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映画『アナログ』を観た


ラブストーリー。
嫌いじゃないけど、オッサンが劇場で観るのは、ちょっと照れくさいなぁ、と思っていたが、妻が観たいというので、常滑で観てきた。

★ストーリー
携帯電話を持たない女(波瑠)とのラブストーリー。
今の時代、それだけで神秘的に感じてしまう。

★女優
波瑠はハマり役だった。
元々クラシカルな印象の強い女優だけど、神秘さと繊細さの調合が完璧だった。凛とした背筋の伸びやかさは、座っている姿だけで、「きれいなぁ」と声が漏れるほどだった。
後半はすごく美しすぎて、リアリティに欠けるけど、恋人(二宮和也)や家族(板谷由夏)にとっては、そう見えているのかもしれない。

★長澤まさみ研究
長澤まさみの32歳は、2019年。
▶︎なぜ?波瑠にハマり役なのか。
波瑠はこの役が〝合う〟。この役を長澤まさみが演じると〝合わせる〟ように映るのではないか。それこそが芝居とも言えるが、自然体には敵わないことがある。
長澤まさみなら前半部は、もっと闊達に魅せたはずだ。その方が後半との落差も生まれて、物語の深さはあったかも。
とはいっても、長澤まさみの代表作にはならなかっただろう。一方、波瑠には、代表作と呼べる作品になったように思う。
ここが合うと合わせるの違いではないだろうか。

長澤まさみの『コンフィデンスマンJP』のダー子は、幅広いシチュエーションに合わせる芝居をしているが、長澤まさみ自身の本質もしくはキャリアのなかで培われたサービス精神が、ダー子自身の本質に合ったのだと思う。だからこそ、長澤まさみの代表作となった。
ダー子は合うが、そのダー子に別のキャラを演じさせるための合わせるを、ひと役で演じるのだから、とてつもない技術がいるに違いない。
だから僕は、いずれ長澤まさみにはダー子で、アカデミー賞を取ってもらいたいと願っている。

★パンフレット
タカハタ秀太監督と二宮和也の関係の深さが、本人たちだけではなく、波瑠のインタビューからも読み取れる。
紙の質感が良く、とても手触りの良いパンフレットで、全体的に読み心地が良かった。
オススメのパンフレット。

★まとめ
いやぁ、ビートたけし、すげぇわ。と唸る映画でした。
二宮和也、桐谷健太、濱野謙太と波瑠。この4人の芝居も超自然で、そういう意味では、波瑠だけではなく、全員が役と合っていた。僕自身、劇場で吹くほど笑ったのは初めてで、その演技力も当然なんだけども、それ以上に、ビートたけしという稀代の天才の原作の力ではなかろうか。
素晴らしい映画だった。

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