見出し画像

 諸葛亮兵書  心書 察情  

守屋洋訳 諸葛孔明の兵法 {徳間書店} より

{察情}

敵の状況を見破る法

  1. 両軍対峙のとき、敵が鳴りをひそめているのは、堅固な守りを恃みとしているのである。

  2. しきりに戦いを挑発してくるのは、こちらの進攻を誘おうとしているのである。

  3. 風もないのに樹々が揺れ動いているのは、兵車が進攻して来るのである。

  4. 土ぼこりが低くあがっているのは、徒士が攻め寄せてくるのである。

  5. 使者に強気の口上を述べさせ、強行突破の構えを見せるのは、退却に転じているしるしである。

  6. 進攻するでもなく、後退するでもない構えをとっているのは、誘いの隙をみせているのである。

  7. 杖をついて行軍しているのは、飢餓に悩まされている証拠である。

  8. 明らかに有利な状態にあるのに、あえて進攻しないのは、疲労困憊しているしるしである。

  9. 敵陣に鳥が群れているのは、すでに陣を引きはらったしるしである。

  10. 夜、大声で呼びかわしているのは、恐怖感にとらわれている証拠である。

  11. 軍に統制が欠けているのは、将帥に権威がなく、部下から軽んじられているしるしである。

  12. 旌旗が揺れ動いているのは、混乱に陥っているしるしである。

  13. 幹部将校が部下に八つ当たりするのは、長期の遠征につかれているのである。

  14. 賞賜を濫発するのは、窮地に立たされている証拠である。

  15. 刑罰をを濫用するのは、どうにもならない状況に追い込まれている証拠である。

  16. 使者をよこしてわびをいれてくるのは、軍に休養をあたようとしているのである。

  17. たくさんの贈物を持参し、ご機嫌をとり結んでくるのは、味方につけようとしているのである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?