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関連図「パーキンソン病」

今回は実習課題でも特に苦労する関連図についてまとめていきたいと思います。その前にパーキンソン病のポイントを軽くまとめていきましょう。

ポイント

[基本]

脳の脳幹部(根元のところ)に、黒質(こくしつ)と名づけられた神経細胞がたくさん集まっている部位がある。 黒質は長い腕を伸ばして、大脳の線条体と呼ばれる神経細胞のかたまりに情報を送る。情報を伝えるのは、黒質でつくられるドパミンという物質である。線条体は、運動や動作がスムーズに行なえるように調節している部位である。ここでは、ドパミンとアセチルコリンという 2 種類の物質のはたらきがうまくバランスをとり、運動が滑らかに行なわれるようにしている。ちょうど、シーソーの両端にドパミンとアセチルコリンが 乗って、バランスをとって、シーソーの平行状態を保っているようなものである。黒質に損傷が生じ、つくられるドパミンの量が減ると、相対的にアセ チルコリンの量が増えたのと同じことになり、バランスが崩れてしまう。その結果、動作をスムーズに行なえなくなり、さまざまな症状が出現してくる。 黒質が損傷を受ける原因は、まだ解明されていない。 [症状] 四大徴候(①~③を三大徴候というが、④を加えて四大徴候という人もいる)を押さえる。

①安静時振戦 規則正しい、小刻みな動きが見られる。手の震えによって気づかれることが多く、紙幣を数えたり、指先で物を丸めたりするのに似た手指の異常運動が おこる。このような震えは、動いているときよりもむしろ、イスに座って膝に手を置き、じっとしているときに起こりやすい。

②筋固縮 筋肉の緊張度が高まったもので、手を例にとると、握手をして、手首を軸にして回転させると、ちょうど、歯車を回したときのようにがくがくと抵抗を 感じる。首の筋肉がかたくなると、寝ているときに枕をそっと抜いても、首が宙に浮いたままになる。

③無動 顔の表情を変えずにじっとしている。例えば、診察を受けに病院に行き名前を呼ばれても、なかなかイスから離れることができなかったり、歩くにして も、前かがみの姿勢で、狭い歩幅でゆっくりと小刻みに歩く。

④姿勢保持障害 立った状態で、胸をちょっと押すと、普通であれば、のけぞるのと同時に、反射的に足も後ろに下げるので転ぶことはないが、パーキンソン病の場合は、 足を後ろに下げる動作が追いつかず、足が元の位置のままなので、後ろに転倒してしまう。

[治療]

薬剤による治療が中心となる。治療に用いられる薬剤(パーキンソン病治療薬)には、次のようなものがある。

不足しているドパミンを補充する薬(レボドパ剤など)

ドパミン伝達系のシナプス受容体を刺激して反応しやすくする薬(塩酸タリペキソールやメシル酸ペルゴリドなど)

不足しているドパミンの放出を促進させる薬(アマンタジン)

アセチルコリンのはたらきを抑え、バランスをとる薬(抗コリン薬など) どれか 1 種類の薬を処方する医師もいれば、2、3 種類の薬を処方する医師もいるが、これは、それぞれの経験や考えに基づいてのことである。

[副作用]

パーキンソン病の治療に用いられる薬の副作用には、脳の症状(幻覚、妄想、不安、興奮など)、消化器系の症状(嘔気、嘔吐、胃部不快感、下痢、食 欲不振など)、自律神経系の症状(口が乾く、便秘<パーキンソン病自体、便秘をおこしやすい>、動悸など)、皮膚の症状(発疹)がある。 [その他] パーキンソン病の重症度として、「ヤールの分類」がある。 今日は調子が良いから服用をやめるとか、半分にする、あるいは、きょうは調子が悪いから 2 倍飲むという飲み方は良くない。 とくに長期間服用してきた人が急に服用をやめると、発熱、意識障害などの重い症状が現われることがある。これを悪性症候群といい、適切な治療を受 けないと、生命にかかわることがある。 同じ悩みをもった人々と交流し、お互いにはげまし合うことも療養の支えになる。ただし、病気の暗い面だけを話し合うような情報交換の場にしないように注意すべきである

[関連図]

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