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禅問答をするように自分を見つめる

「自分」という存在について、僕自身が実は他人よりも余計にわかっていないのかもしれない。「自分」という存在は、もちろん僕にとっては当たり前の存在で、頭の中でイメージしている自分と、物質として存在している自分は同一であるという実感を常に持っているので、その存在について知らない・わからないことがあるなんてことは基本的によっぽど意識していないと認識することは困難でしょう。自分が生まれ落ちた社会・環境の中で生活し成長していくうちに、アイデンティティが形成され、自分は自分であるという認識・感覚が育まれていくことで、当たり前に自分を自分として認識しているですから。

ですから、自分が感じていることや、口にしていること、行動なんてものは自分の意志によって、自分がそうしたいからやっていると感じている方が多いのではないかと思います。しかし、それによってストレスを感じ、心身が疲弊していくような経験がある方も多いのではないでしょうか?

そんな時、自分自身の内面に目を向け、なんで今このように考えているんだろうか?それは自分にとって良好な結果を招くものなのか?別の考え方や方法はないものか?そう言ったことを考え抜くことで、現状の構造を理解し対策を考え、行動することができるようになるのではないかと思います。

そこで、今回は自分の内面に目を向け、自分にとってbetterだと思える(可能性のある)考えに至るきっかけになればと思い、以前に読んだ本を一冊ご紹介したいと思います。

こちらは、紀里谷和明さんの書いた作品です。紀里谷和明さんとしては映画監督として認知されている方が多いかもしれません。(僕はそんな認識です。キャシャーン見ました。)本も書いてるんですね。

紀里谷和明
映画監督・写真家。1968年、熊本県生まれ。04年に自らタツノコプロの代表に直談判して実写化の権利を獲得し撮影したアニメ『新造人間キャシャーン』の実写版映画『CASSHERN』を発表した後、09年には主演に江口洋介を迎えた『GOEMON』を公開。15年にはクライブ・オーエン、モーガン・フリーマン出演の映画『ラスト・ナイツ』で監督としてハリウッドデビュー。15歳の時に単身渡米し、94年に写真家としてニューヨークを拠点に活動を開始。米『VOGUE』誌などのファッション誌をメインに活動し、日本では、SMAP「らいおんハート」、Mr.Children「NOT FOUND」などのCDジャケットを撮影。その後THE BACK HORNのデビュー曲を皮切りに、宇多田ヒカルの「traveling」、「SAKURAドロップス」、「光」などのミュージックビデオを手掛けた後に映画監督へ。現在は、天童荒太の小説「悼む人」のハリウッドでの実写版映画の撮影を控えている。

Twitter:@kazuaki_kiriya

この本の装丁を見るに、小説のような印象を持って開いたその本の中身は、自分が想定していた内容とはかけ離れたもので、いわゆるビジネス書などに分類されるようなものとは少し異質な感じの、でも自己啓発本のような内容のものでした。

本の内容に関して簡単に説明をすると、

悩みの抱えた若者が主人公になっている話が5編書かれています。そして、主人公ともう一人の登場人物として、古びた劇場の支配人(初老の男性)が全ての話の中に現れる。全ての話の内容は、悩む若者が劇場の支配人と問答を繰り返していくうちに、自分自身を知っていく。これは、全編を通じて共通している構造です。

そして、その内容の大半は主人公と支配人の問答(会話文)になっていて、その問答を通して、主人公が自分の内面に目を向け、考え方や価値観が変化していく様が描かれています。

その中で繰り返し強調されて伝えられていたのは、『自分の内面に目を向け「本当にそれでいいのか?」と問い続け、考え続けることの大切さ』ということだど認識しています。そして、その考えた答えを実行しまた考える。

自分という当たり前の存在の営みは、注意して意識を向けていないと、実は途端にわからなくなってしまうものなんだと思います。脳は習慣的に当たり前になった物事に対してエネルギーを使わないようにできています。効率的ではないですからね。ただでさえ、エネルギーを大量に使う臓器です。

だから、時にそういう当たり前の価値観や考え方に意識を向けて、「それ本当?」って問うてみる。人の価値観は必ず過去の経験のなかで、なんらかのきっかけがあって形成されているものだと思います。過去を振り返れば問いの答えらしきものがいくつか見つかるはずです。それらを掬い上げて、考え、正解かどうかわからないけれど行動に移してみる。その結果は、良好なものとは限らないけれど、現状を変えない・動かないことに比べると、いくらかマシなんじゃないかなと思います。

この本は、答えを提示してくれるものではありませんでした。しかし、物語の主人公たちはみんな「答えらしきもの」を見つけて行動しました。その結果、どうなったかはほとんど触れられていませんでしたが、主人公たちは前進していました。その結果、悩むことがあってもそこに進むことができたのは、経験を振り返り、自分の感情に目を向けたからだと思います。

実はこの本に登場する支配人のモデルになっているのは、著者の紀里谷さん本人だそうです。自分の経験した悩みや葛藤を、文章を通じて伝えたい。そんな著者の思いを感じました。

みなさんも、自分自身に、感情に、意識を向けてみてはいかがでしょうか?

「本当にそれでいいの?」と。

【参考文献】


※本記事は、あくまで私が書籍を読んだ上で咀嚼し、私というフィルターを通して表現しています。よって、基本的には私の個人的見解を多く含んだ内容になります。その点ご了承いただいた上で、ご興味を持っていただけたのであれば、是非、参考書籍を手に取っていただければと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。       

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