ツカレタ
疲れた。
否、疲れている。
なぜか。
それは卒論に憑かれているためである。
しかしながら、それは僕たちが大学を卒業するために通らなければならない最後かつ最大の関門であるので、何としてもそれを遂げなければならい。
僕はそのために疲れている。
どれくらい疲れているかと言えば、研究室で作業を共に行う友人が「3時半って何時だっけ…?」という意味不明な言動をするのと同じぐらいには疲れている。
何だか頭痛が痛いが気にしない。
暇さえあれば趣味にどっぷり浸かっていた1年前までの自分が既に遠い昔のようで空しくなる。
気づけば提出までひと月半になってしまったようであるが、僕の作業の進み具合と言えば、牛が歩を進めるよりも遙かに遅いペースであり、なおかつ周りからそんなに心配の目を向けられることもないため、自覚だけが独断先行して気が滅入る日々である。
と言うか、おそらく人様に構っている余裕など誰にもないのであろう。
どうしてそんなに卒論の進みが悪いかと言うと、卒論の内容が約2週間前に大きく路線変更し、これまでの作業がほぼゼロに戻ったためでもある。
周りが「卒論の章立てが~」とか「『はじめに』が書けなくて~」とか言ってる中で、僕1人「先行研究無くね……?」「研究の方向性が決まらない…!」とかやってる訳で。
だからと言って何もしない訳にもいかず、取り憑かれたように史料を延々と解読しているのである。
おかげで肩や首は凝り固まり、思考活動もほぼないため脳みそまでも固まってしまっている。
唯一の思考活動と言えば、研究室内で繰り広げられる猥談だけであって、その時だけはそれはそれは活発に思考活動が行われるのでもはや救いようがない。
気分転換がてら相変わらず煙草を吹かすも焦りや不安を吹き飛ばすには至らず。
今日も今日とて憑かれたように疲れる。
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