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ネタをボツにする理由は

いろいろある、例えばお金がかかりすぎるパターン

たとえば毎回単独ライブの会議で出して
毎回「無理です」って言われているのが
でっかいガンダムみたいなロボットの下で謎の少女と会話するコントがしたいから、でっかいロボットの足が作りたい

こういうの↓

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「無理です、どうしてもやりたいならタイさん自腹でお願いします」
って言われる
もう全然分かってる、言われるの分かってる、むしろ言われにいってるとこある
むしろ感謝してる、俺のしょうもない発言に
ちゃんと「自腹でお願いします」って微かな可能性だけでも前向きに示してくれる作家陣に感謝してる
こんなんは全然いい

あと、台本ざっくり書いたけどお互いに役がはまらないパターン
これも全然いい、正直書きながらも「これ面白いけどボツっぽいなぁ」とか気持ちを徐々にボツに持っていきながらユニットコントとか他の企画の時に使えたりするからコンビネタとしてはボツだけどどこかで陽の目を見ることはあるし全然いい、
むしろネタとしては100%の状態で世に出るわけだから
こんなんも全然いい

ただ心折れるのが、佐伯の運動神経の無さでボツるパターン
これは怒りや悲しみをどこにぶつけていいかわからなくなる

運動神経が悪いっていうのはしょうがないし、もうある種、神様のギフト的なところがあるから、それが芸人の個性として輝くくらいならホント素晴らしいし、むしろそれを全面に出したネタなんか書けた日には自分たちにしかできない最高のネタだと思う
ただ佐伯の場合、アメトーーク!の運動神経悪い芸人に出れるくらいの悪さでもない悪さ、
爆笑はできないぐらいの悪さ、
「え?」ってちょっと疑問と笑いが交じり合うぐらいの悪さ
急に一滴だけチョンってこぼさたみたいな「え?は?」

で、もちろんそれぐらいの悪さだって予想してこれぐらいならできるだろうって想像しながらネタを書かいてる、
佐伯でもこなせるぐらいの動きだろうと、でもダメだった、
この前書いた「走り幅跳び」がテーマのネタでダメだった
もちろん佐伯に一流選手のようなフォームで最高の跳躍フォームで飛んでくれなんて思わない、一般よりちょっと下手でもなんとなくそれっぽいなぁぐらいで飛んでくれればいいと思って書いた
むしろそれぐらいの方が面白くなるような役にして書いたつもり
けど佐伯は俺が思い描いた「せめてこれぐらいはできてくれたら」というハードルを、ちょうど下回った
ちょうどぎりぎり下回った
これがそれ↓

ちょうどぎりぎりボツにした
困るのは感情のやり場、悪気がない分キレれない
悪気さえばブチギレできた、「走り幅跳びなのに立ち幅飛びの距離しか飛んでない」ぐらいを入口にして「仰々しく踏み切った割によく見ると10cmぐらいしか高さが出てない」からの「膝の位置なんて踏み切りの瞬間からほぼ変わってない」ぐらいでエグり倒してた
でも悪気がないからキレられない
どこにぶつけていいかわからない怒りと悲しみを無理やり抑え込んで俺はこのあと一応この飛べなさをいじって笑ってはいたけど、心からの笑みと作り笑顔が混在してる、なんていうんだろう、最新鋭のAIロボぐらいの笑顔だったっと思う。

最新鋭のAIロボ、かぁ、
ヤンキーがロボとは知らずにずっとナンパとかしててもおもしろそうだなぁ
今度会議にかけてみよう。

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