見出し画像

社会的資源の無駄づかい:Bullshit Jobの問題点②

久しぶりのBullshit Jobシリーズです。

Bullshit Job、つまり、「社会的に無意味で、その仕事がなくなっても何の影響も社会になくて、しかもその仕事をしている本人がそれを自覚しながらやっているような仕事」に高学歴の人が多く就き、高収入を得ているという現状があることを以前取り上げたところ、結構な反響がありました。

そして、そういう状況の原因は何なのかということや、そもそもBullshit Jobの蔓延の何が問題なのか?ということを考えたりしました。

今回は、Bullshit Jobの何が問題なのか?という記事の第二弾です。

まず、Bullshit Jobの蔓延は、Bullshit Jobに従事している人のメンタルヘルスによくないです。そのことはこの記事で取り上げました。

Bullshit Job蔓延が及ぼす社会的な問題

が、より大きな問題は、そういう個人の話より、社会にとっての資源の浪費、という問題だと思います。

高学歴の人が無意味な仕事をしていて高収入を得ている。これは、2重の浪費を生み出しています。

高学歴の人たちには社会的な資源が投入されてきた

まず一つ目の浪費は「高学歴の人が無意味な仕事をしている」という点です。高学歴の人が皆優秀で社会の為になるような仕事ができる、とは限りませんが、その傾向は高いでしょう。一応知的な能力は高いということだと思うので。

そういう人たちが、無意味な仕事をしている、というのは社会的に望ましくないのは明らかです。高学歴の人達には多くの社会的な資源が投入されてきています。国公立大学を出た人なら、学費が安かった=税金で大学の運営の大部分がまかなわれていた、ということですし、私立大学にも助成金という形で税金が突っ込まれています。

そう、税金をつっこんで優秀な人を育てたら、その多くの人が無意味な仕事についちゃった、という、なんというか茶番が起きているんです。

社会的資源の最適な分配の失敗

二つ目の無駄は「無意味な仕事をして高収入を得ている」という点です。個別の企業が無駄な仕事をしている人に高収入を与えるのは、「どうぞご自由に」ということかもしれませんが、社会全体としてみると、資源の最適分配に失敗している、と言えるかもしれません。

本当に意味のある仕事をしている人たちに資源(お金)が分配されず、Bullshit Jobをしている人たちに資源(お金)が分配されてしまうと、本当に意味のある仕事をしている人たちは、「なんだよ俺もBullshit Jobに転職して高収入得ようかな」ということで、意味のある仕事に従事する人が減ってしまうかもしれません。

今後のチャレンジ:政府と市場はどのように資源を最適分配できるか

もちろん、上記の議論は「意味のある仕事ってそもそもなんなの?」とか、さらには、「意味の意味ってなに?」という哲学的な議論に発展すると思うので、深入りは避けますが、「資源(知性という資源を含む)をどうしたら社会に最適配置できるんだろう?」という問いは面白いものだと思います。

資本主義は(少なくとも共産主義よりは)資源を最適分配できるものとされて、多くの国が導入しているシステムかと思いますが、それをちょっと見直してみるのも面白いのかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?