グリンザールの服装
<スペルズベイン・サガ>の主人公、グリンザール(グリンザール・スペルズベイン)の服装について、自分の描いた絵を見て考えたいと思う。
グリンザールは『灰都ロヅメイグの夜』当時25歳、この世すべての<魔法>を殺害せんと<永延の黄昏>(エターナル・ダスクス)の荒野を当ても果てもなく彷徨い続ける男だ。
彼の外見描写を今思い返せるだけ挙げてみると、肩口まで伸びた波打つ漆黒の長髪、青い瞳、失われた左腕、深緑のフォロゼ式外套、ロードトック式巻革鎧、無慈悲な曲線を描くラーグニタッド刀。大体そんなところだろう。
そんな情報、あるいは本編描写を元に俺はグリンザールのビジュアルを描き起こそうと思い、いろいろと想像してみた。その結果は以前ツイッターで投稿したが、こちらにも投下しておく。
これはアップンロードした内でも自身最初のグリンジだ。書いた当時は確か『灰都ロヅメイグの夜』、『隻腕剣士と隻眼詩人』の本編が公開されていた頃だった。その当時は革鎧についての詳細はなかったので適当に胸当てめいたものと腰から膝にかけての鎧を捏造した。
頭髪であるが彼の彷徨い人生活からそれほど手入れしておらず、かなり荒れたものだったと想像しもさもさな頭になった。
顔色は悪い。今考えてみると、『灰都ロヅメイグの夜』初登場時彼が半ば死にかけていたのがニューロンに強く焼き付いていたのではないかなぁと思う。今もそうだ。だから顔色は悪くなったし、目の下に隈もついた。
特に悩んだのがフォロゼ式外套だ。「フォロゼってなんだよ」となったのだ。そこで俺は原作のある描写に注目した。『8:猟犬ども』に置けるキッド対グリンザール、キッドの剣がグリンジを切り裂くも、そこに左腕はなく、外套のみを切り裂くシーンだ。
俺はこのシーンを見て「彼のフォロゼ式外套は腕を隠すだけのサイズがある」と言う事を発見し、さらにそれが『隻腕剣士の策』と明言されていたことから、「グリンザールの外套には左腕があるように見せかけるための何らかの工夫がなされている」と考えた。
その結果肩に鎧をつけた。実際はどうなのか知らないが、左腕がないことで崩れがちなバランスを矯正することと、肩の「形」を作って隻腕で無いように見せるために有用だと考えたからだ(そう言えば、女性が男装する際肩に詰め物を入れて肩幅を大きくする話を聞いたことがある。それが発想のもとになったのかも知れない)。
ついでに首や胸回りと外套本体の部分は別パーツにして、交換しやすいようにした。わざと斬られる策なんか講じてたら多少はそういうところにも気を使う必要があるのかなと。
どうでもいいけど「フォア・ローゼス」ってバーボンがあるらしい。
腰の鎧は資料としていくつかの鎧を眺めている際に発見し、腰帯と組み合わせたものにして着脱可能にした。グリンザールは右隻腕という特性上相手と半身になって切り結ぶことが多いと想定し、下半身の側面を防御する鎧を必要とするのでは?と思案したためだ。前に鎧が有ったりするときっと走りづらいと思うので側面だけだ。どうせ半身になるからいらないだろう。後方への防御が物足りなく感じたが、グリンザールが修めているのは一対多を旨とする腐肉漁りの剣術だし、それにこの時代のグリンザールには相棒がいるので問題ない。
この辺りまでは『銀貨の行方』あたりまでに完全に固定イメージとしてできていたが、次に出てきたのがあの『ロードトック式巻革鎧の作り方』だ。
素晴らしい資料だった。巻革鎧についてはあれのお陰で俺が説明することがなくなってしまった。読んでくれ。下には俺なりの巻革鎧(上)をおいておく。
ラーグニタッド刀はラーグニタッドで製造された恐るべき武器でグリンジのメインウェポンだ。その外見描写には「無慈悲な曲線」という語が多用されることから、曲刀、ないしそれに準ずる類の刀剣であると思われる。公式画像にも乗っていたが、護拳のついたカトラスめいた代物だったようだ(自分はつけなかったが)。いつか公式グリンザールが公開された時にはよりはっきりするだろう。
『ロードトック式巻革鎧の作り方』が公開された後新たに書きなおしたグリンザールだ。フォロゼ外套に腰鎧のデザインはほとんど変化させなかったが、上下の革鎧を装備しよりタフになった。手の露出が減ったのも個人的に大きなポイントだ。ラーグニタッド刀もより戦闘向きに変化させたつもりだったが、以前のイマジナリの方が公式には近かったようだ。特に問題はない。一応これも暫定のものであり、以降のシリーズ更新によっては服装が変化することも考えられる。その時はまた考える。
グリンザールの服装は現在イマジナリデザインに頼るより他なく、それによっていろいろなグリンザールが(もちろんゼウドを始めとする他のキャラクタも)存在するのが現状だ。
なんか遠回しに言うの面倒になった。みんなもロヅメイグ描いて服飾とか見せて(直球) おれがとてもよろこぶ……。