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僕とポンタさん。

なんかポッカリと心に大きな穴が開いたかのようです。たきもとです。

こんなニュースが飛び込んできました。

紛れもなく一時期日本の頂点にいたドラマーです。世界的にも有名で、なによりすごいのがレコーディングした曲数が世界一というところ。

どれだけ売れっ子かわかりますね。

そりゃク○リにも手を出すわな(若かりし頃のオイタです^^)

とにかく素晴しいドラマーで僕も大好きな方でした。

名演奏が多すぎて代表作を挙げられないのですが、僕の中でポンタさんの印象が強いのはこの3つかな。

■ベストサウンド

一つはNHKで放送されていたベストサウンドに渡辺香津美さんのバンドで出演されたときのポンタさん。

もうめちゃくちゃかっこよかったなー。

それまでフュージョンといえばカシオペアみたいなカッチリしたサウンドに慣れ親しんでいたので、ポンタさんの自由なアプローチは新鮮でした。

そしてしなやかなフォームでさまざまな魅力的なフレーズを繰り出す華やかさに憧れました。

「ユニコーン」はポンタさんが叩いているバージョンが一番好きです。

ドアタマのフィルインでもうやられたー!って感じです。カッコ良すぎ。

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■泉谷しげる with Loser

もう一つポンタさんの印象が強いのは泉谷しげるさんのアルバム「90'S バラッド」でのポンタさんのプレイですね。

曲も素晴しいけれどとにかく演奏が素晴らしくて夢中になって何度も聴いた記憶があります。

当時確かイベンターさんのツテか何かで、泉谷さんのコンサートを観に行くことができたのですが、もう本当に最高でした。

歌モノなのにめちゃくちゃ攻めたプレイがとても印象的で単に歌を立たせるだけのドラミングではないところが、当時プロになりたての自分としてはいろいろ考えさせられる部分でした。

途中なにかのフィルインがあまりにかっこよすぎて、一緒に観に行ったローディーさんと腰を抜かしそうになった記憶があります。

それくらいすごかったです。

■The Dalmatians

The Dalmatiansさんはボーカルのお二人と知り合いだったこともあって、いつかライブを観に行こうと思っていたのですが、たまたまあるリハーサルのあとにポッカリ時間が空いたので、三軒茶屋のグレープフルーツムーンまで勢いで観に行きました。

ポンタさんを間近で見たのはこれが初めてでしたが、狭いライブハウスにも関わらず結構ガンガンに叩きまくっていました。

僕はここのライブハウスは何度も出演しましたが、いつも「ドラムさん、音が大きいので下げてください」と言われ続けてきたので結構音量バランスに気を使う小屋だったんですね。

でもこの日のポンタさんは明らかに僕よりも大きな音で叩いているんですよ。

でも全然うるさくないんですよねー。あれが不思議でした。

葉巻を吸いながら登場したりしてダンディーでめちゃくちゃカッコよくて、ドラムプレイは当然のごとく最高で、本当に良い思い出となりました。

とっさに観に行く決断をした自分を褒めてあげたいです。

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というのが僕にとってのポンタさんの思い出ですね。あとは何気なしに聴いてきた歌謡曲のバックで間違いなくポンタさんが何曲も叩いていたはずなので、知らぬ間に僕らはポンタさんのサウンドに慣れ親しんでいるんですよね。

僕がポンタさんのすごく好きなところは、何歳になっても挑戦する姿勢を崩さないところ。

普通はセッティングは「叩きやすさ」を重視するので、だいたい基本的な部分のセッティングは固定化してくるんですね。

それに歳を取るとドラムセットはどんどんシンプルになっていくもんなんですよ。

でもポンタさんはやりたい音楽とか欲しいサウンドとかが次から次へと出てくるらしく、一向におとなしくなる気配がない(笑)

毎回とんでもないユニークなセッティングのドラムセットでカッコいいプレイをバシバシきめてました。

あとはチューニングとかヘッドの選定もいわゆる常識的なものに収まらずにいつも新しいことに挑戦していたように思います。

スネアドラムにピンストライプのヘッドを張るなんて普通はやらないと思うんですが、ポンタさんがやっていたので僕も一時期真似していました。

あまりに破天荒で共演した人から

もう二度とポンタとはやりたくない!

と言われることもあったと聴きます。確かに遅刻の常習だったり、現場でお酒を飲んでしまったり、名演奏の陰でグダグダな演奏をしてしまったこともあったようです。

けれどそういう人間臭いことも含めてすべてポンタさんの魅力だなと、今は思えるんですよね。

ポンタさんのおかげで当時の日本の音楽は10年は先へ進んだと思いますよ。

本当に素晴しい思い出をありがとうございました。

安らかにお休みください。

今頃、天国で大村憲司さんとセッションしてるのかな?


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