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24歳の栞

自分が14歳の時ってどんなことを考えてたっけ。
7月上旬ふらふらと入った映画館。Twitterで見かけたタイトルが目に飛び込みチケットを買った。「14歳の栞」

14歳、中学2年生35人のクラスの50日間を撮った作品だ。子どもとおとなの中間、そんな言葉がスクリーンに表示される。体をめいいっぱい動かして24時間じゃ足りないほどの毎日を過ごしたり、何でもないようなつまらない日常と思ってスネていたり、ふとしたきっかけで嬉しいこと・辛いことを味わったり。その日々をどう感じ、過ごしたかは人それぞれだ。
大人は宿題なんかなくて家に帰ってぐうたらしてるだけだからいいよな~なんて思いながら、坊主頭の少年だった10年前の記憶が頭の片隅にふと浮かぶ。
学年団長の発案で「〇〇年後の私の人生」とかいう紙を書いた。大学まで進学できるかな、就職して都会で一人暮らししてるかな、家庭を築けてるかな。
人生設計なんていう言葉を使う初めての時間で、将来のことなんてわからねーと思いながら、「俺(私)〇〇歳までに結婚して子供ほしいなー」という、周りの声変わりしてたりしてなかったりする声を聞きながら適当に書いた。

あれから10年経ち24歳になり、自分は想像した人生を歩んでるか。
いや、進学したのが福岡の田舎で、新潟に配属され大雪に見舞われ、富山で疲弊してたなんて全然想像してなかったな。
ボランティアで子どもと交流したり(謎の110km競歩)、地元でありふれていた讃岐うどんを販売する立場になったり、ボードゲームやマーダーミステリーをめっちゃ楽しんでる人に出会ったり、いろんな楽しい出会いがあった。

色々悲しいこともあった。そんな時は数年前阿蘇カドリー・ドミニオンで見た哀愁漂う熊のような表情になる。
それでも生きてきた。これからも生きていく。

熊 イラスト

そうなると必要なのは、生きるためのお金と気力だ。
お金を稼ぐというのは決して楽ではないのかもしれない。環境を変える大変さをこの数ヶ月で思い知ったし、まだ新しい職場で働きだす前に実家へ帰ると一苦労あるかもしれない。ま、助け助けられ何とか乗り越えられるだろう。

動物繋がりで、ファーストペンギンという言葉がある。
群れの中で最初に水に飛び込むペンギンを指す言葉で、よく「リスクをとってチャンスを掴むため、氷の上から最初に飛び込むチャレンジャー」の代表例として挙げられる。ただ、一説によると「ある種のペンギンは氷の上から海に飛び込む際、最初に仲間の一匹を蹴り落とす。蹴り落としたペンギンが無事に浮かび上がってくれば、みな安心して海に入る。」という実験台役を背負わされたペンギンなのだそう。。ペンギン、君は何を見上げる⁉

ペンギン

水の中に何がいるのかというペンギンの不安も心配も、飛び込んでみないとわからない。エサとなる魚の大群がいるかもしれないし、天敵のシャチがいて捕食されるリスクもある。それを確かめに行くペンギンに新天地へ行く自分の姿を重ねてみるけど、まあ1か月休養を取りつつ興味あることを勉強していこう。

あとは変に周りを気にしすぎないように自分の思いを伝えていこう。いや、無理にうまく話そうとしなくていい。自分は自分なのだから、過去のベストの状態を目指す必要はない。他人の処世術を可能なら真似したらいいが無理に自分を型にはめる必要はない。

地底人の生活からは脱却し生活リズムを整えて朝食・昼食・夕食を摂る。自分のできることとできないことを整理し、必要なら一つ一つ焦らずに取り組んでいけばいい。

直接会うことは難しくともオンラインで話したり、自分のひと時を満喫してゆっくり寝たりしてもいい。

今は栞を挟める時。これまでのページに栞を挟んで、自分の心に語りかけていこう。今後きっといろんなことがあるだろうが、くじけそうなとき必要そうなページを見直していけばいい、きっと心が軽くなるはずだ。まだ間に合うのだから。
想像だにしなかったできごとも、代わり映えしない日々も、季節と共にあっという間に通り過ぎて、それでも僕は僕の明日を迎える。

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