オレンジジュース

今日は晴れているから
散歩なんてどうだろう
寝てばかりいたら身体に悪いよ

人の生き死にに興味なんて無いと
君は言う
そんな言葉を吐く君が一番現世に執着していること
僕は知っているよ

今を生きるのには、少し勇気がいる
その勇気を持ちえなかった人々で溢れているのは
神様最大の失敗だったんじゃないだろうか
もう、消えてしまいたい
そんな言葉で埋め尽くされたSNSを見る度に
自分も一緒だなんて
軽く納得してくれるなよ

君には僕がついている
頼りにならないかもしれないけれど
いつでもどこでも話を聞くよ
助けにならないかもしれないけれど
君の為に口笛を吹いてあげる
楽器は難しくて弾けないから

生きて
生きて
生きて
そんなことしか伝えられない僕は
きっと頭が悪いんだね
それでも本当の気持ちなんだ
失ってから後悔するのは嫌だから

誰もが胡乱な表情をしながら街を歩いている
大丈夫だよ、僕がいるよ
声は届かない
知ってるよ、知ってるよ
もう疲れたんだよね
歩くことにも体力を使うからね
ゆっくりでいい
ゆっくり、君の真実を僕に話してくれないか
涙をポロポロ零しながら
下手糞な言葉づかいで
本当は生きていたいと語る君
知ってるよ、知ってるよ

話してくれてありがとう
ほら、もうデネブが輝いている時間になった
今日も一日生きていてくれた君に乾杯
お酒は飲めないから
オレンジジュースで