2023-10-19

楽しみにしていた仕事の打ち合わせがあり、ひとまずゆっくり準備しても遅刻しないはずの時間に身体を起こす。ただわたしは時間の管理が非常に苦手で、予定の6時間前には起きていたのに遅刻する……ということがそう珍しくない。きょうはめずらしく余裕を持って到着できる時間に家を出たけれど、家を出る直前の慌ただしさは遅刻ぎりぎりに出るときとまったく変わらない。

打ち合わせは和やかにつつがなく終わった。楽しみにしていた、というのは企画を形にするための話もだけれど主には企画を出してくれた人と話すことで、打ち合わせのあとその場で話をつづける。『違国日記』や『さんかく窓の外側は夜』の話をユリイカの特集から五六回はしている。話は楽しくて、ただ、時間も場所も仕事の場から切れることがなかったので、身体から仕事モードが抜けてくれない。最近また、仕事とそれ以外とでふたつ名前をもっている人について、いままで読んでいた名前ではもう呼ばないと決めたことがあったのだけれど、その場から時間と空間が区切れて、ようやくその変化がうまく回り始めたのだった。ある人をこの名前で呼ぶ、というのは習慣に近くて、それを変えるというのはおそらくわたしにとって喋り方や身体の動かし方を大きく変えるようなことなのだと思う。あるいは、身体を乗せるレールを変えること。仕事モードとわたしが呼ぶものも同じことで、それは実質的にはわたし自身の語用や口調、身振りや特定の人名の扱いを普段から変えるためわたしの動かし方をスイッチすることで、そこから走りだすわたしの行き先を途中で変えることができないのだった。

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