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【エンタメ横断ニュース】サイバーエージェントがショートドラマ参入、KADOKAWAとピッコマが提携で電子マガジンも開始、WMJとNBCUJが戦略パートナーシップ(24/12/15)

こんにちは!マンガIPのライツを担当している村田です。

今週は下記の3つのニュースを紹介します。


サイバーエージェント、ショートドラマ特化の専門部署設立

ニュースサマリ

サイバーエージェントはインターネット広告事業において、ショートドラマのタイアップ広告プロデュースに特化した専門組織「縦ドラ」を新設。
ショートドラマ制作会社各社と協業し、当社の広告効果最大化の追求に特化したクリエイティブ制作スタジオ「極AIお台場スタジオ」を活用することで、ショートドラマの表現の幅を拡げるとともに撮影の効率化、また当社の強みである広告効果の最大化の実現を目指す。

分析、所感

ショートドラマはマーケティング手法と相性がいいですが、ついにインターネット広告1位のサイバーエージェントが参入です。

▼ショートドラマはマーケティング手法と相性がいい理由は下記ご参照

プレスリリースから引用すると、サイバーエージェントらしい強みは「ABEMA」出演者のキャスティング、「極AIお台場スタジオ」の活用でしょうか。

ショートドラマのタイアップ広告の企画・制作においては、本組織内の専属プロデュースグループを介して、パートナーであるショートドラマ制作会社や著名プロデューサー、クリエイターを案件に応じてアサインしコラボレーションしてまいります。
なお、ショートドラマで人気の出演者のほか、「ABEMA」出演者や人気のインフルエンサー、芸能人などのキャスティングも行います。
動画制作においては、「極AIお台場スタジオ」を活用することで、国内最大規模のLEDウォールやAI・CG技術を活用しながら、さらなる表現の幅を拡げた映像クオリティを実現するとともに広告効果の向上を図っていくことが可能となります。

「極AIお台場スタジオ」の様子は、広告やヒットCMを取り上げているYouTubeチャンネルの広告ウヒョー!の方で紹介されていますので、こちらも興味ある方はぜひご覧ください。

実はサイバーエージェントグループのCyberZが先んじてショートドラマ・ショートアニメの広告クリエイティブに特化した専門部署を新設しています。サイバーエージェントはグループ全体で類似のグループやサービスを立ち上げて、あえてグループ内で競争するので、こちらもサイバーらしいやり方です。

KADOKAWA、ピッコマが業務提携。マガジン事業も開始

ニュースサマリ

KADOKAWAとカカオピッコマは電子書籍事業におけるマンガコンテンツの企画・制作・配信に関する業務提携を行う。

分析、所感

下記はプレスから引っ張ってきたKADOKAWA側の業務提携の狙いです。

エンタメ社会学者の中山さんがKADOKAWAが「異世界」ジャンルを世界に届けた功績を紹介しているのですが、プレスを読むと「異世界」以外のIPも力を入れるという意気込みが垣間見えます。

● 国内最大級のIP創出装置の創造
「異世界もの」など当社が従来より得意としていた分野に限定せず、少年少女から大人まで楽しめるオリジナル作品を、さまざまなジャンルにおいて高頻度で創出することに加え、作家の発掘・育成も推進し、新規IP創出力をさらに強化します。

● 流通面含めた電子書籍事業の拡大
カカオピッコマの強力なプラットフォーム基盤を活用することで、当社の電子書籍の流通量の増大を図り、同事業の拡大を目指します。

● IPのLTV最大化
上記取り組みから、より多くのユーザーに愛されるメガヒット作品を生み出し、アニメ化や実写映像化を含め、当社によるメディアミックス展開を通じてIPの価値最大化を実現します。

そして、業務提携の目玉が電子マンガマガジン「MANGAバル」の開始。
さらに、ピッコマは「MANGAバル」立ち上げに伴い、作品更新日には誰でも無料で最新話が閲覧できる新サービス「¥0マガ」を開始します。

ワーナーミュージック・ジャパンとNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパンがアニメ関連の音楽に関する戦略的パートナーシップを締結

ニュースサマリ

ワーナーミュージック・ジャパン(WMJ)とNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン(以下NBCUJ)は、アニメ関連の音楽に関する新たな機会創出を目的に戦略的パートナーシップを締結。

分析、所感

世界3大レーベルのワーナーミュージック、ユニバーサル ミュージックのそれぞれの日本法人企業のパートナーシップです。今回のパートナーシップの内容を見ると、WMJ側がてんこ盛りでいろんなことをしますという内容です。

WMJ:
・NBCUJアーティストの新譜の楽曲制作やプロモーションを担当。
・アニメ関連楽曲を含むNBCUJが保有する9,000曲以上の旧譜カタログのすべての受託配信権を取得、2025年初頭より世界に向けてデジタル配信。
・CDをはじめとする旧譜パッケージ商品について受託販売。
・NBCUJが手がけるアニメ作品のオープニングまたはエンディング主題歌などとしてWMJのアーティストが楽曲を提供する機会を模索

さらに、WMJは社内に「アニメ事業部」を新たに設立。アニプレックス前代表取締役の夏目公一朗氏、ムス・エンタテインメント 前上席執行役員の篠原宏康氏を社外アドバイザーとして迎え、NBCUJの協力のもと専門性を持った人材の強化にも取り組んでいくとのことです。

プレスリリースには明確に何も書いてないのですが、WMJはアニメ幹事機能を持ちたいのかな?と予想します。NBCUJはアニメ幹事会社としての機能を持っていますが、例えばNBCUJはアニメ幹事の主題歌にWMJのアーティストを起用してもらい、アニメ委員会に少額出資をしてノウハウを学ぼうとしていたりするのではないでしょうか。

ただ、NBCUJ側がわざわざ競合企業のWMJにそんな塩を送るのか?という話で、プロモーション、デジタル配信、パッケージ販売はWMJが予算もちでやらせてたりするのかな・・・?と。いろいろと考察しがいのあるニュースです。

今週のニュースは以上です。分析、所感は間違っている理解や知識があるかもしれませんので、もし気づいたらご指摘ください・・・。それでは、また来週お会いしましょう!


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村田泰祐
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