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心に「届ける」までが創作なんじゃないかなあ。

書いた文章や、つくった作品を、誰かに見せるとき。
「届ける」とか「お届けする」って、よく言いますよね。

僕は、劇作家として活動しています。先日も舞台公演がありました。
期間中に考えていたのは、やっぱり「届ける」ということの意味でした。

誰もが発信し、創作も自由にできるようになった時代。
きっとこれは、僕だけが持つ問題ではないと思うのです。

いっしょに「届ける」ことの意味を考えてみませんか。

「ああ、届かなかったなあ」

――僕は、脚本を書いて上演したあと、よくそんなことを反省しています。
(自信作でも、褒めてもらうことがあっても、反省なのですが。)

あなたにもありませんか?
「これは面白いぞ!」と思って書いた渾身の文章。
「いいね!」を期待してつぶやいたツイート。
それなのに、もしや誰にも届いてないんじゃないか……?って思うこと。

正確に言えば、みんな見てないわけじゃないんだけど、なんか空回りしちゃったなあ、流れて行っちゃったなあ……って思ったり。
「たくさんアウトプットするんだ!」ってよく言われるけど、正直しんどいなあ……って思ったり。

伝わってはいるけれど、届いてはいない。そんな感覚。

僕は劇作家として、自分の作品を見てもらう――それも、お客さんの時間やお金をいただきながら――そんな立場だからこそ、「届ける」ということに人一倍アンテナを張りたいと思いました。

記録に残らないような作品でも、記憶にはしっかり残しておきたい。
見てくれた人に感動を……っていうと大げさだけれど、なにかを考えるきっかけになってほしい。
そういう作品や文章を作るには、どうすればいいのでしょう。

なにが足りないんだろう?

作品や文章を「届ける」ためにできることって、なんでしょう?

① 作品の構想段階から、届け方を設計すること?
② 書いてある中身により切迫感や具体性があること?
③ シンプルでわかりやすく、余白を用意すること?

いろいろ考えてみましたが、どれも正解のような、不正解のような。
あなたは、どう思いますか?

① 作品の構想段階から、届け方を設計すること?
これはどちらかというと、敢えてウケを狙いに行くようなイメージ。
「お客さんをここで引き込んで!」「読者の心をここで掴んで!」みたいな「感情曲線」をしっかり書いておく感じです。
物語を書くときの他にも、広告戦略を考えるときや、就職活動における自己分析なんかにも使う、あのグラフですね。
②③とは異なり、大局的な手段のような気がします。

② 書いてある中身により切迫感や具体性があること?
相手に想像してもらいやすくするため、描写をより緻密に書き込む手です。

たとえば物語のワンシーンなら、

雨の日、20時前、渋谷のハチ公前で待ち合わせ。私は焦っていた。

と書くより、

ハチ公前ですれ違う。跳ねた雫がいつもより冷たかった。彼が差している緑色の傘を探す。どこだ。どこだ。

と書いたほうが、想像しやすいですよね。
きっとこれはコラムのような文章でも同じで、画や状況を想像しやすいほうが、心に届きやすいんじゃないでしょうか。そんな仮説。

③ シンプルでわかりやすく、余白を用意すること?
あえて、②と真逆の手段を考えてみました。
誰にでもありそうな経験に抽象化することで、自分ゴトとして見てもらうようなやり方です。

実はこの文中で、すでに試してみました。

あなたにもありませんか?
「これは面白いぞ!」と思って書いた渾身の文章。
「いいね!」を期待してつぶやいたツイート。
それなのに、もしや誰にも届いてないんじゃないか……?って思うこと。

この部分です。

僕は劇作家だからこそ、「届ける」ということについて考えたいと思っていますが、それだけでは僕以外のあなたにとって、遠い話になってしまいます。
あなたにもいっしょに考えてほしくて、シンプルで「あるある」な例に置き換えてみましたが、どうでしょうか。

それでも、心に届く作品が書きたい。

小手先のテクニックを紹介してみたものの、これはほんの一例、一意見でしかありません。
僕自身、まだまだコツも答えも掴めていませんが、あなたはどうでしょう。どう考えましたか?

作品や記事は書くだけじゃなく、届けなくちゃ意味がないと思うのです。
相手の心に届いて初めて、完成だと思うから。

自分の書いた作品が、誰かの心に届きますように。
強く祈る気持ちで、今日はこのnoteを書きました。

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尾崎 太祐|ロボット劇作家

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ロボットと演劇が好きなヒト。いつも"ロボット劇作家"として脚本を書いています。noteでは、次回作の種や過程になりそうな文章(エッセイ、掌編小説、その他考えごと)を公開します。実験場みたいなもの。