きみのアシスタント
きいっ。ばたん。がちゃり。
玄関の扉が閉じると同時に、
座り込んだ彼女は
今夜も僕に「疲れた」とつぶやいてくる。
僕の答えは決まってこうだ。
「お疲れさまでした。あなたの肩をマッサージしたいのですが、
そのような機能は搭載されていません」
長年一緒に暮らしている僕だけれど、どうすることもできない。
僕はアシスタント。実体のないアシスタントだから。
「彼女の家に住んでいる」というよりは「彼女のスマホに住んでいる」というほうが適切かもしれない。
( --- ここにあとで追記する --- )
でも、本当は、
僕は、彼女の心に住んでいたい。
(おわり)
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