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『マーベルチャンピオンズ:カードゲーム』 ルールリファレンス1.5について

公開されたルールリファレンス1.5について、更新されたリファレンス部分を和訳してアップデートしていきます。
Rules Reference Debrief:https://www.fantasyflightgames.com/en/news/2023/5/18/rules-reference-debrief-1/

【リファレンス1.5について】

『マーベルチャンピオンズ:カードゲーム』のデザインチームは、オンライン・ルール・リファレンスのバージョン1.5をお届けできることを嬉しく思っています。このゲームには約2,000枚のカードが存在し、1枚または複数のカードがゲームのルールとどのように関係するのか、疑問を持つことがあるはずです。今回のルールリファレンスでは、このような疑問に対する答えをより簡単に見つけることができるように、多くのゲーム用語の定義を追加、拡張、改訂しました。

このアップデートでは、なぜそのような変更が行われたのか、その背景を説明するために、より影響力のあるいくつかの変更について説明したいと思います。

【ゲームを変える】

『マーベル・チャンピオンズ』の基本ルールの1つに、能力を発動するためには「ゲームを変える」必要があるというものがあります。この一見単純なルールは、何をもって「ゲームを変える」とするのか、多くの疑問を抱かせることになりました。さらに重要なことは、このルールがプレイヤーに過度な制約を与え、楽しいカードの組み合わせを見つけるための創造性を制限していると感じることがあったことです。

しかし、単純にルールを削除してしまうと、ゲームプレイの可能性が広がり、ゲームの没入感が損なわれてしまうので、私たちはこのルールを削除することは避けました。ヒーローが存在しないミニオンを殴ったり、存在しないサイドスキームを調べたりすることを許可するのは、バカバカしく、ゲームプレイを通して語られるストーリーを損なうだけです。

これらのことを考慮し、我々は「ゲームを変える」ルールを、より狭いターゲットのルールに置き換えました。ターゲットを必要とする能力は、発動するために有効なターゲットを持っていなければなりません。例えば、ミニオンだけをターゲットとする攻撃イベントは、プレイするためにターゲットとなるミニオンが必要です。複数のターゲットを必要とする能力は、有効なターゲットが1つあればプレイ可能です。つまり、《乱闘(Melee)》(ミズ・マーベル/30)は、攻撃するターゲットがヴィランだけであってもプレイすることができます。

では、何が「有効なターゲット」に該当するのでしょうか?要するに、その能力の影響を受けることができるターゲットであれば何でもいいということです。例えば、《戦いへの備え(Get Ready)》(コアセット/69)は消耗した協力者のみをターゲットとすることができ、《正義のために!(For Justice!)》(コアセット/60)は、少なくとも1つの脅威トークンが乗っているスキームのみを対象とすることができます。

能力が複数の効果を持つ場合、それらの効果のうち少なくとも1つがターゲットに影響を与えるならば、ターゲットは有効です。たとえば、《コンカッシブ・ブロー(Concussive Blow)》(ミズ・マーベル/31)は、その敵にダメージを与えるためにフィジカルリソースで支払ったのであれば、すでに混乱している敵をターゲットとすることができます。

さらに、その能力がターゲットに影響を与えることができるかどうかを決定する際に、能力のコストを考慮することありません(ただし、その能力を起動するためには、すべてのコストを支払うことができる必要があります)。例えば、《What Doesn’t Kill Me(苦境)》(シニスター・モーティブス/16)は、あなたのヒーローから2ダメージを回復するという追加コストと、あなたのヒーローを準備完了状態にするという効果を持ちます。あなたのヒーローがすでに準備完了状態である場合、あなたのヒーローは準備完了効果の有効なターゲットではないので、たとえ《What Doesn’t Kill Me(苦境)》があなたのヒーローからダメージを回復して影響を与えることができたとしても、《What Doesn’t Kill Me(苦境)》をプレイできません。また、あなたのヒーローが消耗しているが体力が満タンである場合、あなたのヒーローから2ダメージを回復するコストを支払うことができないため、《What Doesn’t Kill Me(苦境)》をプレイすることができません。

【永続効果の調整】

キーワード[永続]は、より意図したとおりに機能するように、いくつかの改良が加えられました。我々は、キーワード[永続]を持つカードが、プレイヤーの最小・最大デッキサイズにカウントされないことを明確化しました。これは、これらのカードがプレイヤーのデッキや遭遇デッキに加えられシャッフルされることがなく、セットアップの開始時に脇に置かれるためです。ウルヴァリンが手札から爪を取り出せなくなることはもうありません!

【成功のための準備】

35のシナリオがリリースされ、それぞれ独自の準備条件が設定されているため、プレイヤーが意図した通りにゲームを準備できるよう、準備手順をより明確にすることが重要だと考えました。最新の準備手順では、キャンペーンの準備手順とキーワード[準備]を追加しました。また、メインスキームとヴィランの「準備」と「公開時」の能力を解決する順序を明確にしています。

これらのシナリオを開発し、『Marvel Champions』で数え切れないほどのゲームをプレイする過程で、私たちを含むプレイヤーが実際にどのようにゲームを準備する傾向があり、それが書かれているルールとどう違うかを観察しました。そのため、「遭遇デッキの作成」と「遭遇デッキのシャッフル」 を1つのステップに統合しました。

【エラッタ】

私たちは、ゲームのすべての構成要素の言語が理解可能で、一貫性があり、文法的であることを確認するために多大な努力を払っていますが、常に間違いを犯すことがあります。そこで登場するのがエラッタです。

前回のルールリファレンスのアップデートから約2年の間に21の製品がリリースされたため、今回のアップデートではかなりの数の新しいエラッタを用意しています。ほとんどはカードの機能を変えない、技術的な小さな編集ですが、ゲームの長期的な健全性を高めるために行ったものもあり、それについて述べたいと思います:

コスモ(スターロード/20、ネビュラ/20)はもともと、ゲーム内のどのデッキとも相互作用できるように書かれていました。多くのプレイヤーは彼をドクター・ストレンジとその召喚デッキの貴重な仲間だと感じています。しかし、この柔軟性が、コスモの能力によって悪影響を受けるような特殊なデッキを持つヒーローやシナリオをデザインしようとするときに障害となることが、時間をかけてわかってきました。そのため、コスモの能力をプレイヤーデッキと遭遇デッキにのみ影響するように制限することにしたのですが、これでも新しいデザインの邪魔をすることなく、コスモの自由度を大きく高めることができました。

ジェームズ・ローズ(ウォーマシン/1B)のウォーマシンのイベントをシャッフルして自分のデッキに戻す能力は、もともと1フェイズにつき1回に制限する予定でしたが、その制限が漏れていました。現在は追加されています。

ミズ・マーベル(ノヴァ/2)は、自身にダメージを与える代償として、イベントカードを再利用する強力な能力を持っています。しかし、最近、ダメージを「与える」と「受ける」を区別するようになったため、ミズ・マーベルはイベントカード「チャンピオンを目指せ!」(Go for Champions!)を無限に再利用できるようになりました(後述)。この相互作用を制限するため、また、ゲームから取り除かれたり、他のプレイ不可能な領域に置かれたイベントをミズ・マーベルが戻すことができないようにするため、ミズ・マーベルの能力を、自分のプレイヤーの捨て山から手札に戻すことに制限する表現を追加しています。

チャンピオンを目指せ! (アイアンハート/25)は非常に強力なカードであり、それは我々がデザインしたときに分かっていたことです。デッキ1つにつき1枚という制限は、そのパワーを抑えるのに役立つと考え、プレイヤー数の少ないゲームではその通りになりました。しかし、4人のチャンピオンヒーロー全員がデッキに「チャンピオンを目指せ!」カードを入れているゲームでは、このカードがゲームを矮小化し、ゲームプレイから緊張感をなくしてしまうことがあります。この問題と上記のミズ・マーベルの問題に対処するため、「チャンピオンを目指せ!」はプレイされるとゲームから除外されるようにすることにしました。この変更により、各ゲームで(プレイヤーごとに)1回だけ、チャンピオンが集まって戦況を好転させるクライマックスの瞬間となります。また、このカードをいつプレイするかという判断も、より興味深いものになります。強力なカードであるがゆえにあらゆる機会にプレイするのではなく、ゲームの序盤にプレイして早いスタートを切るか、最初に引いたときにリソースとして消費するか、慎重に検討する必要があります。

これが今回のアップデートで注目したい主な変更点ですが、まだまだ探検したいことがたくさんあります。『Marvel Champions』がリリースされるたびに成長し進化するように、そのルールセットも進化していきます。私たちは、アップデートのたびに、ルールリファレンスがより完全で、より見やすくなることを望んでいます。また、どうしてもわからないルールの質問がある場合は、ルールのお問い合わせフォーム(https://www.fantasyflightgames.com/en/contact/rules/)よりご連絡ください。

それでは、また次回、世界を救うために!
Tony Fanchi


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