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イングリッシュ·ドレープについて僕が知っている2,3の事柄 その4|TaishiNobukuni #note

脇前面がイングリッシュ·ドレープと呼ばれるのに対し、後ろには後ろのドレープがあり、日本ではだき皺と呼ばれたりします。
サムネイル写真はChittleborough & Morganで頂いた後ろ脇用パッド、通称angel padです。angelは肩甲骨をangel's bone と呼ぶことからそう呼ばれ、肩パッドも然りですがそれらは肩甲骨の高さにより生じる空間を埋める感覚があります。このパッドはバサッとくれたのに、仕入れ先は教えてくれませんでした。そもそもスペシャルメイドで売ってないのです。
そのような皺もないようなフィットした脇を良しとする美意識とは別に、緩いドレープ感をよしとする考えもあり、イタリアンテーラーは抱き皺パッド等は死んでも入れないと思います。
僕はといえば袖が運動量をはらむように作っています。なのであまりだき皺的な落ち感は許容できず、策としては見頃後ろ脇をいせるか、昔の背広以前の背が狭い服にあるような肩甲骨近くをとおる縫い目ならその分量を上手く消せる、またはそもそもその線はそのためにある、と思います。
余談ですがC&Mのジョセフ·モーガン氏の高いアームホールへの拘りは徹底しており、脇を下げるなら御客様の脇をノコギリで切りたいほどだとか。笑。
また脇をどう考えるかは僕がデザインしているDOVEのウェットスーツMADTAILORモデルでも肝で、ドライスーツ等に見られる、マチが一杯のモモンガの逆として、セットインスリーブのフィットした脇を売りにしています。しかし最近モモンガタイプもラグランスリーブの感じで探求したら面白いかもと感じます。逆もまた真なり。

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