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看護計画テーマ「下肢静脈瘤患者の標準看護計画」

忙しい日々をお過ごしでしょうか?
辛いことが多いかと思いますが、うまく手を抜いて実習を乗り越えましょう。
今回は下肢静脈瘤についてまとめてみました。

下肢静脈瘤患者の標準看護計画
 
下肢静脈瘤とは
 静脈、特に表在皮静脈が迂曲、拡張した状態、通常は一次性静脈瘤を指すが、深部静脈閉塞の結果それに従って側副血行として拡張した、いわゆる二次性静脈瘤および先天性血管奇形や動静脈瘻の一症状として静脈拡張を示すものもある。大伏在静脈に圧倒的に多い立位、筋肉疲労が誘因となるが、女性に多く、妊娠を契機として起こることが多い。
 
アセスメントの視点
 30〜40才の女性に好発し、立位により大腿下部〜下腿に多数の怒張、疼痛が出現し、また屈曲した静脈瘤を触知するため、美容上気になり受診する例が多い。血液のうっ滞が起こり血栓性静脈炎を起こしやすい。慢性化すると、皮膚の色素沈着や難治性潰瘍を形成する。
 
症状

  • 下肢重量感

  • 疼痛(立位時緊満感)

  • 浮腫

  • 夜間痙攣

  • 色素沈着

  • 難治性潰瘍

 
検査
 〈術前〉

  • 全身一般状態の把握

  • 病歴の聴取(家族歴、既往歴における血液疾患等の有無、妊娠、深部静脈血栓の有無等)

  • 胸部X−p撮影

  • 心電図

  • 血液一般検査

  • 血液型

  • 出血時間、凝固時間、プロトロンビン時間、抗プロトロンビン時間、等

  • 肝機能検査

  • 尿一般検査

  • Trendelenburgテスト

  • Perthesテスト

  • 下肢静脈造影

  • その他の機能検査

治療
 手術は、一次性のものに行なう。二次性のものには禁忌
 1.保存的に弾性ストッキング・包帯を着用、安静、患肢挙上
 2.ストリッピング、不全交通枝結紮・切除術
 3.静脈瘤硬化療法
術後の経過と管理
 術後の一般的な検査は、他の疾患と変わらず必要に応じて血液一般検査、肝機能検査、胸部X−p撮影、心電図等を行なう。患肢に対しては術直後よりBraun架台や枕等による患肢の高挙、圧迫包帯の着用、抗生物質の投与を行ない、包帯交換は第2ないしは第3病日に行なう。歩行は第1病日より可能となる
 1.精神的サポート
創跡、創部皮下出血、浮腫によりボディイメージの障害をきたす可能性がある。いずれも術後一時的なものであることを説明しておく必要がある。
 2.疼痛の管理
十分な除痛によりADLの拡大を図る
 3.創の処置
術前より皮膚の低栄養状態をきたしている場合や炎症部位の皮膚切開の場合は、創治癒の遅延や感染を起こしやすい。体動によるガーゼ除去や、排尿時のガーゼ汚染に注意する。
 4.静脈還流の促進
下肢全体の組織損傷が多く、リンパ還流が障害され、うっ血を生じやすい。術後1ヵ月以上は圧迫が必要である。
 
術後合併症
 1.出血
ストリッピング直後の不適正な圧迫か、圧迫時間の不足によって起こる皮下出血であり、血腫を形成するので創を縫合閉鎖する前に重ねたガーゼを転がすようにして血腫を創外に誘導しておく。多少の皮下出血は手術の性質上やむをえないが、3〜4週間後に吸収される。

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