列車で気仙沼に行きたくなったので行った
色々大変な事が片付いていたり、中長期の問題や悩みを抱えていた10月の末。
海を見ろと言われていたのを思い出して海を見たくなったので、折角ならということでゆっくり行ったことのなかった気仙沼市へ行ってきました。
計画
気仙沼といえば宮城のほぼ最北に位置していて、シンプルに遠いです。
距離にして大体100~150kmほどですがもうバイクは寒くて乗りにくいし…ということで列車を駆使して行くことにしました。
問題は、完全に直通というルートはないので乗換が必要。そしてローカル線のため本数は間違いなく多くない。そして、震災の影響を受けた路線はBRTの仕組みを利用してバスに置き換えられているため時間が読めない。
そして時刻表で見てみると…。
トータル4時間。うち乗り換えで1時間ぐらい待つので3時間弱というところでしょうか。列車よりBRTに乗ってる方が長い。
直行のバスも出ているのでそれも考えましたがそれも面白くない、ということで、この苦行のようなルートを選択しました。
ちなみに帰りは考えていませんでした。
いざ列車で出発
ということで朝になったのでそそくさと家を出て駅に向かいます。
上の画像を見てもらうとわかりますが、全区間通して2400円かかりますので、お得な切符の出番です。
南東北フリーエリアの切符を入手。よく見たらいわきとか入ってないなと思いつつ、今日はこれで過ごします。片道だけでほぼ元が取れちゃって、往復予定であればほぼ確実。
普通の券売機では買えず、指定席券売機で買えました。Suicaで列車も新幹線も乗っていて、あまりお世話にならなくなりました。
コンビニで待ち時間に食べる朝食を買い込み、早速最初の列車に乗り込み、東北本線で北へ向かいます。
早朝の田舎に向かう列車に久しぶりに乗りましたが、朝帰りの人か、元気な学生しかいませんでした。
車窓を眺めつつまったりしていると、外が明るくなってきた頃に小牛田駅に到着しましたので乗り換えます。
ここからはドローカル線になります。とはいえ列車が来るまで時間があるため、外でご飯を食べつつ待ちます。ちなみに上の写真には書いていませんがワンマン運転でした。
目の前はこんな感じで何もありません。改札の外に出ても何もないので、待つしかありません。
そして列車に乗り数駅進み、すぐに気仙沼線に乗り換えます。BRTの直前までは線路があるため、そこまでは列車です。一日数本しかない上に、乗った時点では人も数人。
動いてもらっているだけ有り難いということで。ちなみにこの椅子、ペダルを踏むと回転するというギミックがあるのですが、それがギーギー鳴ってうるさかったです。
BRTへ
そうしているうちに、BRT乗り換えの駅に到着。とはいえここでも微妙に待つのですが。
上の進入禁止から先がバス専用道路のようなのですが、なんか自動運転の実験で使われるらしく、一定区間は普通に道路を走っていました。
ちなみにバスはこんな感じで、本当にバスでした。システムも真ん中から乗って前から降りるので、地元の人からすると親しんだシステムでした。
しばらく待つと動き出してバス停まで来たため、乗り込んで出発。ここから2時間のバスの旅が始まります。
出始め…というかしばらくは普通の道路を走るため、ただの路線バスです。ちなみにこの先も一般道に入ったり専用道に入ったりを何度かしていました。道の駅やら商店街に寄ったりしているので、その前後で切り替えるようです。
そして乗って時刻表を見て気づいたのですが、BRTは列車や他区間のBRTとの接続を全く考慮していないという話。
確かに時刻表を見ると、乗換が1時間ぐらい待ったりするので、全然考慮されていなくて大変で、帰りも考えないと動かないといけなそう。
まぁ死ぬわけじゃないしな~と思いつつ外を眺めていましたが、景色は最高です。だいたい南三陸のあたり。
…という感じでのんびりうたた寝をしつつ乗っていると、聞きたくない音声が鳴り響き(↑で察してください)何事かと見てみると原子力がどうのこうの…。
よく見ると訓練ってありまして。どうやら当日は原発の避難訓練があったようで、こんな感じのアラートがあと3~4回ぐらい鳴ってました。勘弁してくれ。
アラートにびびりつつある中、いよいよバス専用道路へ。特に何もなく、シンプルにそれ用の道路に入っただけでした。
その後は特に何もなく、専用道路を上りのバスとすれ違いながら、時間に遅れることもなく着々と北上、ついに気仙沼へ到着しました。
まずはお酒
到着したものの、いきなり海側ではなくしばらく歩く必要がありそうでした。
まずはどこに向かうか、それも考えていないという体たらく。そういえば気仙沼にはいくつか酒蔵があったのでまずは行ってみようということに。
方向を間違えると一関の方に行ってしまうので、地図アプリを確認しながら向かいます。
さすがに道中は観光客のような人も少なく、ほぼ地元の人ばかりでした。途中青空マーケットみたいなのもやっていて、ローカルな雰囲気がありました。
そして着いたのは男山本店の魚町店舗。ここは震災の時に三階部分以外が倒壊したのですが、地元の要望もあり復刻したという話でした。
いろいろ試飲もやっていて、飲んだり話したりしているうちに気が大きくなり、四郷瓶(720ml)1本だけのはずが2本買ってしまいました。これを10時間近く持ち運ぶハメになり大変。
街ブラ
買い物は済みましたがお昼にはちょっと早いため、少し散策します。店舗の目の前からは海で、漁港があったりしていよいよ港町の雰囲気がすごくなってきました。ここからは徐々に人も多くなりつつあります。
気仙沼湾横断橋も見えてきました。ちなみにこれは三陸道の橋で、前に渡ったときは走りがいがありました。橋の左奥に見えるアーチ状のものは、気仙沼大島大橋です。復興関連としてこの2つの橋ができ、交通は大きく変わった、という話でした。
飯と食い物
歩いているうちに魚市場の方面に付き、隣接している海の市に着きました。ここで昼を食おうかと思ったのですが、海鮮丼やお寿司はありきたりだし、かといってそれ以外もあまりなく…。
そう思い適当にマップで見てみると、高評価の定食があり、ここの近くだったので向かいました。
歩いて5分ぐらいで着いたのが鶴亀食堂というお店。漁師さん向けに朝からやっていて、近くの公衆浴場も管理しているという話でした。
で、色々美味しそうなのがありましたが、チョイスしたのはメカジキのカマ煮とお刺身がセットの定食です。カマ煮は味付けが絶品で、身もトロトロで最高でした。多分ご飯何杯でも食べられる。もちろん刺身もうまい。
ここ最近で最高の定食を食べた後、再び海の市に戻ってお土産を買い込みました。
また散策
その後は腹ごなしも兼ねてまたしばらく歩きます。とはいえただ歩くだけではなく、折角なので街の歴史案内のようなのを見ながら歩きます。
そして着いたのは浮見堂という桟橋です。そういえば紅葉シーズンだったというのもあり、映えていていい感じです。
海の反対側から見るとこんな感じで、右下が浮見堂です。
近くには恵比寿様の像がありました。これは3代目だそうで、2代目は高台にある神社の近くにありました。理由は看板に書いてありましたが、それは見てのお楽しみということで…。
そして、その高台から見るとこんな感じです。
さて、この時点で時間的には良い感じなのですが、肝心の列車とバスの接続が悪いという問題に直面します。
もう数時間ギリギリまで過ごすか、早めに帰るか、早めにしても待ち時間が長く…。
で、色々検討した結果、途中にある道の駅2ヶ所に寄って、色々見て調整をしつつ戻る、ということにしました。
寄り道しつつ戻る
ということで、またまた散歩をしながら進みます。徒歩で行けるスポットにも限度があるのでこれぐらいで丁度いいかもしれません。
折角なので、気仙沼駅には戻らず、少し先の駅からバスに乗ることにしました。
ということで丁度いいバスも来たので乗り、最初は大谷海岸の道の駅で時間を潰します。何度か来たことはありますが、その日も大賑わい。
カフェでアイスを買って食べたり、買い物したりして次のバスを待ちつつ過ごします。
その後は1時間ほど乗り、南三陸さんさん商店街と、隣接する新しい道の駅に寄ったりします。
新しい道の駅はどちらかというと観光案内所や、震災からの復興の軌跡を紹介している施設がメインでした。確かにお土産や飲食はとなりの商店街にあるので、バランスは取れてそうです。
ここの滞在時間はあまり長くなく、あっという間に次のバスが来ます。
既に時間的には夕闇が近づいてきており、バスに乗っているうちにだんだん暗くなってきました。
そしてまた列車をいくつも乗り継ぎ、19時前に仙台駅まで戻ってきました。
ほぼ列車やバスに乗りっぱなしで肝心の観光時間はあまり長くありませんでしたが、散歩もできたり美味しいものが食べられたりと、いい気分転換になったので良かったです。いろいろお店もできていて、少しづつですが復興が進んでいるというのを改めて実感させられた旅行でもありました。
お疲れさまでした。
次の日は疲れすぎてほぼ死んでいました。