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ペロブスカイト太陽電池とは?次世代太陽電池の新たな可能性

ペロブスカイト太陽電池の起源と特性

新たな太陽の光を受けて輝くペロブスカイト太陽電池。

ペロブスカイト太陽電池は、桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授が発見した日本発の太陽電池です。

その魅力は、従来のシリコン太陽電池と比較して、製造コストが低く、薄くて軽量、そして柔軟性があり、高い変換効率を持つという特性にあります。

また、光の吸収率の高さは、太陽の恵みであるエネルギーを、より効率的に電力に変換します。

ペロブスカイト太陽電池の製造方法

ペロブスカイト太陽電池の製造過程は、まるで芸術のようです。

まず、ガラスや樹脂基板上にITO透明電極を作製します。

次に、プラス電荷を流す「正孔伝導層」を成膜します。

そして、「ペロブスカイト層」を成膜します。

最後に、マイナス電荷を流す「電子伝導層」を成膜します。

これらの層は、太陽光を電力に変換するための重要な役割を果たします。

また、ペロブスカイト太陽電池は塗布と低温プロセスで形成できる利点を生かして、ロール状に巻いて供給された樹脂フィルムを使って、まるで新聞紙を印刷するようなイメージで連続的に処理する「Roll to Roll」と呼ばれる製造プロセスに関心が集まっています。

この製造方法は、ペロブスカイト太陽電池を薄く、軽く、そして柔軟にすることを可能にします。

印刷技術を使うため従来の太陽電池の半額で製造でき、2021年9月に日本で初めて量産に成功しました。

ペロブスカイト太陽電池の課題

1.耐久性と安定性

しかし、ペロブスカイト太陽電池にはまだ課題があります。その最大の課題が、耐久性と安定性です。

湿度や温度などの環境によっては劣化が進むことがあり、30年以上の使用に耐える高信頼性化が必要である。この課題を克服するための研究開発が求められています。

2. 鉛の代替

ペロブスカイト太陽電池には、人体へ悪影響のある鉛が含まれているため、環境や健康への影響を考慮して、鉛を使わないPbフリーペロブスカイト太陽電池の開発が望まれる。

3. タンデム構成の最適化

ペロブスカイト太陽電池と別種の太陽電池とを組み合わせたタンデム構成にすることで、変換効率をさらに高めることができるが、その際には、各層の厚さや材料の選択などの最適化が重要である。

4. 大面積化の実現

ペロブスカイト太陽電池は、小面積で高い変換効率を示すが、大面積化すると均一性や安定性が低下する可能性があるため、大面積化に適した製造技術や品質管理の確立が課題である。

ペロブスカイト太陽電池の将来性:次世代太陽電池の本命

ペロブスカイト太陽電池は、その特性と課題を抱えながらも、太陽電池の未来を切り開く可能性を秘めています。

「次世代太陽電池の本命」という表現が、その可能性を端的に表しています。

技術開発が進めば、ペロブスカイト太陽電池は太陽光発電の新たなパラダイムを築くことでしょう。

そして、その技術が一般化すれば、再生可能エネルギー源の利用がさらに進み、持続可能な社会の実現に大きく貢献することでしょう。

私たちは、その日が来ることを心から期待しています。

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