割り戻し(undiscounting)関数=時間とqを反転させた割引関数 for 指数・双曲割引両方

時間割引関数D(t)に対して、
D(t)[UD(t)]=1 for any t
を満たすtの関数UD(t)
をこのページではundiscounting、割り戻し関数と呼ぶことにする。

指数割引exp(-kt)は、時間反転させた関数exp(-k(-t))をかけると1になる(割引しないものに戻る)。しかし双曲割引1/(1+kt)に時間反転させた関数1/(1+k(-t))をかけても1になってくれず、(1+kt)という関数をかけて[1/(1+kt)](1+kt)とすれば元に戻る(1になる)。「双曲割引に対して(1+kt)という関数を用意した」ことは実は時間反転と「qの1の周りの反転」という二つの反転操作を同時におこなったことに相当する。指数関数はq=1なので、「qの1の周りの反転」をしてももとの指数関数のままなので時間反転するだけでUD(t)になるのである。以下にこのことの数式による証明を記す。

(以下の行動経済学的に興味深い結果は
q-指数関数の性質のq=1(指数割引)とq=0(双曲割引)の特殊な場合にすぎない。一般のqーーーつまり指数割引(q=1)と双曲割引(q=0)の両方の性質をもつ中途半端な割引関数q=0.5(「半双曲割引」 "half-hyperbolic discounting"=1/[1+kt/2]^2とでも呼べばよいだろう)などでもこのこと=「tとqの同時反転が割り戻し操作に対応する」は成立する)


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