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ものを「作る」と「売る」話

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地場産業・伝統工芸・量産品の「作る」と「売る」に関する記事をまとめています。
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#商品開発

気が付いたら1年間で12商品も発表していました。

去年から月1ペースで発表していたのですが、数えてみたら本当に一年間で12個の商品発表していました。(2020年5月~2021年5月) この状況下で数多くの発表が出来たことにまず感謝です。 ただこれらの多くは半年以上の開発期間があり、たまたまこの周期が偶然かみ合っているだけだと思っています。クライアントさんによって新商品発表の周期があり、1~3年に1回の発表もあれば、3か月~6か月に1回の発表をするメーカーもあります。 去年からは直営店を運営したり、クラウドファンディング

エコやSDGsを売りに出してる商品は、機能やデザインにおいては既存の劣化版?

SDGsが掲げられるようになってから、エコ素材を使用した商品やエコ機能を持つ商品がより一層増えてきました。 身近なところで言えば、エコバッグ。 ビニール袋が有料化になってからは、エコバッグを持つ人が増えてきて、今では当たり前のようにマイバッグを持っている人が増えました。エコを普段から意識するようになると言う点では、非常に良い変化だと感じました。 一方で、ビニール袋は実際の環境負荷が少なく、全国の自治体のゴミに占める割合が0.4%でしかないという結果もあります。さらにエコ

落としたら大体のものが危ない。

そんなこと誰でも知っている事ですが、商品開発の現場では「落としたら危ないかも」という理由でデザイン変更を求められることがあります。 これが正しいかどうかは置いておいて、何でも過敏に反応しすぎることが良くないと感じます。 基本的にガラスのコップでも包丁でも何でも落としたら危ないですが、本来の用途から離れたら大体の物に危険性があるってことを理解したほうが良いです。つまり、落とさなくても使い方によっては危ないってことです。 それでも「落としたら危ないかも」と言う理由でデザイン

作りたいものではなく、使いたいものを作る。

技術ありきで作りたいものを作るシーズ視点・プロダクトアウトの考えで作ったプロダクトは、ものとして使えるものになることは少ないです。結果、売れないのでクライアントもデザイナーも商社も困り、技術が広まることもありません。 そうならないためにも、その技術を活かして、まずは自分たちが使いたいものを作ることをしましょう。自分たちが使いたいものであれば、同じ価値観を持った人、同じ問題を抱えている人は欲しくなり、買います。そうすると、全員に利益があり、結果技術が広まります。 前回お話し

デザイナーの実績作りのために商品開発をするのはもうやめよう

先週、デザイナーの実績作りのために商品開発をするのはやめようという話を職人さんと話していました。 なぜデザイナーが職人さんやメーカーにアイデアを持ち込むのかというと、大きく2つのパターンがあります。 ①仕事にも実績にもなるので、作ってほしい。(職人さんがお金を払う。) 販売や開発費用は職人さん持ちになるので、負担がかなり大きいです。もちろん販売などもお手伝いする前提のデザイナーもいますが、基本にはクライアントワークと同じになります。 しかし、クライアントワークにとって大

デザイナー、職人、リモートワーク

今現在、コロナウイルスの影響によってリモートワークが推奨されています。noteでもリモートオフィスというお題が始まったので、この機会にフリーランスのデザイナーのリモートワークについて話していきます。 そもそもフリーランスはリモートワークですらない。リモートワークは会社以外での勤務、主に在宅勤務のことを指します。つまり、フリーランスに勤め先はないので、どこで仕事をしようが自由です。 今現在は借りている事務所(コワーク)があるので、そこに通って基本的には作業や仕事をしている感