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ものを「作る」と「売る」話

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地場産業・伝統工芸・量産品の「作る」と「売る」に関する記事をまとめています。
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#はたらくを自由に

自分の仕事に誇りを持つのが大切

ある絵付けの職人さんは焼き物の工程で絵付けが一番大事だと言い、ある生地の職人さんは形作りが一番大事だと言っているのを聞いて、職人さん達は自分の仕事に誇りをもってるからこそ、素晴らしい仕事ができるのだと感じました。 職人の仕事は分業制が一般的であり、一つ一つの工程が無くてならないものであり、全ての工程が大切だと言えます。ただ個人だけでは完成せず、実感が湧きにくいという話も聞きます。 同様にデザイナーの仕事も、企画やデザインを請け負っていますが、製造や販売はクライアント側の仕

職人や生産者にとっての、卸問屋のメリット・デメリットについて

卸とは、「職人・生産者」と「小売り」を繋ぐ役目を担っています。 具体的な商品の流れは、卸業者は生産者・メーカーなどから仕入れた商品を、小売店に販売します。そして、小売店は消費者に販売します。 また小売業の各店舗に商品を安定供給するために、卸問屋が一定の在庫を抱えています。それにより、小売業者が必要な量の商品をすぐに提供できるという物流の役目があります。 つまり、「卸」とは商流と物流の両方があると言えます。職人・メーカー・生産者目線での、メリット・デメリットについて書いて

ものづくりに関わる人たちにとって、一番の課題は現代の価値観

特に伝統工芸にかかわる人たちにとって、一番大きな課題は販路とか品質ではなく、現代の価値観だと言えます。 安いほうが良い、モノにこだわらない、モノを持たないというこの価値観がある前提でものづくりしないと、ただ良いものを作っても売れません。 物にこだわらないこれはライフスタイルの変化といっても良いかと思います。少子高齢化、戸建てからマンション住まい、晩婚化など、昔と比べて生活様式も大きく変化しました。 ライフスタイルが多様化したと言えば分かりやすいかも知れません。独身でお金

作りたいものではなく、使いたいものを作る。

技術ありきで作りたいものを作るシーズ視点・プロダクトアウトの考えで作ったプロダクトは、ものとして使えるものになることは少ないです。結果、売れないのでクライアントもデザイナーも商社も困り、技術が広まることもありません。 そうならないためにも、その技術を活かして、まずは自分たちが使いたいものを作ることをしましょう。自分たちが使いたいものであれば、同じ価値観を持った人、同じ問題を抱えている人は欲しくなり、買います。そうすると、全員に利益があり、結果技術が広まります。 前回お話し