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骨の聲
シャレコウベが語り掛けてくる
死を越えた先に楽園があったと
楽園は海辺の風を揺らして、宿り木の下、キスをする恋人たちを煽っている
情念だと言わずして、貴様らの行いに意味を認めることなどできない
右目にはめ込まれたオブシディアンが
災厄を呼び込むために、必死に黒光りしている、まるで漆塗りの死骸だ
言葉を失った時に
初めて産声を上げた、本当の自分を知った
連弾でしか奏でられない音楽を
吹き曝しの耳で確かに聴いた
本来在るべき姿を晒して
雲泥の中間で息を吸う時
自分が法則にしたがって落ちていることを理解してしまう。蛾の如く光に群がって死ぬ滑稽な命には、所詮私はなれないのだろう
楽園には食料はありますか
誰に問いかけたでもない言葉を反芻しながら
自分の死期を悟るが如く
達観した虚偽の視点を草原に向けた
美しくあるべき命の流星群が
単なる火球として燃え尽きることを
人々は奇跡だと、悟った顔をしながら
語り継ぐ
澱んで澱んで
心までも災厄に任せたまま
不幸自慢を未来永劫繰り返すことの
なんと愚かしき事か
救世主でもあるまいに
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