17.Patience

 忍辱とは、耐え難きを堪え忍ぶ忍耐。感情に身を委ね、『瞋恚(怒り)』に任せて和を乱してはならない。
 怒り、恨み、妬み、嫉み、憎しみ、嫌うことは人間の諸悪の根源と位置付けられ、仏教では、数多ある煩悩のなかでも、最も悪い煩悩ランキング・トップ3(貪欲・瞋恚・愚痴)『三毒』のひとつとしてその名を馳せている。
 月並みな表現だが、仏教でなくても、怒って得することなどない。一般的に考えても、争いが真の喜びを生むことはない。そんなことは解っていても、一旦燃え始めた怒りの炎は、攻撃対象のみならず、最終的には

 我が身までも焼き尽くす


 故に、アンガーマネジメントは重要だ。調和なくして心の安穏はない。仏教には

『智者遠離』

のお諭しもあり、物事は遠ざかって広い視野から見るべきで、怒りからは心身ともに距離をとることが得策。怒るぐらいなら、逃げた方がまだマシといえる。
 調和を保ってこそ真の忍耐であり、真の善行となる。

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