電磁的記録---デジタル刑法 基礎(「法学教室」June2021No.489)

(先日の勉強会で、弊学の小名木先生が「法学教室」2021年6月号に寄稿との情報をお知らせいただきました。また、千葉大学の西貝吉晃先生がデジタル刑法に関してご解説記事を執筆されているとのことでした。以下はその記事のメモ。)

電磁的記録: デジタルデータであるコンピュータ・データのうち媒体に保存されていて、直接知覚できないもの、を主として検討する。メモリ上の処理中のデータは記録性の要件を満たさないので、電磁的記録ではない。

刑法161条の2 電磁的記録不正作出等罪 (1987年の刑法改正により新設)文書偽造等の罪の電磁的記録版、とみなせる。有形偽造無形偽造とを区別しないところが、文書偽造罪と異なる。

不正指令電磁的記録に関する罪(サイバー犯罪条約6条の国内法化の意味合い)コンピュータ・ウイルスなどの一定のプログラムの作成などを禁止。コア概念は不正指令電磁的記録であり、反意図性と不正性が2つの満たされるべき要件。ただし、ポップアウト広告には反意図性がないとされるが、規範的判断に恣意性が紛れ込むおそれがある。


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