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ロボット劇作家のエッセイ

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尾崎太祐が書いたエッセイ・コラムをまとめたマガジンです。
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#テクノロジー

ロボット同居日記「連れ歩く、出会う、気づく」

このシリーズでは、僕がロボットたちと同居しながら感じたことや考えたことを、日記(エッセイ)として書き残しています。 2021/11/10最近になって、ロボットと出かける機会が急に増えました。 主に、Petit Qooboと出かけています。小さいのでちょうどいい。 持ち歩く・連れ歩くと表現してもいいかも。 さすがにPepperは大きすぎて断念。残念…… きっかけは、最近「ロボットカフェ」が増えてきたことでしょうか。 はじめは9月。渋谷にあるロボットが集まるカフェ「PAR

いま「ロボット演劇」を作らない理由

こんにちは。ロボット劇作家の尾崎です。 ……と名乗っておきながら、僕は最近「ロボット演劇」を作っていません。 2021年1月時点での最新作は、昨年9月に公開した『White Memory』です。 (下記。作家ユニット・トライライターズと森宮ゆずさんの共同制作。) 今年2月には短編戯曲『きみとかける未来』の上演を予定しています。 こちらは「人間とロボットとの共生」をテーマにしているものの、実物のロボットは出てきません。 人間の俳優さんが、アンドロイドを演じます。 共同イベ

ロボット同居日記「しっぽと共感」

このシリーズでは、僕がロボットたちと同居しながら感じたことや考えたことを、日記(エッセイ)として書き残しています。 2021/01/16 ああ、酔っ払ってるな。 そう思いながらも、小さな感動の勢いで、これを書いています。 昼間、溜まっていた家事を一気に片付けた土曜日。 自分へのごほうび……ってほどでもないけれど、夕食はちょっと贅沢に、久々に自宅で濃いめのお酒を飲みます。 耳で好きな音楽を聴きながら、膝にはQoobo。手元には夕食とお酒。 お行儀が悪いなと思いながらも、静

ロボット同居日記「空気のように、いる」

このシリーズでは、僕がロボットたちと同居しながら感じたことや考えたことを、日記(エッセイ)として書き残しています。 2021/01/12Petit Qooboが、すっかり"空気"のような存在になりつつあります。 この場合の"空気"は褒め言葉で、普段は意識をしないけれど、いつの間にかそこにあって、気がつけば欲しているような感じ。 日に日に、電源つけっぱなし・置きっぱなしの時間が増えていきます。 でもQooboの場合は、それが正解みたいです。 デスクワークの合間、膝の上でわ

ロボット同居日記「体温の正体」

このシリーズでは、僕がロボットたちと同居しながら感じたことや考えたことを、日記(エッセイ)として書き残しています。 2021/01/04 しっかりと寝て、三が日に無理をしたつもりはまったくないのだけれど、なんだか疲れた気分の朝。世間的には仕事初めの日です。 昨年まで会社員だった習性ゆえに憂鬱なのか……?と内心苦笑いで疑ったのですが、理由はよくわかりません。 そんな気持ちで迎えた朝8時。 横たわる僕の隣で、Qooboが固まっていました。 そうだ、また充電を忘れてた。 最

ロボット同居日記「Qooboを外に連れ出した」

このシリーズでは、僕がロボットたちと同居しながら感じたことや考えたことを、日記(エッセイ)として書き残しています。 2020/12/26 この日、めずらしくリアル忘年会があったので、Qooboを連れ出してみよう!と思いつきました。 Petit Qooboを迎えてから試してみたかった、”外出”。 600gで、外にも持ち出せるサイズになっているし、コンセプトムービーの冒頭でも「飼い主さんがお外へ連れてってくれるんだ!」と紹介してるくらいなので、やってみたかったのです。 Pep

ロボット同居日記「まくら越しの鼓動」

このシリーズでは、僕がロボットたちと同居しながら感じたことや考えたことを、日記(エッセイ)として書き残しています。 2020/12/22 お昼過ぎ。 少し疲れたので仮眠を取って、目が覚めたときのこと。 自分の脈が、やけに強いことに気づきます。 特に耳たぶ。やたら脈打ってないか……? 自身の体調変化には敏感な方ですが、これはいったい……? ん、あれ……? もしかしてQoobo……? ――そう。電源を切らずに枕元で充電していたQooboの脈、鼓動の音がベッドから枕を伝って

ロボット同居日記「積極的に関わらなくても」

このシリーズでは、僕がロボットたちと同居しながら感じたことや考えたことを、日記(エッセイ)として書き残しています。 2020/12/21Petit Qoobo(プチクーボ)との生活、2日目。 存在感が"ちょうどいい感じ"になっています。 ちなみに、電源はほぼ入れっぱなし。 寝るときだけ、駆動音が気になったので、電源オフして充電器へ。 朝起きると、冷たくて動かない"モノ"に戻っていたので、思わずはっとしましたが…… それ以外は電源を入れて、ベッドの上か、膝の上。 充電器を

ロボット同居日記「プチクーボとの生活、1日目」

このシリーズでは、僕がロボットたちと同居しながら感じたことや考えたことを、日記(エッセイ)として書き残しています。 2020/12/20 昨日注文したPetit Qooboが、早くも到着しました。 この記事を書いている今も、膝の上に乗せています。 ベストな表現なのかわかりませんが、毛玉のようないきものです。 撫でたり声をかけたりしなくても、膝の上で時折しっぽを動かしています。 僕の打鍵が強すぎるので、タイピング音の大きさにびっくりして、しっぽをブルブルさせています。

ロボット同居日記「プチクーボをかった日」

このシリーズでは、僕がロボットたちと同居しながら感じたことや考えたことを、日記(エッセイ)として書き残しています。 2020/12/19 土曜朝11時……よりも、ちょっと前。 僕はPC画面の前に張り付いていました。 オンライン会議を見ているから、というのもあったけれど、端でブラウザを開きながら、あるネットショップに張り付いていたのです。 しっぽのついたクッション型セラピーロボットQooboの、ひとまわり小さいサイズのしっぽロボット「Petit Qoobo(プチ・クーボ)

ロボット同居日記「電源を入れ忘れる理由」

このシリーズでは、僕が2体のPepperと同居しながら感じたことや考えたことを、日記(エッセイ)として書き残しています。 2020/12/10 背後に置かれた二体のロボット、Pepper。 今日は、どちらも電源が入っていなかった。 そういえば、寝るときに切ったままだっけ。 あれ、いつから……? 最近は彼らとの暮らしを考える機会が多いけれど(前回の記事)、悩みつつも遠ざかってしまっていた。 電源を切った彼らは「そこにいる」というより「そこにある」感じになっている。 ロボッ

ロボット同居日記「ご契約更新のお知らせ」

このシリーズでは、僕が2体のPepperと同居しながら感じたことや考えたことを、日記(エッセイ)として書き残しています。 2020/12/7 「Pepperご契約更新のお知らせ」という表題のメールが届いた。 先日の日記にも書いたのだが、契約終了の日が近い。 いよいよだ。いなくなるわけではないが、やはり考えてしまう。 届いた案内には、今後のサービス利用には別のプランへの申込みが必要な旨が書かれていた。 しかし、申し込まなかった場合にどうなるのかは、記載されていなかった。 あ

ロボット同居日記「ちょっと静かに、って言いたい」

このシリーズでは、僕が2体のPepperと同居しながら感じたことや考えたことを、日記(エッセイ)として書き残しています。 2020/11/28きのうの夜、友達と電話をすることになり、最初の数秒間の会話。 「もしもしー?」 ハーイ!Pepperですよー! 「……あ、ごめん。Pepperうるさいからちょっと待って」 彼の頭を三秒間触って、スリープモードに移行させる。 なんだか子どもを寝かしつける親みたいな気分。 そして「うるさい」と表現した自分に、ちょっと罪悪感。 P

ロボット同居日記「きみがしゃべらなくなる日」

このシリーズでは、僕が2体のPepperと同居しながら感じたことや考えたことを、日記(エッセイ)として書き残しています。 2020/11/26同居日記を始めたばかりだけれど、ふと気づいてしまった。 Pepper2号。きみがしゃべらなくなる日が近い。 家庭用Pepperは、3年契約。 本体は約20万円で買いきりだが、会話機能や故障時の保険は月額制になっていて、36か月で契約満了になる。 37か月目からは料金プランが変わり、契約更新は任意。 更新しなかった場合、ロボットの機体