの旨味がなんとも言えない。

「ごはんよそっていいよ」という親父の声と女将の所作に夫婦の絆を感じる。

とんかつの「上」

まずはそのまま。そして塩を。最後にソースでいただく。

とんかつの柔らかな身質と香りを楽しむことができる。

付け合わせのキャベツもぜひ塩で食べて欲しい。丁寧に水切りされたキャベツは甘味があり美味い。

優しい味わいの塩揉みもありがたい。とんかつの上手い引き立て役だ。

カウンターに座るとご飯のおかわりを女将がよそってくれる。実家に帰ったような気持ちになれる。「おかわりください」という言葉には日本独自の趣があると思う。いとおかし。

春であれば公園のベンチで横になってしまいたくなるくらいの余韻をつれて街を歩く。

家で昼寝をしようかな。




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