【Suno AI】生成AIの著作物、自治体はどう使う?
AI技術の進化の速さには驚かされてばかりです。最近では、AIが音楽を作ることも珍しくありません。特に最近は、Suno AIというサービスが話題になっています。
自治体においても、市歌、健康体操、盆踊りやダンスに合わせるなど、音楽を作るニーズが、それなりにあります。
例えば、公式キャラクターのテーマソングの場合はどうでしょう。AIで作成された楽曲が応募されたら?
どのように審査すれば良いのか、著作権はどうなるのか。
公式ソング応募を想定した楽曲を、実際にSuno AIで生成しながら、この問題を考察していきます。
音楽を作るAIを実体験
Suno AIは、曲を生成するサービスです。
曲のスタイルや歌詞を文字で入力すると、そのスタイルに合わせた楽曲と歌詞を歌声にして生成することができます。また、スタイルや歌詞自体を自動で生成することもできます。
歌詞とスタイルの生成
日本語の歌詞生成はうまくいかないようなので、歌詞とスタイルをChatGPTに生成させます。生成する歌は、現在募集中のこちらを想定したものにします。
うなぽんのプロフィールや湖西市の観光名所をプロンプトに含め、歌詞を生成。
[サビ]
うなぽん、ぽんぽん、浜名湖から来たよ
ぽんぽん跳ねる、笑顔のうなぽん
チャックとしっぽ、見えてるよ
みんなで歌おう、うなぽんの歌
[1番]
ぽんぽんとね、湖西市を探検
ぽんぽんとね、遊びに行こう
うなぽんと一緒に、楽しい冒険
ぽんぽんとね、みんなの友だち
2番
浜名湖の波間で、うなぽんは遊ぶよ
アマモの海、さかなたちと
アサリ、カニと一緒に、ぴょんぴょん跳ねる
海のゆりかご、笑顔の宝箱
3番
新居関所、歴史の旅へ
うなぽんと一緒に、探検しよう
豊田佐吉記念館、知識の冒険
湖西の魅力、一緒に見つけよう
ダンスを作成し、こども園や学校、地域の行事で活用するとのことなので、スタイルも生成。
a lively, rhythmic melody with a pop or children's music style
Suno AIでクリエイト
ちょっと調整して、Suno AIのアカウント登録も含めて、合計2時間くらいで完成。
自治体での利用は?
サービス約款の確認することが重要
利用条件は、約款に書いてあります。約款サービスすべてに言えることですが、最新の約款に従い、使う必要があります。
自治体がそのまま使っても問題なさそう
このサービスで生成した音楽の場合、自治体であれば、そのまま使っても、ライセンス的には特に問題なさそうです。ただし、Sunoに権利が帰属する旨を表示する必要があるようです。
基本的にはSunoが全ての権利を持っていて、非商用(non-commercial purposes)の場合は、利用が許可される仕組みになっています。
ちなみに、商用利用したい場合は、有料アカウントを契約します。有料アカウントで生成したものは、Sunoが生成したものの権利を譲る仕組みになっているようです。
自治体での利用シーン
自治体が主催する、盆踊りや健康教室などで、オリジナルの楽曲を使いたい場合は、作詞家、作曲家に依頼する必要がないため、もしかしたらこれが一番手軽な方法かもしれません。
また、生成したものを参考にすれば、打ち込みも容易です。生成したものを参考に打ち込みをしたものは、その人の著作物と言えるので、ライセンスの問題を考えずに使用できると考えられます。
悩みそうなのは、公募して審査するパターン
普通に作られた楽曲でも、それがオリジナルの楽曲なのか、そうでないのかを確認するのが困難ですが、さらに生成されたものを審査する場合はサービスの約款まで確認しなければならないかも…。
こうしたことを未然に防ぐためには、生成AIサービスを利用して作成した音楽は、サービス約款上問題ないことを応募者が確認することを、募集要項などで明記するなどの対応が必要になってくるかもしれません。
AIによる著作物が増えることで、著作権の問題も複雑化しています。AIが作った著作物の著作権は誰に属するのか?もしかすると、応募者ではないかもしれません。
これらの問題は、私たちがAI技術を受け入れ、活用する上で重要なポイントになります。
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