奥多摩
8月は奥多摩から始まった。
7月の終わりは風邪・濃厚接触・祖母の急死と、イベントラッシュだった。
時間がゆっくり流れる奥多摩は、そんな私にとって癒しだった。
車から降りて身体に入ってくる空気が都会と全然違う。大学と同じ東京都にあるのかと疑いたくなるレベルだ。海の側に住んでいるだけに、綺麗な空気を日頃から吸えている生活だが、綺麗のレベルが数段上だ。
なんか空気に「綺麗」って描かれていると感じるレベル。
空気の綺麗さに感動してから、最初の目的地ラフティングへ。
SUPのおかげでパドル慣れしており、オールを使って漕ぐのは得意だ。一緒にきたメンバーもSUPできる友達のため、ボートが順調に川を下っていく。揺れや回転もあるが、楽しめる範疇だ。
ボートがうまく前進せず、岩にぶつかり、くるくる回転するところをガイドさんは毎回見ていただろう。しかし私たちのボートが順調に下っていく展開にガイドさんも驚いていた。
みんながSUP経験者であるという種明かししたところ、私がボートの舵を取ることになった。座席の最後部に座り、ボートを操縦した。ちなみにガイドさんは真ん中あたりの席で川下りを楽しんでいた。楽しんでいることが伝わってきた。
普段競技のSUPであると、景色よりもスピード。周りをあまり確認せずに漕ぎ続ける。川の流れも確認するが、流されるのでなく流れを掴みにいく。
ラフティングでは川との触れ合い方が普段と180°異なった。スピードよりも景色、掴むよりも流される。
SUPの時の必死に漕ぐのも良いが、ゆっくり川を感じる楽しさを思い出した。最近見失っていたものを取り戻せた気がした。
ラフティングが終わった後はカワナ釣りで昼食。
綺麗な多摩川上流で釣りが楽しめるのか、なんて期待していたが釣り場は川の横の生簀。ま、そうですよね。
おかげで10分くらいでみんな1匹ずつ釣れた。川から直釣りだったら、どれくらい時間がかかったのか。(川の近くにずっといたおじさんは1時間くらい釣り糸を垂らしていたが、釣れている姿を見なかった。)
釣った魚はその場で炭火焼き。大自然で魚の丸焼き。焼いた魚に豪快に塩をまぶし、皮ごとパクッといただきます。
思い出しただけでお腹が空いてきた。
食べたのは魚1匹だけなので、量的には決して満たされない。だが大自然の中で食べる行為が大きな付加価値。食べ物は五感で味わうと言うが、まさに五感をフル活用していた。
お腹も体も満足してきたところで、この日の最終目的地・奥多摩湖へ車を走らせた。
エメラルドブルーの湖。
日本で見れるとは思わなかったほどの美しさだった。この日の前日まで雨が多かったこともあり奥多摩湖は若干濁っていたらしいが、普段目にしている川や海の数倍も水が透き通り、息を呑む光景だった。
車から降りて湖の周りを散策し美しさに酔いしれていたが、すぐに雨が降ってきた。雨の中も粘って歩き続けたが、雷が鳴ってきたら即撤退。雨雲レーダーを見ても1時間は降り続けると。
もう少し奥多摩湖の周りをゆっくり歩きたかったが、心残りのあるくらいで帰る方がちょうど良いかもしれない。また来よう、と強く印象に残せる。
次はSUPを持って奥多摩湖には訪れよう。そして湖上で時間がゆっくり流れていくことを楽しもう。