詩人と騎士

 今日は夏至ですね。ケルト神話の英雄クー・フーリンは夏至生まれと伝えられています。イギリスの児童文学作家ローズマリ・サトクリフはクー・フーリンの伝承の再話「炎の戦士クーフリン」で、夏至の日に、神と人の姫の間に生まれたばかりのクー・フーリンが人の世へ託されるシーンを美しく描いています。

ローズマリ・サトクリフの作品は、理由はわかりませんが私にとって辛い時や悲しい時に思い出したり、読みたくなる作家です。今日は、運命の騎士のラスト、騎士になったランダルが詩人エルルレットと言葉を交わすシーンが思い出されます。

共に行かずに領主へランダルを託した自分の選択は正しかっただろうと訪ねるエルルレット。喪失の痛みに耐えるランダルは1日前なら正しかったと絶対の自信を持って言えただろう。と感じ、けれども迷った末にエルルレットに答えます。

その選択は正しかったのか。思い出すのは、きっと私が今迷っているからなのかもしれません。

今日の一行

先は見えない、でも私達は常に何かを選んでいる

新潟県在住の主婦です。オタクなママで本の虫。産前はフリーペーパーやローカル紙の記者などをやっておりました。今は息子二人に振り回される毎日で、某ソシャゲの影響でギリシャ神話の本なども読み始めました。イーリアスが4冊……。