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炎上系Youtuberが伸びる仕組み

 今回は炎上系Youtuberが伸びる仕組みについて取り上げる。
皆さんは炎上系Youtuberと言えば誰を思い浮かべるだろうか?

・シバターさん

・コレコレさん

・ゆたぼんくん

ここら辺は1度は聞いたことがあるYoutuberであろう。

多くのSNSを扱う人たちが恐れる「炎上」。
彼らはこれを華麗に操り、炎上を用いて多くの視聴者を獲得することができている。

 そんな危険と隣り合わせな彼らは、何故いまでもYoutube活動を続けることができるのだろうか?
彼らの背後に潜む「炎上」を私なりに分析したので、今後、Youtuberを目指す人たちの糧になってくれれば幸いだ。


1.共感性を持つ

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 炎上系Youtuberは世の中の共感性を捨て、世の中の考え方とは異なった主張を行い、炎上させようとしているYoutuberがほとんどだろう。他人を批判する。他人を馬鹿にする。小学生が不登校を推奨してYoutube活動をする。家族内で卑猥な行為をする。など、どれも共感しがたい内容であることが多い。しかし、私が思うに彼らこそ、誰よりも共感に意識を向けていると考えている。

 炎上と共感。これらは全く別の物に考えられると思われるが共感性は炎上を取り扱う中で最も重要な要素なのだ。多くの炎上系Youtuberは共感性と炎上この二つのバランスを保つことができず、ただ動画内で叩かれるだけで終わってしまう。実は成功している炎上系Youtuberこそ、最も世の中の共感性に敏感なのだ。彼らは世の中に共感しないコミュニティと自分たちに共感するコミュニティのバランスをうまい具合に保っているのである。
 
 例えばゆたぼん君の場合、不登校の小学生というステータスを持ちながら視聴者に対して「学校へは行くな!」とかなり過激的な発言をしている。彼は決していじめられたわけでもなく、虐待を受けたわけでもない。ただ単に、学校の課題を行うのが嫌だと感じただけである。誰が聞いても子供のわがままであり、学校へ行くべきことは明白である。

 しかし、面白いことに、この主張に共感できるコミュニティも確かに存在したのである。それは日本の小学学校の制度に疑問を持った者たちである。「彼らの主張は小学校へ行ったからといって人生が決定されるわけではない」、「むしろほかの小学生よりも全世界に自分の主張を問いかける事ができる時点で他の子どもたちよりも立派である。」という意見だ。彼らの主張もまた間違っているとは言い切れない。

 ここで重要なのは、内容よりも別々の共感性を持つコミュニティが少なくとも2つ以上存在する事である。炎上系Youtuberはこの2つ以上のコミュニティの存在を把握しなくてはいけない。そのコミュニティのうち、少なくとも一つに自分が所属する必要性があるのだ。2つのコミュニティが互いに良いバランスなら結果的に良いものを生み出すと考えられる。

2.共感性(5:5)のコンテンツを探せ

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 では具体的にどの程度のバランスが必要なのか?
私が思うにそれは、5:5の割合だろう。これは炎上系Youtuberならだれもが経験するであろう事象をもとに決めている。その事象とはコメント欄の大戦争である。炎上系Youtuberの狙いは何を隠そう視聴回数や視聴維持率よりもコメント回数である。このコメント回数の多さこそ炎上の正体である。

 Youtubeのアルゴリズムはコメント数や評価回数などをもとにエンゲージメント率(視聴者から何かしらの反応がされた割合)を内部に設け、このエンゲージメント率が高いほど関連動画やブラウジング表示されるようにプログラミングされている可能性が高い。中でもコメント数はとても重要な数値となり、動画の評価や視聴回数よりも高い割合で関連動画表示やブラウジング表示に寄与していると考えられる。

 そのことを考えると、この大戦争という事象は自身のチャンネルを多くの人に見せてもらえる広告的役割を果たしてくれるのだ。この大戦争を引き起こしやすい割合がおそらく5:5であろう。しかし、重要なのは必ずしも5:5である必要性はないということだ。というのも現実的に5:5の割合のコンテンツを探すことは至難の業であり、難しいことだ。あくまでお互いのチームが2つ以上のコミュニティが存在すると認識することが大切である。

 例えば、9年前のフォアグラ製造工場の動画を例にあげる。フォアグラの製造方法はかなり残酷な手法で製造されるため、動物愛護団体を含む多くの人たちからの批判が多い。しかし、フォアグラをこよなく愛する者やそもそも動物愛護という概念が人間の利得を邪魔するものであると反対意見を出す者も多い。9年前の動画なのにも関わらず、お互いに意見が対立する頻度が多いため、この動画のコメント欄では今でも彼らの紛争を続けているのである。彼らは自分の主張が正しいと信じてやまず、承認欲求が満たされるまで戦い続けるのである。

 この自然に生まれる承認欲求の戦いが動画のコメント回数を今もなお、伸ばし続けているのである。つまり炎上系Youtuberの本来の目的は、承認要求を満たすことができるプラットフォームの提供と言えよう。そのためにもフォアグラ製造工場のような、2つコミュニティの戦力が同程度のコンテンツを提供したほうがより、大きな戦争を生んでくれるだろう。

3.コミュニティを掛け合わせろ

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 では、そのような共感性(5:5)のコンテンツを探し続けることができるだろうか?それはなかなか至難の業であろう。では炎上系Youtuberはどのようにして共感性(5:5)のコンテンツを生み出そうとしているのか。それは、コミュニティの掛け合わせだと考えている。
 
 何かビジネスを始める時や企画を始める時、レッドオーシャンの中のブルーオーシャンを探すために「コンテンツを掛け合わせろ」と聞かされたことがあるだろう。Youtuberならゲーム×ライフスタイル、プログラミング×遊びといった具合にだ。

では、炎上系Youtuberにおける掛け合わせとは何か?

それはコミュニティの掛け合わせである。

・「他人の悪口や誹謗中傷を良く思わないコミュニティ」

・「マナーに厳しいコミュニティ」

・「著作権や他人の創造物に厳しいコミュニティ」

 これらのコミュニティと共感性が高いコミュニティを掛け合わせることでうまい具合に共感性(5:5)の戦場が完成するのである。

 いい例だと「保育園落ちた。日本死ね」だろう。これはある匿名の主婦が書いたであろう日本の養育費の低さを皮肉った過激な記事であった。「死ね」などと過激な発言をしながらも、まさに当時としては的確な日本の問題を指摘しており、これに共感した主婦は大勢いた。と同時に「死ねとは何事だ」、「自分の不幸をすべて日本のせいにするのはどうかと思う」などこれに相反する意見も存在し、大戦争が勃発。結果的にたった一つの匿名の記事がデモ活動にまで発展し、日本中に注目された事件となった。
 

 このコミュニティを分割すると、

・「日本の養育費の低さを問題視しているコミュニティ」

・「他人の悪口や誹謗中傷を良く思わないコミュニティ」

・「自分の不幸を他人のせいにするのを嫌うコミュニティ」

に分割できるだろう。これらの3つ以上のコミュニティを混ぜ合わせることで、より大きな反響を呼び、新たな炎上という場のプラットフォームを生成した一例であった。

 このようにしてコミュニティを掛け合わせることで、炎上にしたい題材を好きなように拡張することができるのではないだろうか?

4.これからyoutuberになられる方におすすめの本

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本日はコミュニティの共感性という視点を炎上するyoutuberの仕組みとして解説した。

 炎上が反響を呼び、反響が新たな戦場を作り出す。このサイクルを作り上げることが炎上系Youtuberの本来の目的であると考える。そんなコミュニティとSNSの関係性を事例を用いて事細かに解説してくれる本を紹介して終わりにしよう。


 炎上系Youtuberの方以外にも役に立つコミュニティと共感性におけるマーケティングについて詳しく知ることができるので、是非読んでみてほしい。

https://twitter.com/tamago912122/status/1288680030118150145?s=19

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