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世界の潮流 - 欧州の右傾化

7月7日に実施されたフランス国民議会選挙では、左派の政党連合である新人民戦線(NFP)が最大勢力に躍進しました。この時Xでは #RIPFranceがUSのトレンド入りしました。

選挙結果は下記のようになっています。極右政党が首位になることを防ぐため、中道政党が左派政党と共闘した結果左派政党が国民議会で第1党となりました。

フランスでは7日、6月30日の国民議会(下院、定数577議席)選挙の初回投票で勝者が決まらなかった約500の選挙区で決選投票が行われ、日本時間の8日未明時点の出口調査によれば、初回投票で二番手につけた左派連合・新人民戦線(NFP)が172~192程度の議席を獲得し、逆転で議会の最大勢力となった模様(図表1)。大統領を支持する中道政党で構成される与党連合・アンサンブル(ENS)が152~158程度の議席を獲得し、改選前の最大勢力から転落したものの、初回投票の三番手から二番手に浮上した。初回投票で首位につけ、政権奪取の機会を窺っていた極右政党・国民連合(RN)は、138~145程度の議席獲得にとどまり、三番手に沈んだ。

https://www.dlri.co.jp/report/macro/347978.html

今回の選挙では極右政党が第3党となりましたが、極右ブームが収まる気配はありません。大きな争点としては移民問題でしょう。

欧州ではここ数年、ロシアとの戦闘が続くウクライナからだけでなく、北アフリカや中東諸国からの移民の流入が再び増加している。

https://www.dlri.co.jp/report/macro/300359.html

元々冷戦終結以降リベラル化しダイバーシティの取り組みを重視してきた欧州ですが、近年急速に増加する移民によって欧州各国の文化や宗教観が既存されるという危機感があると思います。2021年統計ではフランスの総人口の10.3%が移民であり、多くは北アフリカや中東諸国などのイスラム圏から来ています。今後も移民の流入が続き、出生率も高いためさらに移民比率が増えていくことが予想されます。日本の人口に占める移民比率は2.2%程度であり、難民受け入れや不法移民がほとんどないことを考えると、日本と欧州の移民に関する状況は大きく異なるでしょう。