ポエム

夢を追いかけていると
笑い声が聞こえてくることもあるでしょう
夢を追いかけていると
暗い隘路に迷い込むこともあるでしょう
それでもあなたはどうか
あなたのことを信じて下さい

有名になりたい
結構な事です
誰もに好かれたい
結構な事です

それに準じた努力はきっとあなたを裏切らない
でも、寒くて蹲ってしまうこともあると思います
そうした時は
独り、静かに詩を認めている青年を思い出してください
幸運でもなく、裕福でもなく
今日の生活に手いっぱいで
毎日朝が来るのに怯えている
それなのに毎日のように
誰かの為に認めたその詩を
空に還している青年の話です

将来何してる？
将来は自分で決めていいのです
３０歳だから、４０歳だから、５０歳だから
関係ありません
あなただけの翼を信じて認められた詩を追ってください

今は苦しいかもしれません
生きている価値を見出せないかもしれない
それでも、青年は
あなたに生きていて欲しいと
本気で思っているでしょう
そういった人に道程で出会うでしょう
世界はそれほどまでに広いのです
浅い呼吸を深くして
毎夜のようにくる劣等感と闘いながら
涙しながら笑ってください
あなたは決して惨めではありません
あなたは決して独りではありません

そろそろ夏の匂いがしてきます
綴られた千の言葉を追って
心に響く旋律を選びましょう
あなたは決して弱くはありません
あなたは決して孤立してはいない

春の息吹が夏の毛色を見せ始めた今宵
月の影ふみをしましょう
ベランダから空を見上げると
誰かが踊っているように見えるでしょう

共に生きましょう
格好悪くてもいいのです
笑われたっていいのです

木陰に座って少し休んでも
誰も文句は言いません
もし元気が出たなら
旋律の下踊りましょう
手を繋いだ温かさが心の氷河を砕くとき
あなたはきっと、
もっと高く飛べる

夢を追いかけていると
笑い声が聞こえてくることもあるでしょう
夢を追いかけていると
暗い隘路に迷い込むこともあるでしょう
それでもあなたはどうか
あなたのことを信じて下さい

私の手紙が届いているかは
定かではありませんが
人間は皆、みんな
生きている価値があると忘れないでください
涙する夜があっても
それはあなたが優しいからです
怒り狂う夜があっても
それはあなたの大切な物が
否定されたからです

泣くことは悪い事ではありません
尊いことだと忘れないでください
小指と小指を結んで
春吹雪を見ながら
重なった影と影で手遊びをしましょう

傷ついたあなたに
珈琲を淹れてお待ちしております

自由になりたい
結構な事です
笑って過ごしたい
結構な事です

そのままのあなたで充分なのですから