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【ライヴレポ】夢の続きへ ポルノグラフィティ17thライヴサーキット「続・ポルノグラフィティ」

2019年に20周年を盛大に祝って以降、少しだけ「チャージ」の期間に入ったポルノグラフィティ。チャージ期間中に世の中は激変。音楽、エンターテイメント業界も大きな打撃を受けました。

そんな時代にあって、ポルノグラフィティができることは何か。やりたいことは何か。その答えの一つは、デビュー前からチームポルノが何よりも大切にしてきた、ライヴ

2021年9月~12月に開催し、無事に完走したツアー「続・ポルノグラフィティ」。そのツアー前半戦にあたる大阪公演に参戦したので、そのレポを残します。

セットリスト

大阪公演は2日程ありましたが、両日同じセットリストでした。

ライヴMCで本人たちが「コアな曲ばっかりやけど大丈夫?」と聞くくらいのファン悶絶セトリ
何年ぶりのライヴ披露?というようなコアな曲を含め、昔の曲から最近の曲まで幅広く。「続・ポルノグラフィティ」と題したツアー、ファンの命が続きません。

最近のライヴだと、2018年の「UNFADED」ツアーもファンの息の根を止めに来たセットリストでしたが、息の根の止め方を知ってしまったポルノ、本当に底が知れない。

ちなみにライヴ前にセトリの予想をしておりましたが、大外れもいいところですね。

1.IT’S A NEW ERA 

最新シングル「テーマソング」のカップリング。「人の背中を押す」という意味でテーマソングとテーマを同じくしている曲で、テーマソングが爽やかなメロディなのに対し、こちらは壮大。

序盤は割としっとりした始まりなのですが、終盤はがっつり盛り上がれる曲。1曲目から「ライヴに来た」ということを実感させてくれるような圧巻の演奏。ライトの演出も素晴らしくて、ステージだけでなく会場全体の照明がパッとついたときは、まさに夜明けのような、希望に満ちた演出でした。

この曲の歌詞に「約束は果たされる」というフレーズがあるのですが、これまでのポルノの楽曲で、「約束」は「果たされないもの」という描き方をされてきたことが多かったように思います(僕調べ)。
その中でこの曲を、今このタイミングで世に出されたということに、ポルノの想いを勝手ながら想像せずにはいられません。果たされなかった約束が、この混沌の時代に果たされる。個人的にはテーマソングよりこちらの方が好き。

2.幸せについて本気出して考えてみた

ライヴ定番。この曲で盛り上がれないポルノファンはいない。声は出せませんが、拳を突き上げるコール&レスポンスはできます。やっぱり生のライヴはこれやんね!という盛り上がり。

明るくてライヴ映えもする曲ですが、価値観がガラッと変わった昨今、歌詞も染みてくる、そんな曲。何気ない「それなり」の人生だって十分いい人生。

3.ドリーマー

この流れでタイトルだけ見ると希望に溢れた曲っぽいですが、かわいくて甘酸っぱいポルノ(意味深)な曲。夢というか妄想というか…。

割と初期のアルバム曲なので割とコアな曲ですが、軽くノリやすいポップロック。ライヴで聴くと「この曲こんなノれたっけ」と思った曲。

ライヴでも久しぶりの曲ですが、曲自体を久しぶりに聞いた気がして、イントロで一瞬「なんやったけこの曲」となったのは内緒。こんなコアな曲やると思わないでしょうよ(いい意味です)。

4.ANGRY BIRD

「最近のポルノ知らないんだよね~」。そんなあなた、今すぐこの曲を聴きなさい。・・・という曲。

血沸き肉躍る最高にロックな曲で、数あるアルバム曲の中でも大好きな曲です。ポルノの有名な曲は割とポップな感じが多いですが、こういうゴリッゴリのロックもいいんですよ。

そしてここでも出ました照明。この曲といえば真っ赤な照明。聴覚だけでなく、視覚的にも興奮へ誘う。個人的に生のライヴで聴くのは初めてだったので、めちゃくちゃうれしい。意識が飛ぶ。

5.Love,too Death,too

ポルノといえばラテンという印象をお持ちの方は多いと思います。この曲もラテン調の曲で、手拍子(クラップ)によるコール&レスポンスが楽しい。
シングル曲ですが、同じラテン系の「ジョバイロ」「アゲハ蝶」「オー!リバル」などと比べるとライヴ登壇回数は少ない気がします。

最近のポルノはバンドサウンドをより重視しているところがあって、ギターを2人体制にしたのもその一つ。ラテン調の曲はストリングスが印象的だったりするのですが、今のチームポルノが奏でるバンドサウンドでのアレンジがとてもカッコいい。

ミラーボールみたいな照明がゴージャスで、オリックス劇場がジュリアナ東京になりました。マジで今回照明さん頑張りすぎ(褒めてます)

6.ウォーカー

アグレッシブ目な曲が続いた中でミディアムなこの曲。こちらもアルバム曲で、ライヴ演奏も珍しい。どこかカントリーな感じもするのですが、都会的な皮肉も感じる曲。

歌い上げるような曲ではないですが、昭仁の低音ボイスが心地いい曲。

7.君の愛読書がケルアックだった件

こちらは軽快爽快ポップな楽曲。タイトルだけ見るとラノベみたいな感じですが、ワイパー(手を振る)のコール&レスポンスで楽しめる楽曲。比較的最近の曲で、ライヴ演奏は久しぶり(のはず)。

拳を突き上げるとか、クラップとか、コール&レスポンスにも色々ありますが、ワイパーが揃っている光景は中々圧巻。3階席でよかった。

8.ミステーロ

シングル曲並みの熱量を持つアルバム曲。これもポルノのメインウェポン・ラテンの雰囲気を醸す曲で、タイトル通りミステリアスな世界観が特徴。小説を読んでいるかのような世界観に引き込まれる曲です。

今回は曲の構成が原曲と少し変わっていて、サビ始まりのところをAメロ始まりに。よりドラマティックな印象を持ちました。

世界観が魅力的なので、この曲を聴くたびにミュージカル好きの血が騒ぎます。この曲でミュージカル1本作ってください。

9.サウダージ

2021年、YouTubeの人気企画「THE FIRST TAKE」に出演したことで、改めて名曲として認知されたこの曲。言葉のいらない往年の名曲にして、ポルノの代表曲です。

幾度となくライヴでも演奏されてきましたが、今回はヤバい。ヤバい(語彙力)。冒頭のサビを、昭仁、マイクなしで独唱しました。ちょっと意味が分からない。僕は3階席だったんですが、「え?マイクありと変わらんくない?」と思うほどの圧倒的声量。昭仁は人間じゃないのかもしれない。

マイクを通した声ももちろん素晴らしいし、比較するものでもないのですが、生の声ってやっぱり何か伝わるものが違うような気がして、昭仁の体から発される空気の振動が、そのまま自分に吸い込まれるような、理屈ではない何かが間違いなくそこにはありました。

一文字目の「わ」で鳥肌立ちました。これは生のライヴだからこそ。この一文字を聴くだけでチケット代の元は取れる。

10.鉄槌

ダークポルノその1。これもアルバム曲ですが、ポルノ随一のダーク・ヘビーな曲で、ライヴでは照明や演出も相まって深みを増す1曲です。
ちなみに2011年のライヴ「DAYS OF WONDER」の演出がファンの中で有名でして、DVD/Blu-rayでぜひご覧いただきたい。

先ほども述べた通り、近年のポルノはバンドサウンドにこだわっています。鉄槌みたいなダークな曲では、その真価・進化が頭でなく体で理解できるかなと。

昭仁の魅力の1つはハイトーンボイスですが、重低音の響きも近年超絶進化しておりまして、文字通り重く響く。音、歌にも重力がかかっているのでしょうか。教えてニュートン。

11.Fade away

ダークポルノその2。情報化社会で複雑さをさらに増す人間と人間の関係における、やり場のない怒りやもどかしさが体現された曲。昭仁はたまにこういう闇曲を作ります。

「ANGRY BIRD」「鉄槌」もそうですが、さすがロックバンド・ポルノグラフィティ。こういう重くてダークな曲でファンを屍にするのも得意なのです。ロックバンド・ポルノグラフィティは此処にあり。

12.元素L

打って変わって優しい愛の歌。「エレメント・エル」と読みます。いや、前曲からの振れ幅よ。

たぶんライヴでやるのは久々だと思うのですが、割と隠れた名曲なので聴けてうれしい。人の温もりを感じさせ、冬が近づくこの季節に温かいココアでも飲みながら聴きたくなるような曲。

余談ですが高校生の時、一時期この曲ばっかり聴いてました。

13.Winding Road

個人的な事情で色々お世話になった曲(詳細割愛)。2018年の「しまなみロマンスポルノ」でも演奏されましたが、これは涙なしには聞けないのです。

前曲に続きしっとりしたバラードですが、力強さも感じる曲で、バンドとして音を磨き続けたチームポルノの演奏力と、デビュー20年を超えてなお成長する昭仁の表現力が、シンプルな楽曲だからこそ響く曲。2018年に聴いたときよりもさらに進化してるやないか。

色々書いてますが涙を隠すために言葉を連ねております。曲というのは、人生を彩りますね。

14.THE DAY

最近のポルノのライヴに外せない曲。アニソンの王でもあるポルノの、最近を代表する曲。これで盛り上がれないファンがいるだろうか、いやいない。この曲でライヴ終盤までブーストがかかる。翌日筋肉痛なのはこの曲のせい。

バンドサウンド、照明、昭仁のハイトーンボイスに、晴一の疾走感溢れるギター。バンドのライヴの良さを全部盛りした曲。

15.REUNION

2020年の配信ライヴで披露された新曲で、発表当時より歌詞やメロディの一部がさらに洗練されています。

この曲も「テーマソング」「IT’S A NEW ERA 」と通じるところがある曲。この2曲ほどストレートではありませんが、人との繋がりや明日への一歩を感じさせます。

ポルノらしくもあり新しくもある曲調と相まって、とても好きな1曲になりました。「ミステーロ」もそうですが、某BLEACHの詠唱みたいな、言葉の羅列のような歌詞が好きなんですよ。

16.メリッサ

ライヴに外せないド定番曲。世間にも知られている代表曲。ポルノのライヴといえば、と言っても過言ではありません。これで盛り上がれないファンは(略)。

アルバム曲が多い今回のセトリの中で、終盤にこういう「間違いない」曲があると、グッとライヴが締まりますね。筋肉痛の要因その2。

17.ハネウマライダー

タオルを使った演出、コール&レスポンスで有名な曲。様々な感染症対策がある中、一応今回タオルは回してもOKでした。

この先もポルノグラフィティの道が続いていく。これからも走り抜けていく。ツアータイトルのメッセージにも通じる曲なのかなと思います。

20周年の「神VS神」、そして2020年「REUNION」でも演奏され、僕の中でライヴの定番曲としてだけでなく、プロジェクト・ポルノグラフィティの存在そのものを表す曲にもなってきています。ゆえに、なんか涙が出るんですよね、聴くと。この話を書くと長くなるので割愛。

18.テーマソング

今回のツアーに先駆けて発表された最新シングル。クラップ、合唱とライヴで映える演出が多数あり、今回のライヴツアーの顔でもある曲。

合唱はご時世的にできませんが、いつかこの曲を会場全体で歌える世の中になると信じて。どのライヴでも本編ラストの曲は、そのツアーに込めた思いが表れますが、2021年のポルノが伝えたいメッセージを凝縮した曲だと思います。ところでなぜポルノファンは、ライヴ初演奏の曲でもフリが合うのでしょうか。

未だかつてないくらいストレートな応援歌。正直言うと、今の自分にはちょっと歌詞がド直球ストレートすぎて、爽やかすぎて、ライヴまで聞き込めずにいました(この曲が嫌いなわけではないです)。
ただライヴで聴くとやはり印象は変わるところもあって、ポルノのライヴの醍醐味である一体感もあるし、「いつか合唱しようね」という希望の未来を感じさせる曲でもあるので、今回のセトリの本編最後の曲にふさわしい1曲やなと。

アンコール1.メビウス

未発表の新曲。「メビウスの輪」のメビウス。タイトルはカタカナで合っているのでしょうか。

力強いバラードで、小説、あるいは絵本のような世界観やなあという印象。通算2回聴いただけでは歌詞を覚えきれませんが、愛を求めたけど報われなかった、というようなニュアンスだったような…。現時点では結構好みの雰囲気。

タイアップやリリースなどは未定で、「今自分たちが表現したいことを表現した」と昭仁談。作詞・晴一、作曲・昭仁っぽい気がしますがその辺もどうなのか。いずれ世に出る日を楽しみにしています。

アンコール2.ジレンマ

ライヴの締めと言えば、のジレンマ。声も出せないし、かつてのような大騒ぎはできなくても、時代に合った「アホになる」形はある。声は出せずとも楽しめるのですよ。いつか思いっきりジレンマでアホになれる日が来ることを祈りながら。

東京公演

ちなみに、大阪公演と少しだけセトリは違いますが、東京公演のプレイリストが公開されていたので貼っておきます。新曲「メビウス」は未発表なので聴けませんが…。

東京公演は配信もありました。僕は諸事情で見ていないため、セトリを今初めて見たのですが、「Free and Freedom」をやったのかい・・・?(ジョバイロのカップリング曲。超コアな曲)お、おったまげ~。

「続」

「続・ポルノグラフィティ」。今回のツアータイトルですが、まあ直球なタイトル。20周年、そして寄り道・チャージの期間を経て、これからもポルノは続いていくという決意表明であり、シンプルでわかりやすいタイトルです。

幅広い時代から採用されたセトリの曲からは、今までの軌跡を感じることができるし、そして昔の曲であればあるほど、今のポルノの演奏力・歌唱力がいかに進化してきたかというのも実感させます。

ポルノがたどってきた道が、今までもこれからも続いていく。ライヴパフォーマンスによってそれを見せてくれたポルノグラフィティに、感謝と期待を抱いたライヴでした。

ポルノグラフィティが「続く」限り、その夢をこれからも共に創っていきたいし、支えていきたい。おこがましくも、いちファンとしてそんな決意を抱いています。

「決意」という言葉。ちょっと唐突なのですが、ライヴが終わった直後に記したnoteがありまして、その時の想いを忘れないためにあえて使いました。
ライヴレポで書きたいこととは少しテイストが違いますし、非常に独善的な記事ではありますが、リンクだけ失礼します(こちら)。

ポルノにまた会おうと言われたから

生の音楽ライヴはほぼ2年ぶりとなった今回。まずはとにかく、無事にツアーを完走できて本当に、ホンマに良かった。

2021年は様々なミュージカルも観に行きましたが、無事に開催ができ、無事に公演を終え、千穐楽まで完走すること。それがいかに奇跡的であることか、アーティストやスタッフだけでなく、ファン・客側も強く感じるのではないかと思います。

「このご時世にライヴ?」という声も間違いなくあると思います。僕自身も、その思いは100%ぬぐえたわけではありません。
一方でそれを踏まえて、開催が決定されているということ。関係者の方の並々ならぬ努力と思いに、心から敬意です。

参戦したくてもできない人も多くいたはず。今回参戦した僕は、ここにも感謝と謙虚さを持たねばなと、そう思います。

「会えてよかった、また会おう」。そう言ってくれるポルノの二人に恥じないように、二人が会いたいと思ってくれるファンの一人であり続けられるように、2022年、頑張るぞ!

次にライヴが開催されるときには、誰もが全身全霊で楽しめる、そんな世の中になっていますように。

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