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イエローハットのV字回復に学ぶ❸   4つの基本方針「経営効率の向上」

今回の概要

前回の「選択と集中」に引き続き3回目の学ぶシリーズです
今回は「経営効率の向上」の視点から見ていきましょう

商品戦略の「選択と集中」のところで書ききれなかった
タイヤを重点商品にして車検を中心商品に置き消耗品の売上アップを図る

それを基軸としてコーティングや軽板金の自社が得意なサービスに繋げていくという方針も粗利益を高める上で非常に効果のある方針だと思います

一番経費のかかるものは

経営効率の向上の中で店舗出店は投資としては一番経費が掛かります
土地を購入する、建物を一から作るとなると経費は莫大な金額に

それを堀江社長は「居抜き出店」に出店方針を変更しました
それによって

居抜き出店だと、建物はもともとありますから、極端に言えば、賃料さえ払えばいいわけです。例えば賃料が毎月150万であれば年間で1800万円です。まあ実際には看板を替えたりピットを直したりで2000万〜3000万ぐらいかかりますが、いずれにせよ、その程度で済みます。
ところが、従来の様に土地を買って建物を建てるとなったら、建物だけでも1億8000万ぐらい。さらに土地は一坪60万円で500坪になると、3億円。合計で5億円です。

と言うように、出店費用は10分の1に抑えられた訳です

この居抜き出店は基本的には業界の非常識であり、前述した通り土地を買うか借りるかして自社で建物を作るのが業界の常識

業界の常識は強者の戦略

竹田陽一がランチェスター法則を語る時に
業界の常識は「強者の戦略」弱者は業界の常識に囚われてはいけない
と何度も口を酸っぱくして語ります

DVD教材「戦略名人」弱者の経営戦略・原則編の中に

⒊ 弱者は強い会社と違った経営をする
 経営のやり方には、業種ごとに常識化されたものがある。しかしこれは、たいがい「1位の会社のやり方」が常識として定着している場合が多い。
 つまり常識的な経営をすると、強い会社と同じことをすることになる。こうすると強い会社から2乗作用を受け続けるので、業績が悪くなる。

弱者の戦略の基本的なコンセプトは「差別化」になります
ですが業界の常識に従って経営をすればどうなるでしょうか?

竹田陽一が教材の中で言っている通り「強い会社と同じことをする」ことになり強い会社と差別化の反対語である「同質化」することになります

採算が取れるか

堀江社長の居抜き戦略はご自身でも語ってる通り
「会社にお金が無いので仕方なく」とった戦略ですが
その出店の基準の唯一の条件は「もうかるかどうか」です

他社はしっかりしたお店を作っていましたが、店の格好は気にしないで、とにかくもうかるかどうか、採算が取れるかどうか、それさえクリアできるなら、どんな居抜き物件でも構わないと言うのが当社の方針でした。

外部から見れば「採算が取れる!?当たり前じゃないか!」と思いますが
それまでは、それが条件じゃなかったんですね💦

まあ、そのように居抜き物件を出店していくことで
・店舗の大小で違う商品アイテムをブラッシュアップ
・場所柄で変わる売れ筋の把握と対応
・出店攻勢での店づくりのレベルアップ
等々、会社の実力が高まり、そのノウハウは大きな資産となっています

社長の戦略実力で業績は決まる

今まで業界の常識的で格好の良い、土地を買って建物を建てる、業界の常識である、強者の出店戦略から、できるだけお金を使わない居抜き出店の弱者の戦略で成功してきた事例を見てきました

通常はこの様な決断はできないのが大手企業
その状況の中で弱者の戦略を方針として経営を立て直すことができたのは単に堀江社長の凄さだと言っても過言ではないと思います

社長の経営実力で中小企業で業績の98%、大企業でも90%は決まります

自社の調子が良い時はスケールアップが基本となるのでイケイケ戦略でなんとかなりますが、業界や自社の調子が悪い時こそ経営者の戦略実力が企業の存続の鍵となります

この記事を書き始めた時は、色々と試すと「瓢箪から駒」で良い施策が出てくるので、先ずはやってみましょう!と、この項を締めようと思って、表題の写真も瓢箪にしてましたが、書き進めるうちに全く違う締めになってしまいました(笑)

会社はもちろんのこと、このコロナ禍では国や都道府県の首長等々
「組織はリーダーで決まる」
それが改めて浮き彫りになってきた感があります

苦境であればあるほど冴え渡る経営者になりたいものです

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