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本屋をやってみる訳

今週末から本屋をやってみる。端的に個人的な思いや考えていることを「訳」としてまとめておこうと思う。

4/10、4/16、4/17に開催するウィークエンド本屋の概要は以下の通り。

BOOK&WEEKEND(ブックエンドウィークエンド)は、「すく」を屋号として編集・デザイン界隈で活動する私の私的な取り組みです。本が好き、本のある空間が好き、本を介した対話が好きな皆さんとお会いしたい。

4月の第2・第3週末に五城目町の革屋さん「すずなり」にて出店します。ものづくりをされている居心地よい空間で、「誰かの日常をすく」をコンセプトにセレクトした本を並べます。日曜日は活気ある五城目朝市の開催日でもあるので合わせてどうぞ。

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わかりにくさをかたちにしてみる

自分で、自分の仕事はわかりにくいと感じている。都市圏であれば「デザイン」や「編集」といった領域で市民権を得ていると思う一方で、その言葉を噛み砕いて説明するときの語り尽くせていない感も否めない。

じゃあ一度自分で何かやってみればいいじゃないか。だれかの目の前に個人的に「良い、素敵だ」と思うものを置いてみたい。それが今回本を商ってみようと思った動機である。普段は他人のふんどしで相撲をとっているようなところもあるけれど、今回は自分のふんどしをしっかり締めて土俵に上がってみようというわけ。

企画から本の選書・仕入、出店先とのやりとり、広報・コミュニケーション、本の選書・仕入、本の並べ方の検討、当日の運営と考えてみれば、これまでの経験を総動員してひとつのイベントをつくったと言えるんじゃないか。グラフィックデザインのような普段は人にお願いすることも自分の手でやってみることで改めて尊敬の念が生まれた。やってみてよかったと思っている。

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手を動かし、つくり、手渡してみる

多くのことをデジタルでこなせるようになったとはいえ、リアルの世界でかたちにしようと思ったときには必ず手を動かすことになる。今回でいえば、プライスタグをつける(A4用紙を切る、値段を手書きするという骨の折れる作業)、自宅から本を運び(腰が心配だった)、本を並べる(あーだこーだ言いながら)。

これまでは手を動かすことを嫌う傾向にあった気がする。手先が器用でないし苦手だから他の人にまかせて自分はちがうところに力や時間を使おうと思っていた節がある。でも、こういうことがやりたい、を実際に手を動かしてつくることはやっぱり尊いんだと今回感じた。効率や生産性とは無縁のところで手を動かしたからこそ伝えられるものがあるんじゃないか。

そうしてつくったもの(厳密には本をつくってはいないけれど)を来てくれた人たちに最後に手渡す。手渡すという行為は地道だけれどデジタル上のやりとりでは得られない実感をもたらしてくれるはず。

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本との出合い、本を通じた対話を演出してみる

本が好きだ、本のある空間が好きだ、本について語らうのが好きだ。

本に関する訳が最後になってしまったが、今回の出店に際して本を選んだのはまったくもって個人的な好きによるもの。本を読むというのは私にとって日常的な行為であり、欠かすことはできない(読む本よりも積まれた本のほうが多いかもしれないけれど)。

良い本屋さんでは思いもよらない本との出合いがある。本について、本を通じて対話することを演出してくれる。これまで訪れた本屋さんたちから受け取った何かを自分なりに表現できていたら嬉しいなと思う。

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最後に

今回の表現を「やってみる」としたのはこれをつづけていくかどうかまだわからないから。でも「みる」とつけてみると何かに挑戦するうえでのハードルはグッと下がる。そして一度やってみることでわかることもあるのだ。

実際に今回も出店準備をしていくなかでみえてくることがあった。インターネットを通じてではあるが、扱う本を探すなかで知らなかった本に出合ったり。安く仕入れて高く売るという小売の基本について考えたり。棚や平台の作り方を行く先々の本屋さんで学んだり。古家具屋さんをまわって什器を探したり。準備の過程で好きだと感じる行為があるのだと発見できたのは幸いだったように思う。

そして、やってみるにおいてもすずなりさんをはじめ多くの方々の協力をいただきました、本当にありがとうございます!

さあ、今日ははじめての出店だ。五城目でお待ちしております。

読書会のほうも参加者募集しておりますので、本好きの方、村上春樹好きの方、ぜひご参加ください。参加のお申し込みは以下のリンクより。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSey4Q-xrFe9XhEiE6GHIUu9P9fWkdZc3F_tbTBcjC24mbAquw/viewform

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