【感想】正しいものを正しくつくる

プロダクトをつくるとはどういうことなのか、あるいはアジャイルのその先について

300ページを超える書物。分厚い上に内容が非常に濃い。消化不良で何度も読み返した。2倍,3倍くらいの値段でも価値を知っていれば私はきっと買う。

あとがきに以下の記載がある

本書は私にとって守破離の「破」から「離」へと差し掛かる内容である。この内容を新鮮な思いで受け止める読者にとっては、守破離の「守」にあたることになるだろう。

まさに私は「守」にいる。新鮮な気持ちで読んだ。得られることが多すぎて消化不良になっては途中で距離をおき、また戻る。そんな繰り返すうちに読み終えることができた。現在でもまだ読み直したい気持ちだ。このような気持ちになる本を最後に読んだのはいつだったのか記憶にない。それくらい鮮烈な印象を残った。

コミュニティに属するということ

数回の転職をしてもおそらく経験することが難しいであろう内容が、1冊に凝縮されている。私はDEVLOVEのコミュニティには参加してこなかったが、コミュニティへの参加による気づきが大変な知見をもたらすのだと思った。

新しい知見を獲得するには転職以外にも方法があるのだ。

メンタルモデルのアップデート

著者の知見と自身の現在地との大きなギャップ。この差を埋めるにはどうしたら良いのだろうか、という問い。

新たに目指す場所が見えた。開発メンバーとともにどこに向かえば良いのか、一つの道標を。

10数年を超える開発エンジニアとしての経験の中で、開発プロセスに大きく着目してきたことはなかった。あくまでもここ数年の話だ。これまでは優れた設計・開発をすることで事業に貢献していくのが使命であり、責務であると認識していた。それらを高めることに相当なエネルギーを使ってきた。

だが、重要なことはもっと前段階にあった。

そもそも「プロダクトづくりとは何か?」と考えたことがなかった。

私にとってのきっかけは以下のイベントであった。

CNET Japan Live 2020

大企業が「新規事業のつくりかた」をあれこれを共有し合う内容。

エンジニアリングマネージャの私は興味本位で参加。

大きな洗礼を受けた

そこにはプロダクトづくりをわからないなりに真剣に挑む人たちの話。

開発プロセスを経営・事業視点から捉えるきっかけになった。

なぜアジャイルにつくるのか

このイベントに参加する前に本を読んだときは、「プロダクトづくり」とは何かよくわからなかった。挫折した。

参加後は違った。世界観が大きく変わったのだ。

関わってる事業成長が横ばいになり苦しんでいるなかで、私は何をすれば良いのかを問いながら本と向き合った。

やれることはまだたくさんある。

そこには広大な光景が広がっている。これまでは見向きもしてこなった「プロダクトづくり」に。

そして今、開発チームとともに読み、我々が進む先を模索している。プロダクトチームも徐々に巻き込み始めている。

「ユーザーが体験によって得る価値を高める」ためには我々は何をするべきなのかをより多くの関係者で対話する機会を得るまでに辿り着いた。

同じ悩みを持ち続けていたメンバーがいることにも気づいた。

よりアジャイルに、そしてその先にもまだ道があることをこの書籍は教えてくれている。

まだまだやれることはたくさんある。





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