15.kindness

 布施は、サンスクリット語ではダーナと言い、日本語の旦那、英語圏のDonor(提供者)の語源。
 基本的には、相手の利になるものを施すことを意味するが、『六波羅蜜』に示される布施行は、金品を施す『財施』、仏法を説く『法施』、恐怖や不安を取り除く『無畏施』の三つ。
 なんだ、それでは財力や知識、特殊な能力がないと善い行いはできないじゃないか。と思われた人は『無財の七施』というのもあるので調べてみて欲しい。
 なるべくシンプルに難しく考えず、要するに

 奉仕や親切

と受け止めて良いと思う。肝要は、自らが持つものを惜しむことなく他に施し、

 その喜びを感じること

 これは単にマウンティングのような優越感ではなく、自分(の命)が他の(役に立つ)為に捨てられる『喜捨』。自分の利に囚われたらご褒美と変わらない。自分の益しか考えられないのは『慳貪』、つまりはケチ。
 他に施すことが真の自利であり、真の善行となる。 
 

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