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シンディ・ローパーが著作権を売ったのに逆に”買った"のだと言っている訳

シンディ・ローバーが自身の楽曲の著作権をPophouseに売却したことが発表されている。彼女はPophouseの創業者でもあるABBAのビョルン・ウルヴァース氏との対談ビデオクリップの中で「I’m not selling, I’m buying.」と言っている。著作権を売るのに、”買う”のだという。これは何故だろうか?

シンディ・ローパーはまた他のメディアに対し「“Most suits, when you tell them an idea, their eyes glaze over, they just want your greatest hits,”」とも言っている。これは何かというと、相手が普通の金融の会社(スーツを着たやつ笑)だと、単にお金目当てなので、新しいアイディアなどには興味がないと言っているのだ。そういう会社に著作権を売るのであれば、単に売ることになってしまう。

それに対し、Pophouseはお金だけが目当てではないのだと言う。同社は著作権に投資をするのみならず、エンターテイメント企業であり、これまでABBAのバーチャルコンサート(ABBA Voyage)やKISSのアバター化を手掛けている。つまり、同社は単に音楽著作権に投資するだけでなく、アーティストの価値を新たな手段で高めるのだ。

これがシンディ・ローパーが”買った”のだと言っている理由だ。Pophouseに著作権を売って彼らが保有することで、一緒に新しい夢のあるプロジェクトを手掛け、自身の音楽の未来に新しい可能性を開くことができる。彼女からするとPophouseを買ったことになるわけだ。

その具体的なプランについては、ABBA Voyageをそのまま真似るわけではなく、”没入型”のシアター作品や、彼女の曲の背後にある物語やテーマを新たな形で表現するようなことを示唆している。シンディ・ローパーの元々のファンにとっては大変楽しみであるし、彼女のカタログとブランドは新たなファン層を拡大して長期的に成長していくのではないだろうか。

過去のアーティストを永遠に生かす取り組みとも言えるし、こういうのをお金が生きる投資と言えるのではないだろうか。